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アパレル販売員の繁忙期と閑散期

アパレル業界には年に2回、バーゲンやセールが行われる夏と冬に繁忙期が訪れます。年間の売り上げの中で重要な位置を占めるため、この時期は勤務内容も通常より格段に増量。準備にも相応の時間が必要とされます。閑散期は来店客が減少する時期ですが、この時期でないとできない作業なども数多くあります。

今回は、アパレル業界における繁忙期・閑散期の働き方、そこから売り上げアップやスムーズな店舗運営に繋がるコツについて紹介します。

【目次】
繁忙期・閑散期について
年間スケジュール(春・夏・秋・冬)
それぞれの働き方
求人・転職の傾向

繁忙期・閑散期について

一般的に小売業の繁忙期は12月、閑散期は2月・8月と言われています。アパレル業界の場合、繁忙期はバーゲンが行われる7月も該当。クリスマスや初売りが行われる12月〜1月と併せて大きく売り上げが伸びる時期となっています。大規模なバーゲンがこの時期に行われるのは一般企業のボーナスに狙いを定めているためで、この時期は世間全体で購買意欲が高まっています。

閑散期は、セール後に加えて商品の動きもあまりなく、通常時に比べて1日分の売り上げを立てることにも苦労します。しかし、ここでモチベーションを下げてしまうと、貴重な時間が台無しに。繁忙期の慌ただしさに追われていた分、顧客とじっくり向き合うなど、コミュニケーションに注力しましょう。

■繁忙期 → 7月、12月、1月                                                                    ■閑散期 → 2月、8月                                                                 

年間スケジュール

アパレル業界では流行を先取りするため、一般的な四季よりも1〜2ヶ月前倒しで商戦を計画します。「繁忙期」「閑散期」を理解するうえでも、年間スケジュールを把握しておくと良いでしょう。

春【2月~4月】

2〜4月の春シーズンは、バーゲン終わりの閑散期に始まり、冬物の在庫整理に追われますが、それが終わると3月から春物が始動。入学式や入社式、卒業式などに焦点を定め、ジャケットやコートなどフォーマルの動きが目立ってきます。4月になると春物のセールが始まり、若年層やファミリー層の来店が増加。カジュアルウェアやカーディガンなどの需要も増え、まとめ買いをする人も多く見られます。

夏【5月~7月】

5月に入ると気候も温かくなり、半袖や薄手のシャツといった夏物が少しずつ動き出します。ゴールデンウィークや母の日などのイベントが重なり、4月から続けて売り上げの安定が見込まれます。6月になるといったん客足も落ち着きますが、顧客に向けてプレセールが行われるため、客足は徐々に増加していきます。ここで来店したフリーのお客様にじっくり接客すると、後々、顧客として定着する可能性が高いです。秋冬の展示会などもこの時期に行われます。7月には夏物が活発化。セールも始まって本格的に繁忙期を迎えます。新規の顧客を獲得するチャンスですが、値下げにより客単価が低くなるため、セット販売の強化を意識しましょう。

秋【8月~10月】

8月はバーゲンも終わり閑散期に突入。秋物の展開も始まりますが、まだ大きくな動きはありません。夏物の在庫整理に追われ来店者数も下がりますが、そんな時期だからこそ丁寧な接客を忘れずに。9月からはジャケットなど軽めのアウターが出ることで商品が充実。入居施設が優待セールを行うことも多く、実用的な商品を探すお客様の来店で売り上げの回復が期待できます。気温が下がり始める10月は衣替えの時期で、秋物への買い替えが活性化。ニットなども投入され秋冬商戦が本格的になってきます。

冬【11月~1月】

11月上旬は比較的、客足も落ち着いていますが、冬物の動きが本格化。クリスマスやお正月など冬のセールに向けた準備が開始されます。顧客を対象にしたプレセールや春夏の展示会も行われ、繁忙期ほどではないにせよ店内の動きは活発になります。単価の高いコートの販売もあり、無理なく売り上げの目標値に到達できるでしょう。この時期に顧客のデータを分析しておくことでセールの対策に繋がります。1月の初売りは、夏のセールよりも来店が増加する繁忙期。福袋が飛ぶように売れ、1年の中でもっとも高い売り上げが期待されます。個人の担当を付ける余裕がなくなってくるため、店内のディスプレイやマネキンのコーディネートなどでお客様の視覚に訴えかけることが重要になってきます。


それぞれの働き方

繁忙期に突入すると、店舗は息をつく暇もないほどの慌ただしさに。この時期をスムーズに乗り切るには、セール商品の品出し、備品の準備、値札の付け替え、臨時スタッフも含めた販売員のスケジュール管理といった作業が重要になってきます。日毎に状況が変わることも予想され、商品の動きは朝礼やミーティングで逐一、共有しておきましょう。什器の移動など体力仕事が増え、休みも取りにくくなるので体調管理を徹底しておかなければいけません。客数が圧倒的に増えるため、普段のような接客を行うことが難しくなりますが、そんな時期だからこそ丁寧さは必要不可欠。店舗責任者は、この時期ならではの接客スキームを確立しておくことが望まれます。

閑散期の作業で、もっとも注力したいのが、店舗の在庫確認や検品などを行うバックヤード業務。これと連動して売り場の整理・変更をしておくことがスムーズな接客に直結します。顧客へのDMを作成して来店を呼びかけたり、SNSを利用した商品の紹介など、プロモーション的な作業はこの時期に重点的に行なっておきましょう。接客ノウハウを見直してスタッフ全員でシミュレーションを行うなど、教育や育成も閑散期だからこそ行えるタスクです。


求人・転職の傾向

アパレル業界の「繁忙期」「閑散期」について掘り下げてきましたが、この時期と求人・転職の時期に大きな関係はあるのでしょうか。アパレル業界でも新卒の採用時期となる4月から逆算して、募集を始めるブランドやショップが多くなっています。もちろん、同時期に中途採用を積極的に行っているところもあり、転職のチャンスと言えます。加えてセールなどがある「繁忙期」を見据え、5~6月、11月あたりでの採用募集が増える傾向も。普段の募集時に比べると人手が欲しいこともあり、採用の基準の振り幅も大きいと言われています。また、「閑散期」に店舗の改装や新店のオープンを進めることもあるようで、この時期に改装のためのバックヤードスタッフやリニューアルオープンスタッフが募集されることも多いようです。

TEXT:伊東孝晃

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