2022年春夏のトレンドのひとつに上がっている「クロシェ」。ビスチェで重ね着をするスタイルやパンツ、ワンピースなど、様々なアイテムが登場しており、PRADAやサン ローラン、クロエなどのハイブランドからも、クロシェ・アイテムが発表されて話題となりました。このブームは、自然回帰や手作り感を求める世の中の流れが関係していると言われています。そこで今回は「クロシェ」を取り上げ、人気の理由を探ります。
【目次】
・クロシェとは?
・ニットとクロシェの違い
・夏のコーディネートにぴったりな理由
・トレンドはボヘミアンテイスト
クロシェとは?
「クロシェ(クロッシェ)」とはフランス語で「Crochet」。意味は、「かぎ針・かぎ針編み」となり、1本のかぎ針で作られる編み物の技法のことを差します。粗く大柄なかぎ針編みになっているのが特徴で、花柄や幾何学模様などの豊富なデザインも魅力のひとつ。手編み風の透かし模様のことを差す場合もあります。
また、かぎ針で作ったレースは「クロシェ(クロッシェ)・レース」と呼ばれ、日本では最もポピュラーなレース手芸と言われています。「クロシェ(クロッシェ)・レース」は16世紀頃にヨーロッパ各地で広まったとされますが、中でも19世紀にアイルランドで発展した「アイリッシュ・クロシェ(クロッシェ)」は特に有名で、浮彫りのような立体感が特徴。編み方には大きく2種類あり、花びらを重ねて立体感を出す編み方と、パディングコード(芯糸)を編み込むことで陰影を出す方法があります。
ニットとクロシェの違い
生地は大きく「織り物」と「編み物」に分けることができますが、ニットとクロシェにはどのような違いがあるのでしょうか? ふたつとも編み物ですが、「棒針・棒針編み、機械編み」で作られる生地をニット、「かぎ針・かぎ針編み」をクロシェと、構造や技法によって区別されています。ただ、日本語では『編む=組み合わせてひとつの物を作る』という大きな意味合いで使われることが多いため、そこまで明確に分類はされていないようです。
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夏のコーディネートにぴったりな理由
クロシェは、ざっくりとした粗い編み目が特徴なので、取り入れるだけで涼しげな印象となり、夏のコーディネートとして支持されています。トップスやスカート、ワンピースに加え、クロシェのパンツやビスチェも近年のトレンド。また、バッグやピアス、帽子などの小物でクロシェ・アイテムを取り入れるだけで“夏感”が出るのも人気の理由です。同じく透け感を演出できるシアー素材に比べると、クロシェはさりげない肌見せで華やかな印象になります。
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トレンドはボヘミアンテイスト
2022年、春夏のトレンドと言われるクロシェですが、特に注目なのがボヘミアンテイストです。ボヘミアンとは、ボヘミア地方(チェコスロバキア)に由来し、民族衣装やジプシーのファッション要素を取り入れたスタイルを差します。60~70年代にひとつのスタイルとして確立されました。そのボヘミアンスタイルを象徴するアイテムのひとつがクロシェです。アイテムをひとつ加えるだけで、雰囲気がガラリと変わります。また、長く人気のワンカラーコーデは色をまとめるがゆえに、のっぺりしてしまう可能性がありますが、例えばクロシェを取り入れることで凸凹が生まれ、メリハリのある印象に仕上がります。