いよいよ12月!今年も残すところあと31日となりましたね。これから迎える年末年始はファッション業界にとって、セールや新作の立ち上げなどでいつもよりも慌ただしく、忙しくなるシーズンです。転職活動中の方の中には、セール準備などで忙しくされている方も多いのではないでしょうか?
今回は、求職者の方が抱える、年末年始の転職活動についての疑問について、ファッションに特化した転職エージェント「エーバルーンコンサルティング」シニアコンサルタント吉田直哉さんに教えていただきました。
ファッション業界への転職を考えています。年末年始は企業の休みがあったり、求人数が減ってしまうなど転職活動しにくいイメージが強いです。
実際、年末年始は求人数が減ったり、転職活動には向いていないシーズンなのでしょうか?
質問者さんが心配されている、「年末年始に求人数が減る?」という疑問についてですが、実際は通常と求人の数に変動はありません。転職活動される方の中には、年末年始にペースダウンしてしまう方もいらっしゃいますが、実はこのタイミングにどう動くかで、チャンスをものに出来る可能性は広がります。意外と盲点になりやすい、年末年始の転職活動についてお答えしていきましょう。
ボーナス時期に転職を考える人が多い?求人が増える可能性も
転職を考える人のタイミングのひとつに、一般的に12月に支給される冬のボーナスがあります。ボーナスが支給されてから、次のキャリアパスを考え、転職活動を始める人が増えるシーズンでもあるんです。単純にその人のポジションに空きが出ることで、その分求人が増える可能性も多くなる。そのポジションでの求人を探していた人にとっては狙い目です。
また、決算前のタイミングで採用費に余裕のある企業が、この時期に求人を増やす場合も多いので、求人情報はこまめにチェックすることをおすすめします。
4月入社は、年末年始がカギのシーズン
企業側が求人を出すタイミングは、新体制に向けた準備が始まる合図でもあります。例えば、4月から新たなチームづくりを行う場合、逆算して年末年始頃から求人掲載が始まるケースも少なくありません。企業差はありますが、4月入社の場合、早くて2月中旬には内定を出します。そうすると、年末にかけてリサーチして、1月頭には活動をスタートしていく必要があるんです。
ファッション業界なので、特に販売職の方は繁忙期で転職活動になかなか時間を割けない人も多いですが、逆にそうでない方にとっては競争率が低くなり、メリットかもしれません。
企業の年末年始休業は、転職活動に影響する?
年末年始休業による転職活動への影響は、企業によるので一概には言えないですが、外資系企業の社長や採用者が外国人の場合、長期休暇に入ってしまうことで選考が止まるケースがあります。
休みに入ってしまうと選考はストップしてしまいますし、企業の休業前後というのは業務が立て込んで、慌ただしくなる時なので、面接のスケジュールの調整がつきにくくなる場合があります。
今までの事例で、企業側の「この日程でしか面接ができない」という予定に合わせられなかった求職者の方が、採用見送りになってしまったケースがありました。これは逆に言うと、限られた日程に合わせられる人は採用のチャンスが増えるということです。
休日ムードが強まる年末年始の時期に有効な転職活動の方法が分かりません。年末年始だからこそ出来る、対策はありますか?
転職活動というものは、すぐに出来るものではないので、長期的な視野で見た時に、いつでも求人情報や転職に役立つコンテンツなどをすぐに取り入れられるよう準備しておくことが大切です。
年末年始のような時間のあるときに、興味のあるブランドについて調べたり、お店に足を運んでみるなど、有効に時間を使うこともおすすめします。ただ、繁忙期のセール期間中にお店を訪れると忙しいイメージしか見ることができないので、通常時と両方を比べて見ることを忘れないでください。
また、様々な企業の年収データも発表されるので、自分のこれまでの給与は他の企業に比べてどうなのか、など調べてみるのも良いですね。そういった情報収集はこの時期だからこそ出来ることではないでしょうか。(去年の『FashionHR職種別年収ランキング』はこちら)
ついついストップしてしまう年末年始の転職活動、皆さんもこの時期を有効に使い、キャリアアップのチャンスを逃さないようにしましょう!
今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
エーバルーンコンサルティング
シニアコンサルタント 吉田 直哉さん