会社を辞めてからすぐに違う仕事を始められれば問題ないですが、次が見つかるまでに期間が空くと気になってくるのが「お金問題」ではないでしょうか？
収入がなくなり、切り崩す貯金もあまりない……！ そんなピンチに陥らないためにも、知っておきたいのが「失業保険」について。退職後の生活を安定させるためにも、失業保険制度の基本知識に触れておくことをおススメします。
「失業保険」って初耳！ 一体どんな制度？
まず、広く使われている「失業保険」は実は正式名称ではなく、「雇用保険」のことを指します。
これは、厚生労働省が保険者となり、失業者への給付を行う制度。失業していても、生活を安定させ、安心して新たな仕事が探せるように支援してくれる制度なので、知っておいて損はありません。
ここで押さえておきたいのが、「求職中の人のための制度」であるということです。求職をせず、ただ申請すれば無条件に給付されるものではないのでご注意を！
給付をもらうには条件がある
そもそも、給付は会社を辞めた人全員がもらえるというわけではありません。また、手続きに行かなければ給付されないというのも押さえておきたいポイントです。
では、どういった条件を満たす人が給付対象になるかチェックしてみましょう。
1. 自己都合退職のケース
自己都合退職の場合、「正当な退職理由があるかないか」で給付の条件が変わってきます。
ここでの「正当な理由」とは、下記のような内容になります。
・配偶者の転勤のため、現在の職場への通勤が不可能、困難なため
・家族の介護が必要なため、より融通の効く会社へ転勤したいため
「キャリアアップのため」や「なんとなく今の会社が合わない」というのは正当は理由にならないため、「一身上の都合」として申請すれば問題ありません。
では、正当な理由がある/なしで違ってくる条件をチェックしてみましょう。
【正当な理由がある場合】
離職日以前の1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上であること
【正当な理由がない場合】
離職日以前の2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上であること
2. 会社都合退職のケース
会社都合での退職は、倒産や退職推奨、ハラスメントなど非自発的な理由が挙げられます。
給付をもらう条件は、離職日以前の1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上であることが必要となります。
どんな手続きが必要？
まずは、手続きに必要な書類、持ち物は下記になります。
これらを持って、ハローワークにいきます。ここで注意したいのが、自分の住んでいる管轄のハローワークに訪問するということ。管轄外に足を運んでしまうと、手続きができずに帰らなければいけなくなってしまうため、事前に自分の住所の管轄を調べておきましょう。
下記が、手続き開始から受給までの流れになります。
① 離職
② 受給資格決定：ハローワークにて求職申し込みをしたのち、離職票を提出
③ 受給説明会：雇用保険制度についての説明を受けたのち、「雇用保険受給資格者証」、「失業認定申告書」を受け取ります
④ 求職活動：失業の認定を受けるまでの間、ハローワークで職業相談を受けるなど、積極的な求職活動を受けましょう
⑤ 失業の認定：4週間に1度、失業の認定を受け「失業認定申告書」に求職活動の状況などを記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します
⑥ 受給
参照：ハローワークインターネットサービス
このように、受給を受けるまでには様々なステップがあり、行く前から既に心が折れてしまいそうですが、将来の自分が金銭面で困らないためにも活用することをおススメします。
給付はすぐにもらえない……!?
給付があれば何も心配しなくていい！ と思いたいところですが、実は、自己都合退職の場合、手続きを行ってから給付を受け取るまでに3ヶ月と1週間かかります。この1週間とは、ハローワークで求職の申し込みをした日から7日間を「待機期間」と呼び、その待機期間終了後の3ヶ月後に給付がもらえるという仕組みです。
会社都合退職の場合は、待機期間終了後すぐに給付をもらうことができます。
おわりに
説明したように、給付開始までにある程度の期間が必要で、手続きはなかなか骨の折れる作業である「雇用保険制度」。けれど、やるとやらないではあとあと大きな違いが出てくるので、将来の自分のために活用してみてはいかがでしょうか。
