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連載コラム vol.3(最終回)「好き」を仕事にする ~最高のお買い物体験を 【気持ちに寄り添う接客術】|パーソナルスタイリスト 河野さおり

オンラインでのショッピングが増え「時間があるからウインドウショッピングでもしてみようかな」というように気軽にお店を見に行く機会が少なくなっている今、お客様が実際のお店に来てショッピングをするという場合、そこには以前よりもはっきりとしたお店へ行く理由があるのではないかと感じています。そんな時だからこそ折角お店に来て下さったお客様には気持ちよく、楽しくお買い物をしていただきたいですよね。そこでコラム3回目の今回は、お客様がお店で洋服を購入する時に求めている『ファッションの要素や接客』についてお話ししたいと思います。

 

ファッションに求める『要素』や『接客』に対するニーズはさまざまであるという事

前回のコラム【連載コラム vol.2 「好き」を仕事にする ~「似合う」や「流行」だけでない、「なりたい自分」を叶える方法】では、“似合う”とか“流行”以外の『ファッションに求める要素』は人それぞれ違いがあり、その『優先順位(度合)』も違う、という事をお伝えしました。実はこのことはお店でお買い物をする際の考え方や洋服の選び方などにも同じように当てはまります。例えば洋服を見る際に品質表示を必ずチェックしているお客様は、「この服、家で洗濯が出来るのかな?」「素材はなんだろう?」「生産国はどこかな?」などを気にしてしている可能性がありますし、服を見ながら素材に触って感触を確かめている場合は着心地や肌ざわりを重視しているのかもしれません。もし服の感触を確かめているお客様に対して「その服のデザイン、今凄く流行っていて人気なんですよ!」とお声をかけても、肌ざわり重視の人にはピンとこないかもしれませんが、「その生地は繊維の長い綿を甘く編んでいるのでとても肌触りが柔らかくなめらかなんですよ」など、肌触りの良さの理由をお伝えできれば「へえ~、そうなんだ!だから触ると気持ち良いんだ!」とその商品に興味をもっていただけそうですよね。

 

更にお店でお買い物をする時、店員さんと沢山話したい!、商品の事を詳しく教えて欲しい、一人でゆっくり見たい、試着したものを断ったりするのが苦手、自分で決める自信がないのでアドバイスが欲しい…など『お店の人との関わり方や対応のされかたのニーズ』もお客様によって違います。洋服を買う際何を重視しているか同様、どんな接客をして欲しいタイプなのかという事もお客様の言葉の選び方や態度、話し方、商品の見方などから汲み取ることが出来ると思いますので、よく観察して(でもあんまりじろじろ見てもいやがられるかもしれませんのでご注意を!)気持ちよくお買い物が出来るような接客につなげてみてくださいね。

 

お客様の「着たい」を叶えてあげたい

洋服を選ぶとき、「私はこれが好き!」という気持ちが何よりも強い人もいれば、自分の好みよりも「人からどうみられるか=似合っているかどうか」のほうが気になる人もいます。他にも、外見診断の結果に忠実になりすぎていたり、過去に誰かに言われたことなどが原因で「着てみたいけど似合わない」と思い込んでいる場合もあります。本当は挑戦してみたいけれど、自信が無くて着られないというような場合は、実際に試着してみてもこれがよいのかどうか自分で判断する自信が無かったり、お客様自身が新しい服を着た姿を見慣れていないという事から、似合っていないと感じてしまうという事もよくあります。このように色々な要因が絡み合って「着てみたいけど似合わないかも…」と挑戦することを戸惑う人もいらっしゃいます。

そこで、ファッションのプロである販売員の皆さんの本領発揮です!

 

●まずは着てみるだけでもOKだという事をお伝えする
●客観的に見て似合っている場合は素直に(そして具体的に)にお伝えする
●これを合わせると似合いやすくなる、バランスが良くなる、というアイテムをお伝えしたり、実際に合わせてみてあげる
●ボタンの開け方やトップスの裾や袖をどうしたほうが良いか、色の組み合わせ方など、着こなし方の調整で全体のバランスを整えてあげる
●その服のどの要素(色・デザイン・テイスト・素材感など)が好きなのかお聞きして、好きなポイントは変えずに他の要素をお客様に似合いそうなものに変えた商品をおすすめしてみる

 

などなど、「着てみたい!」と思った服をただそのまま着ただけの状態を鏡で見て「やっぱり似合わないか…」と落ち込んでしまうお客様も多いので「こうしたら素敵に着こなせますよ!」という、ちょっとしたプロのアドバイスやお手伝いでお客様の「着てみたい」という気持ちをそっと後押ししてあげたり叶えてあげられたら、と思います。

 

好きな事を仕事にする=お客様も自分も幸せになれる

私は小さい頃から洋服が好きでした。デザイナーからスタートし出産子育てを経て、現在はパーソナルスタイリストという仕事をしています。皆さんに大好きなファッションで悩んで欲しくない、ファッションで幸せになって欲しい!という想いからこの仕事を選んだので、私がおすすめした洋服を着て鏡を見たお客様の表情が「ぱぁぁ…」っと変わった瞬間を見る事ができた時は本当にうれしいです。ここまでコラム①~③と「好きを仕事にするヒント」をお伝えさせていただきましたが、自分が好きな事、得意な事ってずっと続けていても楽しいし、苦にならなかったりしませんか?でも逆にいろんな理由からファッションに苦手意識を持っている人も沢山いらっしゃいます。ファッションが大好きな私たちだからこそファッションが苦手なお客様にはその気持ちに寄り添った接客をしてさしあげたいし、ファッション好きのお客様には”知識と経験”を活かした接客でさらにファッションを楽しんでもらいたいです。自分の好きな事、得意な事でお客様を幸せにすることが出来るのがファッションの仕事だと信じています。

 

『連載コラム 「好き」を仕事にする|パーソナルスタイリスト 河野さおり』
連載コラム vol.1 「好き」を仕事にする ~いつからだって挑戦できる!
連載コラム vol.2 「好き」を仕事にする ~「似合う」や「流行」だけでない、「なりたい自分」を叶える方法

 

今回のコラム執筆者

 

パーソナルスタイリスト|河野さおりさん

1974年生まれ。短期大学卒業後、子供の頃からの夢だったデザイナーの道を目指し、エスモードジャポンファッション工科入学。卒業後に(株)ジュンに企画として入社。その後、(株)イッセイミヤケ、(株)ルックなどのアパレル企業でリアルクローズからハイファッションまでのデザインを経験。結婚、2人の子供を出産後、フリーのデザイナーとして百貨店や専門店、セレクトショップ、ネットショップなどの商品企画、バイイングなどを手がけながら、株式会社forstyle代表の久野梨沙氏に師事し、現在はパーソナルスタイリストとして活動中。

ブログ「it’s so you styling」

 

 

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