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ますます増える「インバウンド」とは?ファッション・アパレル業界における取り組みと求人動向

昨今、東京では銀座、新宿、大阪では梅田、心斎橋などの繁華街に出かけると、大きなショッピングバッグを沢山かかえた外国人観光客の姿が目立つ気がしませんか?実際に、今年は日本を訪れる訪日外国人「インバウンド」がますます増加傾向にあるそうです。日本を訪れて、ショッピングを楽しむ訪日外国人の増加は、実は求人市場にも影響があるそう。今回は「インバウンド」について、ファッション業界に特化した転職エージェント「エーバルーンコンサルティング」の代表取締役 池松 孝志さんに教えて頂きました。

ショップスタッフとして働いています。最近よく「インバウンド」という言葉を耳にします。先日も社内のミーティングで何度もこの言葉が出てきました。ぼんやりと「海外からのお客様」という意味なのかなとは思っていたのですが、「インバウンド」について教えて下さい。

ますます増える「インバウンド」とは?ファッション・アパレル業界における取り組みと求人動向

昨今「インバウンド」はよく耳にするようになった言葉ですね。最近はアジア系の観光客による「爆買い」というキーワードが、ニュースやワイドショーを賑わせましたが、インバウンド消費は、ファッション業界だけではなく、家電業界やドラッグストア業界、旅行業界など、幅広い業種の売上に良い影響を与えています。日本国内での消費が伸び悩む中、これらインバウンド消費への対応は、これからの成長を考えるにあたり、欠かせないものとなってきているのです。

ご質問者さんが仰っていたミーティングでも、きっと「海外からの観光客をどう呼びこむか?」「どのようにおもてなしを提供するか?といったような、インバウンド対策を練られていたのでしょう。

「インバウンド」とは?

「インバウンド」とは、元々は英語で「inbound」=入ってくる、内向きの、といった意味を持つ言葉。日本では、2002年から政府主導でスタートした、外国人旅行者を増やす活動「Visit Japan キャンペーン」をきっかけに、外国人旅行者を誘致しよう!という動きが活発化し、そのなかで「訪日外国人・外国人観光客」を指す言葉として「インバウンド」が使われるようになりました。キャンペーン開始当初は為替の問題もあり、訪日外国人の数は伸び悩みましたが、昨今は円安が進み日本への旅行に手が届きやすくなったことや、ビザの緩和、免税範囲の拡大などを要因に、インバウンドはますます増加の傾向にあります。

日本政府観光局(JNTO)」によると、2015年3月の訪日外国人数は初めて月過去最高の 152万6千人を記録したそう。下記資料でも、前年に比べて50%前後の伸び率を誇っていることがわかります。

inbound_data

(日本政府観光局(JNTO):http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/150422_monthly.pdfより)

インバウンドが多い時期

日本にもお正月、ゴールデンウィーク、お盆休みがあるように、各国それぞれ長期休暇をとれる祝日があります。
インバウンドの数が増えるタイミングとして、日本政府観光局(JNTO)提供の、2014年度の訪日外国人客数1、2、3位の国と、それぞれ国の代表的な祝日を紹介します。

【訪日外国人客数】1位:台湾
1月:開国記念日
2月頃:春節(旧正月)

【訪日外国人客数】2位:韓国
2月頃:ソルラル(旧正月)
9月:チュソッ(お盆)

【訪日外国人客数】3位:中国
2月頃:春節(旧正月)
10月:国慶節(建国記念日)

上記に挙げた期間は必然的にインバウンド消費が増加する傾向にあることは、想像できるでしょう。特に2月は、台湾、韓国、中国すべての国の「旧正月」重なるので、中華圏のインバウンドが大幅に増加する時期でもあります。実際に、今年2月後半における三越銀座店化粧品売り場のインバウンド売り上げの前年比は、約10倍。売り場全体でも174%となったそうです。(参考:【WWD JAPAN.COM】【コラム】春節で中国人が化粧品を大量購入 インバウンド売り上げ10倍も。より)

インバウンド消費:「日本発」ブランドが人気を集めている

観光庁によると、2014年度のインバウンドの消費は2兆305億円(前年比43.3%増)、一人当たり15万1374円(!)を消費していると発表されている。

インバウンドが購入する人気ファッションアイテムをリサーチしてみると、

  • BAO BAO ISSEY MIYAKE(バオバオイッセイミヤケ):購入者の6割以上が外国人と評判
  • BURBERRY BLACK LABEL / BLUE LABEL(バーバリー ブラックレーベル/ブルーレーベル):アジア圏では絶大な人気を誇っている
  • ALBION(アルビオン):高品質で富裕層に人気

など、日本発ブランドが、訪日客の心をつかんでいるようです

急務となっている、インバウンド対策

このように、今後ますますの増加が見込まれるインバウンドに対する対策は、どの企業にも欠かせないものとなっています。例えば百貨店では、

  • 免税カウンターの拡大
  • 外貨両替機の設置
  • Wi-Fiの設置
  • 通訳スタッフの増員
  • 訪日客向けのイベントを実施

といった、インバウンドに対するマーケティングを強化して、売上アップへと繋げています。
(参考:【Fashionsnap.com】インバウンドに期待する百貨店 免税制度緩和で訪日外国人向けに施策強化

求人への影響:英語以外の第2外国語を話せる販売スタッフの求人が増加

Fashion HRに掲載されている求人を見てみると、英語だけではなく、中国語や韓国語など、第2外国語を話せる販売スタッフの求人が増えています。来店された外国人観光客に対し、多言語で対応したうえで、日本ならではの「おもてなし」=質の高いカスタマーサービスを提供することも、インバウンド対策のひとつ。語学の重要性は近年注目をされていますが、英語にプラスして、諸外国語を扱える方には、ますます有利な状況になっていくことが予想されます。

今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
エーバルーンコンサルティング
代表取締役 池松 孝志さん
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