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ファストファッションブランドとハイブランド、販売員に求められるスキルの違い

ショップなどで接客し、要望やニーズをふまえてアイテムを紹介する販売員ですが、“販売員”と言っても、ファストファッションブランドとハイブランドでは求められるスキルが全く違います。一人で多くを接客するファストファッションブランドと、一人の顧客を一人の販売員が担当するハイブランド。それぞれに大変さとやりがいがあります。自分がどちらの販売員に向いているのか、この記事を読んで考えてみるのも良いかもしれません。

【目次】
ファストファッションブランドとハイブランドの違い
販売員に求められるスキル
【ファストファッションブランド】
【ハイブランド】

ファストファッションブランドとハイブランドの違い

ファストファッションブランドは、安くて早い「ファストフード」になぞらえて作られた造語。ファストファッションブランドが取り扱うのは最先端の流行を取り入れたデザインのアイテムたち。最新トレンドを1~2週間単位で入れ替えていくため、定番商品を持たないのも特徴です。アイテムを長く楽しむことよりも、トレンドに敏感でワンシーズン楽しみたいという層から人気です。自社で製造から販売までを行う製造小売業という形態をとっている会社が多く、自社でほぼ全ての製造を行うことで低コストを実現しているようです。

ハイブランドとは「HIGHT」と名のつく通り、ハイクオリティ・ハイコストのブランドのことです。明確な定義はありませんが、高品質かつ高級であること、実績があることが重要とされています。ハイブランドの中には1世紀以上の歴史を持つブランドもあり、当時は王族や貴族などの上流階級を顧客としていました。今でも海外王室の人々がハイブランドのバッグを持っていますが、他国のブランドを持つことで友好の意志を示しているのだそうです。また、ハイブランドは限定された流通チャネルや旗艦店のみで取り扱うことで、あえて「遠くから足を運んでまで買いたい富裕層」にターゲットを絞るなど、戦略も一般的なブランドと一線を画しています。


販売員に求められるスキル

【ファストファッションブランド】

企業が行う営業戦略には企業から顧客に積極にアプローチをかける「PUSH(プッシュ)型」と顧客から企業にアプローチをしてもらう「PULL(プル)型」の2種類があります。ファストファッションブランドが行っている営業戦略はPULL型で、接客をほぼ行わないという特徴があります。接客の時間よりもレジ対応や品出しなどの時間が多いと言われています。

・素早さ

安く品数が多いファストファッションブランドのレジはいつでも混雑しています。沢山の顧客が訪れるため、気付くと陳列棚がぐちゃぐちゃなんてことも。商品の畳み直しや店内の清掃を行う「クリーンアップ」も販売員にとって重要な仕事。レジを素早く捌き、いつでも店内が綺麗に見えるよう気を配りながら素早く整える必要があります。ファストファッションブランドの販売員の服を畳むスピードは桁違いで、1枚につき5秒以上かかるスタッフには指導が入るというブランドもあるのだとか。

・スタッフ同士の連携

素早さが重要であることをお伝えしましたが、素早く動くために必要なのがスタッフ同士の連携です。会計をスムーズにするためにレジを待っている人のハンガーを予め回収したり、試着室を効率良く回したりと、スタッフ同士でのアイコンタクトは欠かせません。

・体力

トレンドごとにレイアウトを変えるうえ、売れるスピードも速いため、大量の在庫を品出しし、さばいていく体力が必要となります。冬はニットやコートなど重量のあるアイテムが増えますし、夏でも1枚ごとの重さは軽くても大量に運ぶとなると相当な重さになるでしょう。バックヤードでの仕事も多いため、一日中動き続けられる体力が求められます。

顧客がファストファッションブランドに求めるものの一つに「店員を気にせずに買い物を楽しめる環境」があります。よく「服を買いに行く服がない」という悩みを耳にします。多くの人が「店員に自分の服装や見た目を変に思われないだろうか」という不安を抱えているのです。その点、ファストファッションはPULL型の接客ですから、気兼ねなく買い物を楽しめますよね。顧客とのコミュニケーションを楽しみたいタイプの人は少し物足りないかもしれませんが、ファッションに関わりながらも淡々と仕事と向き合いたいという人にはファストファッションブランドの販売員は向いているかもしれません。


【ハイブランド】

基本的に受け身のPULL型営業戦略のファストファッションブランドに対して、企業側から積極的に顧客に関わっていくPUSH型のハイブランド。顧客一人一人に対して細やかな対応が可能なため、顧客満足度の向上に繋がりやすいのが特徴です。ハイコスト、ハイクオリティ、ハイホスピタリティの三拍子が揃って初めてハイブランドと言えるでしょう。

・ブランドへの深い理解

ハイブランドは長い歴史と実績を持つブランドが多く、デザイナーやクリエイティブディレクターが変わることもあります。そういったブランドの節目にはブランドの世界観自体にも多少の変化が生じるもの。コンセプトや世界観を深く理解し、伝えられるというのも販売員に必要なスキルです。

・一人の顧客への密接なコミュニケーション能力

ハイブランドではいかに顧客と密なコミュニケーションをとれるかが重要とされ、「担当制度」があるブランドも多く存在します。新作の入荷情報や、ネットには掲載されないような希少な商品の紹介、店舗イベントの招待などを手紙やLINEで連絡し、顧客と密に繋がります。大切なのはその顧客に合った情報を提供すること。「〇〇様にお似合いの新作のご紹介です」など、その人をよく知っているからこそのカスタマイズされた情報提供を行う必要があります。中には担当顧客の誕生日や結婚記念日などを覚えておいて、そのタイミングで来店された際にはお花などのちょっとしたプレゼントを用意することもあるそうです。

・カリスマ性

ハイブランドで取り扱われる商品は安くても数万円~、一度に何百万円単位のお金が動くこともあります。決して安い金額ではありませんから、「この人から購入したい」と思ってもらえる販売員でなくてはなりません。身だしなみを整えることはもちろんですが、メイクやヘアスタイルがそのブランドの世界観に合っているかも重要なポイントです。姿勢の良さや上品で丁寧な言葉遣いからも品格はにじみ出るもの。常識やマナー、教養などあらゆる方面で自分を磨き、カリスマ性を養う必要があると言えます。

アイテムを手に入れるだけでなく、非日常的な優越感や満足感を得られるのもハイブランドの魅力。ハイブランドの販売員にはお金を使った以上の満足度を感じてもらうためのスキルが求められます。ただ商品を売るだけではなく、世界観そのものを売っているという意識を持つ必要がありますね。求められることの多い仕事ではありますが、ひとり一人と向き合えるやりがいのある仕事と言えます。

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