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この夏トレンドの、ビーズの歴史と魅力を深堀り!

今、ビーズアイテムが大注目されているのをご存知でしょうか。2020年頃からビーズアクセサリーの人気に火が点き、今年はビーズバッグが大人気。ビーズはなんと10万年の歴史を持ち、長い年月をかけて素材や形、製造技術など多様な発展を遂げてきました。ひとえにビーズと言っても生産国の違いなどによって様々な違いがあるのです。今回はそんな奥深いビーズの歴史と魅力をご紹介します。

【目次】
トレンドのビーズアイテム
ビーズの種類
10万年の歴史を持つビーズ
ヴェネチアンビーズとチェコビーズ
日本のビーズ

トレンドのビーズアイテム

2020年頃爆発的ブームとなったビーズアクセサリー。韓国ドラマのヒロインがビーズブレスレットを着けていたことで話題となりました。作りがシンプルで、ビーズが手に入りやすい素材であることから手作りする人も増えました。日本では昭和にビーズバッグが大流行しました。今では高価な日本製のビーズをふんだんに使用していることから希少価値が高くなっています。

現在はビーズアクセサリーからの流れでビーズバッグも注目されていますが、昭和レトロなものではなく、韓国からの輸入レトロバッグがトレンド。昭和レトロビーズバッグは、細かなシードビーズを使用し、刺繍をすることで絵柄を表現しているのが特徴ですが、輸入レトロビーズバッグは1つ1つのビーズの直径が比較的大きく、刺繍というよりは編んでいるものが多くなっています。鮮やかなカラーも多く、涼し気な印象になるためこの夏取り入れたいアイテムとして注目されています。


ビーズの種類

ビーズは「穴が空いている小さな玉」のことを指しますが、色や形・素材など非常に多くの種類が存在します。今回はその中から、代表的なものをいくつか紹介していきます。

シードビーズ:1~2mm程度の種のように小さなビーズのこと。ビーズの直径に合わせて穴も小さいのが特徴。なんと世界でシードビーズを生産しているのは日本、チェコ、フランス、インドの4ヵ国だけなのだとか。

ウッドビーズ:木製のビーズのことで、天然木を使用したものからウッド風のものまで様々です。

竹ビーズ:竹のように縦長の筒状のビーズで、ひねりのあるツイストタイプもあります。

ドロップビーズ:雫の形をしたビーズで、柄や素材、大きさなどバリエーションが豊富。穴の向きに縦と横の2種類が存在します。

スワロフスキー:まるで宝石のような輝きとその値段からスワロフスキーがビーズだと思っていない人もいるかもしれません。スワロフスキーの中には穴が開いていないデコレーション用のものも。

ガラスビーズ:ガラスビーズもスワロフスキー同様キラキラとした輝きが美しいビーズですが、ガラス製のためスワロフスキーよりも控えめで涼し気な印象。値段も安価のため人気のビーズです。

パールビーズ:真珠から作られる高価なものと、川などで獲れる貝から作られる淡水パールビーズの2種類があります。


10万年の歴史を持つビーズ

ビーズを英表記にすると「beads」。なんと10万年以上の歴史を持ち、古英語と呼ばれる「アングロ・サクソン語」という700年~1100年頃の英語の「biddan(祈る)」、「bede(祈る人)」が語源だと言われています。名前の通り、元々宗教的な祈りの用具やお守りとして使用されてきました。協会のロザリオの数珠玉として使われていたことから神聖で宗教的なものとして今でも世界的に使われています。人類最古のビーズはイスラエルとアルジェリアの遺跡から出土した中心に穴の開いた約2センチの貝殻。出土地域は海から離れており、穴の位置からも意図的に開けられていることから装飾品のビーズだと考えられています。そもそも人類が身に着けるために生み出した最初の装飾品はビーズ。日本では沖縄県のサキタリ洞遺跡で見つかった約2万3千年前の貝が最古のビーズで、顔料で着色された装飾品としても最古のものとしても知られています。

ヴェネチアンビーズとチェコビーズ

11世紀頃のイタリア・ヴェネチアでは、ビーズは宝石の模倣品としても使用されていました。宝石と見間違うほどのクオリティで、貿易取引物の中でも最も貴重なものとして大切にされていたそうです。そのため、15世紀になると政府はガラス製造技術の流出を恐れ、ガラス職人たちをムラーノ島に強制移住させました。そして脱出を試みた者は死罪というなんとも大胆な政策を打ち出します。厳しい管理下の元で熟成されていったガラス製造技術は素晴らしく、ヴェネチアンビーズはその精巧な美しさで高い人気を誇っています。複数の異なる色の長いガラスを集めて熱することで接着し、薄切りにして絵柄を作り出すモザイクガラスや、シェブロンと呼ばれる日本でいうところのとんぼ玉、シードビーズなどが有名。今でもムラーノ島はガラス関連のお店や工房が集まる島として栄えています。

職人を離島に集めてまでガラス製造技術の流出を防ごうとしたヴェネチアですが、最終的にはヴェネチアから脱出したガラス職人がチェコに流れ着き、チェコもその高いガラス製造技術で世界有数のビーズ大国となりました。特に北部の「ヤブロネッツ・ナド・ニソワ」がチェコビーズ発祥の地で、チェコビーズ製造会社や工場が多いそうです。チェコビーズはファイヤーポリッシュというマシーンでカットしたビーズを高温で熱し、表面を溶かすことで柔らかな丸みを帯びる手法や、テーブルカットというプレス成型後にコーティングをしてから研磨することで模様や濃淡を生み出す手法が代表的。様々な色のガラスを重ねたり銀箔を入れたりと独特の風合いが人気のビーズです。


日本のビーズ

日本は弥生時代後期の遺跡からガラス炉が発掘されたことから、2千年前の弥生時代中期からガラスビーズが作られていたと考えられています。ビーズ生産はヨーロッパが先進国ですが、ヨーロッパ産のガラスビーズが日本に伝わったのは江戸時代。ちょうど鎖国時代ですが友好国を通してヴェネチアやオランダのガラスビーズが輸入されました。特にオランダ産のものは「オランダ玉」と呼ばれ人気が高く、南蛮貿易で技術が伝わったことで長崎のガラス職人が生産を始めたそうです。どんな製品でも丁寧な仕事とクオリティの高さが人気の日本製ですが、それはビーズも同じ。品質の良さはもちろん、シードビーズのような小さなビーズなどのサイズの均一さは世界的に見ても圧倒のクオリティだと言われています。MADE IN JAPANはもはやブランドで、国内メーカーの市場はほぼ海外なのだとか。有名なハイブランドなどにも日本のビーズが使用されていることが多いそうです。

使用されているビーズがなんという種類なのか、どこの国のものなのか考えながらアイテムを選ぶのも楽しいかもしれませんね。この夏はコーディネートにビーズアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか?

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