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「お客様の想像を超えるものを提供したい」イザイア伊勢丹新宿店テーラー水貝脩平さんインタビュー

水貝脩平さん(イザイア伊勢丹新宿店 テーラー)

仕立て服産業が栄えたイタリアはナポリ生まれのテーラードブランド「イザイア」。生地の豊富さと軽くて柔らかな着心地が、フットワーク軽く仕事に励むエグゼクティブから信頼を得ているスーツブランドです。同ブランドのテーラーとして、伊勢丹新宿店に勤務する水貝脩平(スガイシュウヘイ)さんにお話を伺いました。

ジャケット好きが高じてテーラーの道へ

Q. 服飾の中でもなぜテーラーの仕事を選んだのですか?

ジャケットが好きで、細かいディテールや構造に興味を持っていました。そこを掘り下げていくことをしたかったんです。大学を卒業後は、専門学校で縫製を学びました。対面での仕事にも興味がありましたので、その両方が叶えられる仕事がしたいと思い、テーラーとしてイザイアへの入社を決めました。
毎日接客からフィッティング、そしてオーダーも承っていますので、その際は採寸も行います。時には袖や股下などの修理といった、急ぎのお客様を対応することもあります。

ナポリの風土や歴史が宿るイザイアの魅力

Q. イザイアの魅力を教えてください。

まず挙げられるのは仕立ての柔らかさと軽さです。イザイアが生まれたナポリは南にある暖かい地方ですので、リゾート服が好まれます。ジャケットでも休日用がベースにあるのですごく柔らかい仕立てです。そして、その柔らかな仕立てがありつつ端正な顔立ちをしていますので、多くはビジネスの場で好まれています。着心地を左右する袖まわりは手縫いの箇所が多いですし、そういったこだわりの仕立てがお客様の満足につながっていると思います。僕も仕事で一日中着ていますが疲れないですよ。
イザイアは服地商からスタートでしたので、特徴的なオリジナルの生地が多いのもイザイアの魅力です。
 
Q. 実際にナポリを訪れたことはありますか?

はい。入社したときに現地で一週間ほど研修がありました。ナポリの「カサルヌオーヴォ」という町に仕立ての工場や職人さんが集まっていて、イザイアの工場もそこにあります。工場を見学したり採寸の方法などを直接学んだりしました。
 
ナポリは北のミラノに比べると経済的に豊かではなかったので、ジャケットの内部に使う資材をたくさん仕入れたり、新しいミシンを導入したりすることができなかったので、結果的に軽く、そして手縫いの技術が発達してきたと言われています。しかし、イタリアは日本とは違って地域による最低賃金の差はなかったので、ナポリから高度な技術を持つ優秀な職人が流出することがなく今に至るようです。

ファンを生み出すのは、人の魅力とプロのこだわり

Q. どういったところに仕事の難しさを感じていますか?

やはり顧客になっていただくことですね。お客様には年に2回のオーダー会を含め、春夏秋冬の立ち上がりのタイミングで来ていただくことが多いです。顧客様になると少なくとも年に4回はお店に足を運んでいただいおりますが、誰でも買える価格帯ではないからこそ、継続してご購入いただくことの難しさを実感しています。長くブランドを愛用していただくには、店内での接客やフィッティングだけではなく、アフターケアも大切です。
 
そして、どこのブランドもそれぞれの特徴を持った良さがあると思いますが、プラス、そこで働く“人の魅力”でファンになっていただくことも必要です。そこが顧客になっていただけるかを大きく左右する部分ではないでしょうか。
 
Q. やりがいを感じる瞬間を教えてください。

自分がご提案したものや針を通したものに対して「軽いですね!」とか「全く違うね!」と、満足したお声を頂くと嬉しいです。あまりお客様が気にしていないところであっても「ここに補正を入れたらもっとよくなる」と、テーラーとしてプラスαのこだわりを施して提供することがあります。そこで羽織った瞬間のリアクションがよいものだと「ヨシッ!」と心の中でガッツポーズですね。常にお客様の想像を超えるものを提供したいです。

大切にしているのは服への“探究心”

Q. どんな人がテーラーや販売職に向いていると思いますか?

自分が向いていると言っていいのかわからないのですが(笑)お客様の好みや求めているものを知ろうとする気持ちが大切だと思うので、お客様との距離を縮められる人……ではないでしょうか。それから、どんなに小さなことでもいいので、日々洋服に対する知識を増やそうという姿勢が必要だと思います。
 
僕も経験はまだまだです。お客様の年齢層は50〜60代と目上の方が多く、高いスーツを採寸するにあたって信頼してもらうのはなかなか難しいことですので、そのためにも知識を増やしていくことは本当に大切なことだと思っています。でもそれは、知識をひけらかすというものではなく、適切なコミュニケーションの中で必要とされるものだと思います。

Q. ご自身ではどのように知識をアップデートしていますか?

僕の場合は古着屋さん巡りです。特にミリタリーのお店を見ます。スーツの発祥は軍服ですからね。もともとそういうものを探るのが好きなんです。
参考文献を読むこともありますし、あとは女性の服も勉強になります。男性のものに比べるとスカートやワンピースといった型が幅広くありますし、流行の移り変わりも激しいので、見ていて楽しいですよ。よく女性の買い物に付き合うのが疲れるという男性が多いと思うのですが、僕は苦痛には感じないです。妻の買い物に付き添うのも楽しめています! それだけ服が好きなんです。

スーツのオシャレの幅を広げてほしい!

Q. 今後の展望をお聞かせください。

もっともっと技術や知識を高めたいのはもちろんですし、イザイアは堅苦しい雰囲気はなくいろんなことにチャレンジできる会社ですので、枠にとらわれずに挑戦していけたらいいなと思います。
お客様に対しては、ちょっと派手だなと思うものでも楽しんで着ていただけたら嬉しいです。イザイアは生地が豊富ですので、これまで着ることのなかったような生地でも、少しずつ好みや組み合わせの幅を広げていってもらいたいです。こちらからもご提案させていただきます!
そして、オシャレが楽しめる会社ですので、オシャレを楽しみたい人と一緒に働いていきたいです。
 
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イザイア ジャパン本部 市瀬晃央さんからのコメント

 
会社の風土について

イザイアは数あるイタリアのファッションブランドの中でも、個性的で独自の打ち出しが最大の魅力です。世界的なトレンドに大きく左右されず、イザイアブランドの世界観を毎シーズン随所に感じることができます。
イタリア本国との定期的なコミュニケーションや、海外出張業務などに関しても、オフィスの勤務の者だけではなく店舗のスタッフも参加の機会があり、現地の雰囲気を肌で感じて吸収し、体現することができるのが特徴です。大手ラグジュアリーブランドとの差はそこにあると思います。
 
求めているスタッフ

店長、販売スタッフ、テーラーと様々な職種があり、現在も個性豊かなスタッフが多いイザイアですが、求めている人材はブランドを理解し前向きに仕事に向かうことができるかが第一です。また、様々なタイプのお客様がいらっしゃいますので、柔軟さも必要になります。経験に限らず、イタリアファッションや文化に興味がある方で、強い意志を持って仕事に向き合えれば成長できると思います。
 
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バラエティに富んだ生地が並び、その高いファッション性と着心地で「メイド・イン・ナポリ」のプライドをお届けするイザイア。水貝さんをはじめ、スーツへの造詣が深いテーラーたちが目の肥えたお客様に応えるべく、日々探究心を持って仕事に励んでいます。

※撮影場所は、イザイア東京ミッドタウン店です。

 

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