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展覧会『コシノジュンコ「原点から現点」』大分県立美術館

4月15日(金)~5月29日(日)の間、大分県立美術館でコシノジュンコにフォーカスをあてた展覧会『コシノジュンコ「原点から現点」』が開催中。世界的なファッションデザイナーであり、アートディレクターでもあるコシノジュンコ。艶やかな黒髪ショートボブに目尻を跳ね上げたアイメイクなどの特徴的な外見は、日本のファッションデザイナーのアイコン的存在にもなっています。本展は、コシノジュンコの過去最大規模の展覧会となっており、ファッションはもちろんのことインテリアや食、ライブプロデュースからなんと花火のデザインに至るまで、ジャンルの垣根を超えて人々の心を動かすコシノジュンコのクリエイションを存分に堪能することができます。

【目次】
原点は「油絵」
19歳で装苑賞を受賞
22年間続けたパリコレクション
だんじりに根付く和へのこだわり

原点は「油絵」

コシノジュンコ

コシノジュンコの地元は大阪の岸和田。母が洋裁店を営んでいたこともあり彼女にとって服作りは幼い頃からとても身近なものでした。姉のヒロコも妹のミチコもファッションデザイナーという、日本屈指のデザイナー一家の次女として生まれました。ジュンコが高校に入る頃にはすでに姉のヒロコは文化服装学院でファッションデザイナーの道を進んでいたこともあり、母と姉に反発するようにファッションデザイナーではなく画家を志すように。高校生が受賞するのは難しいと言われている美術展で入賞したこともあるのだとか。文化服装学院のスタイル画の講師である原雅夫氏がジュンコの描いた油絵を見て「なぜ洋裁の道へ進まないのか」と聞いたことがきっかけで、母や姉に反抗するのではなく置かれた道を進もうと決めたのだそうです。今回の展覧会では岸和田高校の美術部で書いた絵画も展示される予定。彼女のデザインはファッションだけでなくアートとしての側面も大きいため、その原点となる高校生時代の作品が見られるのはとても貴重な機会です。


19歳で装苑賞を受賞

高校卒業後は姉と同じ文化服装学院へ進学。文化服装学院は日本最初の服装教育の学校として認可された学校で、約100年もの歴史を持っています。卒業生には名だたるデザイナーたちの名前が。そんな才能あるデザイナーを大勢輩出してきた文化服装学院で、コシノジュンコはなんと19歳という若さで最年少の装苑賞受賞者となりました。今回の展覧会では、装苑賞の受賞作も紹介されます。

装苑賞とは?                                                                    女性向けファッション誌「装苑」が開催する新人デザイナーにとっての登竜門的なファッションコンテスト。原則服飾デザインを職業としていないことが応募資格ですが、本職としてからも2年間は応募することができます。これまでにコシノジュンコ、高田賢三、山本寛斎、山本耀司らが受賞しました。

22年間続けたパリコレクション

パリコレクション1998SS

北京やニューヨークのメトロポリタン美術館、ベトナム、ポーランド、キューバなど世界各地でショ-を開催し、世界から高い評価を受けているコシノジュンコですが、1978年から22年もの間参加し続けたパリコレクションは特筆すべきでしょう。1998年SSのパリコレクションの様子は、展覧会でも見ることができます。パリと言えばやはりファッションの都。たくさんのファッションデザイナーの憧れでもあります。しかし、コシノジュンコは初めてパリに降り立った時、その見慣れた東京と大差ない風景に『これが憧れたパリか』とがっかりしたのだとか。パリコレに参加している間、自分が住んでいる東京が世界で一番だという思いで挑戦し続けたのだそうです。


だんじりに根付く和へのこだわり

コシノジュンコの故郷である大阪府岸和田市はだんじりが盛んな町。コシノ家はだんじりの通り道にあり、家の2階は特等席だったそうです。三姉妹の中で唯一ジュンコだけが自らだんじりを引くようになり、本人もインタビューなどでだんじりは人生そのものだと語っています。2018年に30年ぶりの大阪凱旋として行ったファッションショーでは故郷であるだんじりの映像などを使用し、和の要素を取り入れたデザインの作品を披露しました。

琳派コレクション

2015年には琳派をテーマにしたファッションショーを開催。ファッションショーでは琳派が誕生した江戸時代の代表の遊びである花札をイメージしたイブニングドレスなどを披露しました。今回の展覧会でもコシノジュンコのルーツともいえる和の魅力を存分に感じられる琳派コレクションを紹介しています。

※「琳派」とは、金銀の華やかな装飾や大胆なデザインが特徴の、絵画を主とする装飾芸術の流派

DRUM TAO『RHYTHM of TRIBE~時空旅行記~』(2018 年)

衣装提供作品では一層コシノジュンコの唯一無二の和の表現が際立ちます。これまでスポーツユニフォームやオペラ、ブロードウェイ・ミュージカルにも数々の衣装を提供してきた彼女ですが、和太鼓演奏グループ「DRUM TAO」への衣装提供は特に大きな話題を呼びました。「DRUM TAO」は大分県竹田市を中心に活動するグループということもあり、大分県立美術館での展示はより特別なものとなるはずです。

コシノジュンコの「原点から現点」をぜひ会場でご覧ください。


【INFORMATION】

『コシノジュンコ「原点から現点」』

会場:大分県立美術館(大分県大分市寿町2-1)

会期:2022年4月15日(金)~2022年5月29日(日)

時間:10:00-19:00 ※金・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)

休展日:なし

公式サイト:https://www.opam.jp/exhibitions/detail/777


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