フォーマルやビジネスシーンはもちろんカジュアルスタイルの際にも大活躍のシャツ。シーズンを問わず使える万能アイテムですが、特に夏場はクーラーが効き過ぎた室内でも快適に過ごすために1枚持っておきたいですよね。そんな身近なシャツには長い歴史があり、様々な素材や種類があるのをご存知でしょうか?今回はシャツの着こなし術と併せてご紹介します。
【目次】
・シャツの歴史
・素材から見るシャツの種類
・シャツの色々な着こなし術
シャツの歴史
シャツの起源は古代ローマにまでさかのぼります。2枚の布を重ねたスリット入りの布をチュニックとして着ていたことが始まりだそうです。一般庶民は膝丈、貴族はロング丈という風に身分によって丈の長さが違い、ヨーロッパ中世期になると男性が着用するシャツは短くなり、男女によっても差が生まれるようになりました。15世紀になると「ラバ」という折り返した襟が流行。16世紀にはハイネックやひだなどデザイン襟が登場し、デコラティブなシャツが貴族の間で人気になりました。しかし大きな襟は食事の際に不便だとして、現在のような扇形の襟に変わっていったそう。19世紀になるとシャツはかなりシンプルになりました。
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素材から見るシャツの種類
・ブロードシャツ
縦横に同じ太さの糸を使用した平織の生地。表面に少し光沢があり綺麗目な印象になります。厚手のブロードのことを「ポプリン」と呼ぶことも。
・ドビーシャツ
ドビー織機という機械で織ることで柄を表現した生地のこと。種類の異なる糸を織り込んでいるため光の加減で模様が浮かびあがります。ブロードよりもさらに上品な印象に。
・ヘリンボーンシャツ
山織りと谷織りが交互に並ぶことでV字のような柄になります。ヘリンボーンは「ニシンの骨」という意味を持ち、V字のような柄がニシンの骨に見えることから名づけられたそうです。V字の幅が太いとカジュアルに、細いとドレッシーになります。
・ツイルシャツ
斜めに畝(うね)のような盛り上がりが表れる織り生地のこと。実はデニム生地もツイル織のひとつ。そう聞くとカジュアルな素材のように思うかもしれませんが、織が細かいものは光沢感が出るためフォーマルシーンにも用いられることがあります。シワにもなりにくい人気の生地です。
・オックスフォードシャツ
縦横ともに綿の糸を使用した通気性の良い平織の生地のこと。主にボタンダウンシャツに使用されるほか、丈夫でシワになりにくいことからスポーツウェアに使用されることも。オックスフォードよりも糸が細いものをピンポイントオックスフォード、さらに細いものをロイヤルオックフォードといいます。糸が細くなればなるほどドレッシーな印象になります。
・シャンブレーシャツ
シャンブレーは縦と横で糸の色を変えた平織の生地のことで、異なる色の糸で織ることで独特の風合いが生まれます。霜降りのような風合いは印刷では出せないことからファンの多い生地です。縦と横で糸の色を変えて織る点ではデニムと同様ですが、シャンブレーが平織りで垂直に織られているのに対してデニムは綾織りで斜めに織られています。
・フランネルシャツ
所謂「ネルシャツ」のこと。チェックシャツのイメージが強いですがウールやコットンを使用した起毛感のあるシャツ全般を指すため、無地のタイプも存在します。古着やグランジファッションでは欠かせないアイテムです。
シャツの色々な着こなし術
・まずはきっちり着る
冠婚葬祭などフォーマルな場で用いられるくらいですから、シャツは上品で綺麗なアイテム。着崩さずシンプルな着こなしも素敵です。ボトムにデニムやワークパンツなどラフなアイテムを合わせる際はあえて第一ボタンまで留めることでメリハリのあるコーディネートに。
・袖まくり
袖まくりをすればきっちり感は残しつつ、おしゃれになります。カフスボタンを外して腕時計を見せると大人の洗練された抜け感を演出できます。
・タックイン
柄シャツや半袖シャツなどシャツ自体がカジュアルなテイストの場合は、スラックスと併せてタックインがおすすめ。キレイメになるだけでなく脚長効果も期待できます。ベルトが見えるのでお気に入りのベルトを見せるのも良いですね。
・抜き襟
数年前に爆発的に流行し、今ではすっかり定番となった着こなし「抜き襟」。デコルテが見えるくらいボタンを開け、襟の後ろを引っ張ってうなじを見せます。ボタンを開けた時に肌の露出が多いため不安になるかもしれませんが、襟を引っ張ることで見えなくなるので大丈夫。襟を抜くのはこぶし一つ分が目安です。サイズもジャストではなく、ややオーバーサイズ目のものを選ぶことで空気をはらんだ柔らかなフォルムになります。
・プロデューサー巻き/たすき掛け
80年代の終わりから90年代初期にかけて流行した「プロデューサー巻き」。所謂「業界人」のようにシャツを肩掛けするスタイルのことです。シャツのボタンをすべて閉め、ボタンが外側に見えるようにし、ネック部分を内側に折って肩にかけます。プロデューサー巻きか派生したスタイルで、「たすき掛け」があります。マラソンなどで使われるたすきのように斜めに交差させてかけるアレンジ方法。たすき掛けしたシャツがボディバッグのようになりコーディネートのアクセントになりますよ。
・腰巻き
シャツの腰巻きと言うと少し前のトレンドと感じる人もいるかもしれませんが、最近はまた腰巻きの人気に火が点きつつあります。コツはアイテムの合わせ方。腰巻きと言えばTシャツとデニムを合わせるのが主流でしたが、今の流行りはワンピースとのコーディネートです。無地のワンピースや切り替えのないワンピースを着た時、腰にシャツを巻くことでメリハリが生まれます。
素材や着こなしに注目することでお気に入りの一枚が見つかるかもしれません。今年の夏はシャツを取り入れて一味違うコーディネートを楽しんでみては?