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「バイヤー」として働くこととは/STUDIOUS バイヤー 中根 大樹さんインタビュー


「バイヤー」と聞くと、どのようにイメージしますか?
スーツケースを片手に、国内外を飛び回る…… そんなイメージを想い描く方も多いと思いますが、実際の仕事内容や必要なスキルは何か知らない人も多いはず。本記事では、国内ブランドのみを取り扱い、飛躍的な成長を続けるSTUDIOUSにてバイヤーを務める中根 大樹さんへインタビューを実施。国内ブランドのみを取り扱う面白さや、バイヤーとして必要なスキルなど詳しくお話頂きました。

「国内セレクトショップが国内ブランドのみ取り扱う」からこそできるアプローチ

Q 日本発を世界へ、というコンセプトのもと、国内ブランドのみをセレクトするようになった経緯を教えてください
前提として、もちろん代表の谷の考えがきっかけですが、僕自身の目的は、スタッフとブランドとの距離が近いからこそできることがあると思ったからです。例えばスタッフたちがお客様に取り扱いブランドを薦める際に、デザイナーさんの生の声を知っていればより良いアプローチができると思うのです。雑誌などのメディアに書いてあることはお客様自身で取れる情報であり、更にウェブサイトが充実していたり通販で買い物する人が多い時代だからこそ、メディア以上の情報があり、それを伝えられる人がいることがお店の価値だと思います。

そのため、日本のセレクトショップが日本のブランドのみをセレクトすることによって、そのブランドの生の声をしっかりとお届けすることができる。理想を言うと、デザイナーさんが直接お客様に伝えることが一番だと思いますが、僕自身の役割はその仲介部分だと感じています。デザイナーさんに会ったことがなければ3%しか伝えられないところを、バイヤーとして会っていればその想いを50%伝えられるという感覚ですかね。そういった情報と自分たちが発信したいスタイルも含めて、接客に落とし込んでいけるイメージです。

Q 日本のブランドでいいな、面白いなと感じる点は何ですか?
色々ありますが、自由なところですね。
日本は海外カルチャーに憧れつつ、それをミックスして独自のスタイリングをしている印象があり、国内ブランドはスタイリング力がとても強いと感じます。その力を活かして服に落とし込んでいく過程というのがすごく面白いと思いますし、世界の中でも長けているなと思います。

まず、日本の人たちはちゃんとおしゃれしようとしている。仕事でパリやミラノ、フィレンツェを訪れた際に感じたのですが、その街の人たちは普段は意外ときちんとおしゃれしていなかったりするんです。もちろんファッションウィークの時期に行けば世界中からおしゃれな人が集まりますが……。僕らが先行する海外ファッションのイメージはファッションウィークだから、パリの人ってすごくおしゃれなんだな!と思いそうですが、普段は意外とラフな人が多く、おしゃれして出かけようという雰囲気ではなかったりもします。でも、東京だとみんな普段からおしゃれをしようとしている印象です。その時点で、おしゃれに対する敷居がいい意味で低く、人口に対して街の人がおしゃれをしている率が高い。そのため、その中で生まれている国内ブランドはスタイリング力が高いなと感じます。

他には19AW、20SSシーズンを見て感じたのですが、若者の勢いがすごくあり、20代前半のデザイナーさんやブランドがたくさん出てきていて面白いです。今まではファッション業界がブランドを評価し、その内容がエンドユーザーの方に伝わっていたと思うのですが、SNSが普及している世代なので、デザインチームから直接エンドユーザーの方に発信できているのでしょうね。

Q 新たなブランドをセレクトするにあたり、どんな点を大切にしていますか?
進化しているかどうかを大切にしています。前シーズンに比べて今シーズンが進化しているかどうかなど…… もちろんファーストからお取引することもありますが、そういった場合はもともと他のブランドをしていて、その人の作品の情報を取れている場合が多いです。基本的には進化の過程というのを大事にしていますね。

もう1点は、トレンドではなかったとしても、同じ「こと」を高いクオリティーでやり続けているかどうか。その人にとってのベーシックが固まっているんだなと感じますね。これは、ずっと同じことをやり、クオリティーを進化させていったブランドが大きく成長しているところを目の当たりにし学びました。柔軟に変化しながらも、高いクオリティーで同じことをしているブランドとは、トレンドに関わらずお取引する事もあります。

Q バイヤーになるまでどんなお仕事をされていましたか?
販売員、店長、営業部長を経てバイヤーになりました。
バイヤーというのは、買ってくる仕事ではなく、結局売ってもらう仕事だと思っているので、店長の仕事に近いと感じます。

Q 普段バイヤーとして心がけていることは何ですか?
若者に、若者の気持ちを教えてもらうことでしょうか。僕は34歳なのですが、ファッション業界は若者の業界だと思っており、そういった世代に評価されなければ先がないのでは、と感じます。そのためこれからの時代を担う若者の情報や感情は柔軟に受け止めるようにしていますし、それがヒントになることが多々あります。自分たちのやりたい、コアな人たちに届ける中でそれが活きていますね。

「買い付ける」ことが仕事ではなく、お客様の手元に届くまでの過程を描けることが大切

Q バイヤーとして働く上で必要なスキルは何だとお考えですか?
まずは、コミュニケーション能力ですね。
もちろんブランドとのコミュニケーション能力も必要ですが、僕が非常に重要だと感じるのは社内でのコミュニケーション能力。というのも、スタッフと僕らの関係というのはお客様同士ではなく仲間だからです。

そしてポジティブシンキング。買い付けたものを「こうやって売ってもらいたいな」「こうやって売り場を作ってもらいたいな」と思っていても、全てが自分の想ったような世界観になるかといったらそうではありません。いい意味で自分のせいにしながら、失敗してしまった時も「あ、これが正解だったのか」と自分の知識やスキルアップに繋げています。また、会社のお金を使ってアイテムを買い付けてくるので、そこから生まれる責任感も含めてポジティブに考えるようにしています。

あとは販売スキル、VMD的な売り場を作るスキルです。実際に商品がどう売り場に展開されて、お客様が入ってきた時にどういう反応をして、それに対してスタッフもどう反応するのかを想像できることが重要。売り場が作れる、販売力のあるバイヤーじゃないと想像できないですよね。

Q バイヤーの仕事で面白いなと感じるのはどんな時ですか?
常に面白いですね! 身体はつらいけれど、毎日ハッピーです。展示会に訪れ新しいお洋服を見るのも楽しく刺激的ですし、先ほど述べたような買い付けた洋服が並んだ売り場を想像するのも楽しい。展示会に訪れた時は、同時に前シーズンに買い付けた商品が実際に店頭に並んでいるわけで、それをお客様に購入いただけた時、スタッフに販売してもらえた時も嬉しい。なので常に楽しいです! ポジティブシンキングですしね。別注を組んでいる時の商談で、ボタンひとつ選んでいる時も楽しいですよ。

真剣な表情と楽しそうな表情を交えながらお話してくれた中根さん。「常に面白い」と語る表情は、「好き」を仕事にしている人ならではのものでした。バイヤーという職業が気になる方、ファッション業界への転職を考えている人は、ぜひFashion HRの求人を参考にしてみてくださいね。

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