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ブランドを象徴するブランドカラー

色の持つ力はとても大きく、人が目から取り入れる視覚情報のうちの80%以上は「色からの情報」なのだとか。ブランディングにおいても色は重要で、消費者が商品を判断する要素の約90%は色だとも言われています。実際にほとんどのブランドが独自のブランドカラーを設定しており、中には「ティファニー・ブルー」のようにブランド名を冠して商標登録している例も。今回はブランドカラーが特徴的な5つのブランドと、その由来について紹介します。

ブランドカラーとは

「ブランドカラー」とは、特定の色を見た時にブランドを連想させ、色だけでその世界観を感じさせるカラーのことです。例えば、SNSのアプリのアイコンは、Twitterは青、Facebookは紺、LINEは緑、というように、ロゴよりも色で認識しているという人も多いのではないでしょうか。それは、人が視覚から取り入れる情報の中で80%以上の割合を占めるのが「色」だから。そのため、ロゴはデザインより「色」の選び方の方が重要だと言われています。

「ブランドカラー」は、消費者に伝えたいブランドのイメージ、アイデンティティを可視化したものであり、消費者側も、誠実さを感じさせる青、凛としたイメージの赤など、「色」から無意識にイメージを想起していると言われています。


有名ファッションブランドのブランドカラー

ブランディングの観点からも、「ブランドカラー」はその色が持つイメージから決められることが多いですが、中にはひょんなことがきっかけで決定したというブランドも。有名ファッションブランドのブランドカラーがどのように生まれたのか、その成り立ちを紹介します。

・Tiffany & Co

Tiffany & Coのブランドカラーであるスカイブルーは「ティファニー・ブルー」という名前で商標登録もされています。このスカイブルーの由来は、コマドリの卵の色だと言われています。コマドリはイギリスの国鳥で、幸せを運ぶ鳥。特に卵は大切なものを表す色とされているのです。また、青は元々「真実」「高潔」を表す色。「Tiffany & Coの品々はどれも気高くあらねばならない」というTiffany & Coの信念にぴったりということでこの色が選ばれました。

・HERMES

Tiffany & Co同様、ブランド名を冠したカラーを持っているのがHERMES。ブランドカラーであるオレンジには「エルメス・オレンジ」という名前が付けられています。実はHERMESのブランドカラーはブランド側が望んでオレンジを選んだわけではありません。元々HERMESではゴールドがあしらわれた白のボックスとブラウンのラインが入ったアイボリーのボックスを使用していました。しかし、第二次世界大戦によって梱包資材が欠品し、残ったのは派手なオレンジの包装紙のみ。戦争中は仕方がなくオレンジの包装紙を使用していました。終戦後、元の梱包資材にようやく戻すことができましたが、顧客から「あのオレンジのラッピングに戻してほしい」との声が多数上がり、オレンジのボックスを使用するようになったのです。苦しいことばかりの戦時中に、エルメス・オレンジが生活の端々を彩り、支えとなったのかもしれません。

・CHANEL

ブランドロゴにはたいてい何かしらの色が使われていますが、CHANELのロゴはブランド名もマークも黒一色。知らない人はいないほどの有名ハイブランドですから、華美で華やかなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、CHANELにとって黒は特別な色。CHANELの創業当初、黒は喪服の色とされファッションに取り入れることはタブーとされていました。CHANELはそんな黒をモードの最先端の色としてファッションに取り入れ「解放と自由」のコンセプトを象徴するカラーとしました。CHANELの創設者であるココ・シャネルは「黒はすべての色に勝る」「私の前は誰も黒を着る勇気がなかった」など「黒」にまつわる多くの名言も残しています。

・Christian Louboutin

Christian Louboutinといえば赤、そしてブランドシンボルでもあるレッド・ソール。歩いている際にちらりと覗く赤いソールは、シンプルでありながらアイコニックで、世界中に熱狂的なコレクターがいることでも知られています。Christian Louboutinのレッド・ソールは実は赤いマニュキュアがきっかけで生まれました。新作シューズの試作品を作ったものの、いまいち物足りなさを感じていたデザイナーのルブタン。アシスタントがデスクで塗っていた真っ赤なマニュキュアを見て、「これだ!」と、なんとマニュキュアをソールに塗ってしまいました。それ以降、ルブタンが作る全てのシューズのソールに赤いラッカー仕上げを施しています。Christian Louboutinのコスメラインからはレッド・ソールと同じ色のマニュキュアも販売されていますよ。

・Paul Smith

Paul Smithと言われて思い浮かぶのは、単色ではなく何色ものラインからなるストライプだという方がほとんどではないでしょうか。「マルチストライプ」と呼ばれるマルチカラーのストライプはPaul Smithの中でも特にアイコニックなデザイン。デザインによって使用されている色もラインの太さも異なりますが、どれも一目でPaul Smithのものだとわかります。マルチストライプが登場したのは1997年の春夏コレクションが初めてのことでした。本来であればワンシーズン限りの予定でしたが、多数のバイヤーたちが今後もリリースしてほしいと声を上げたことで、毎年新作を出すほどの定番商品となったのです。多彩なカラーリングにも関わらずカジュアルにもフォーマルにも馴染むマルチストライプの高い汎用性は「ひねりのあるクラシック」というPaul Smithのコンセプトにまさにぴったりのデザインなのです。


ブランドの世界観やコンセプトを一目で感じられるブランドカラー。各ブランドの実店舗では店内のあしらいにブランドカラーを取り入れていることも多く、より一層ブランドの魅力を全身で感じられます。気になるブランドがあれば実店舗に足を運んでみるのも良いかもしれませんね。

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