ドラマの『人は見た目が100%』、ベストセラー本の『人は見た目が9割』など、ここ近年見た目というキーワードが注目されています。この“見た目=外見”は、ファッション業界の面接でも多くの人事担当者が重要視している項目でもあります。
今回は、ファッションの世界とは切っても切れない“外見”にフィーチャー。「人事担当者に“採用したい”と思わせる外見の作り方10」をご紹介します。
ルックスがすべてではない。
キャメロン・ラッセルは、TEDのスピーチで「自分がモデルになれたのは遺伝子の宝くじに当たったから。ルックスだけが全てじゃない」と語りました。
ここでいう“見た目=外見”もルックスのことではありません。なぜならルックスは努力して作れるものではないからです。
以下でご紹介する“作れる見た目”というものこそ相手に対する配慮であり気遣い。そういった配慮ができる人材かどうかを面接官は見ています。
面接も見た目が9割⁈人事担当者に「採用したい」と思わせる外見の作り方10
仕事をしていて、「この人に仕事を任せたい」「この人なら信頼出来る」、そう感じられる上司や同僚に出会ったことはありますか?
ファッションの世界で例えると「この人から買いたい」「またあの人にオススメして欲しい」など。こんな風にお客様に感じさせることができるショップスタッフの方がトップセールス販売員として活躍しています。もちろん接客のテクニックや幅広い知識など多くの要素が求められますが、多くの場合はそれに伴う“オーラ”なるものが外見から溢れ出ているのではないでしょうか。
では、ルックスではない見た目の部分というのは、どんなことに気をつければ良いのでしょう?
1.身だしなみ=配慮である
ファッションはもちろん自分を表現するもの。しかし、ファッション=身だしなみではありません。
身だしなみのことを英語ではglooming(グルーミング)と言いますが、これはいわゆる“着飾る”ではなく、“身なりを整える”といった意味。
場やシチュエーションに合わせて身なりを整えられる人というのは、面接においても「きちんと配慮しているな」と相手に感じてもらうことができるのです。例えば、目にかかる長さの前髪や、髪を束ねていてもほつれ毛が気になる、爪が伸びすぎている、などはよくあるNG例。せっかくの面接の機会なのに、場に合った身だしなみができていないだけで印象が悪くなってしまいます。
私服での面接が多いファッション業界。さまざまな嗜好があるといっても、面接官の目は肥えています。それがスタイリッシュな切りっぱなし加工なのか、ただのホツレなのかは一目瞭然!
2.時には主役、時には黒子の着こなしを
昔からショップでは、「お店は舞台、セールススタッフは女優」などと言われてきました。
お客様が入店されるまでは「あの店員さん素敵!入ってみようかな」と感じさせる主役のオーラを身にまとい、接客時はお客様を主役に自分は黒子に徹する。そんな風潮があったファッション業界だからこそ、TPOに適した装いを知っておくことが大事です。
面接に何を着ていくべきか悩む方は多いです。しかし、1のような配慮ある身だしなみを踏まえ、どんなファッションが適しているかを考えれば、おのずと受けるブランドの面接にふさわしい華美になりすぎない自分らしさを取り入れた着こなしができるのでは?
3.営業スマイルよりも“微笑み”を武器に
マニュアル的な面接対応が体に染み付いてしまっていると、俗に言う“営業スマイル”が癖になってしまいがち。笑顔は人を安心させる表情ですが、明らかに見返りを求めているような作り笑顔は、かえって人を不安にさせることも。口角があがっていても目が笑っていなかったり、どこかワザとらしいなと相手に感じさせてしまう笑顔はNGです。
相手を安心させるためには、聖母のように……とはいかなくても微笑むイメージを持ちましょう。作り笑顔の裏にある本心に面接官は気づいています。
例えば「売りたい」という気持ちが笑顔の裏に見えている販売員から買いたいと思うお客様はいないはず。面接でも同じで、本心の「この会社に入りたい」という気持ちで嘘偽りのない微笑みを心がけて!
4.相手に合わせた自然な動作
なんとなく「話しやすい」と感じさせる人の多くは、話す相手との共通点をつくることが上手いです。例えば、立っている姿勢や座っている角度など、相手の動きを見た上で合わせるだけで、自然と心は通いやすくなります。
相手がボディランゲージの大きい人であれば、自分もなるべく合わせてみたり、声のボリュームや話す時の手の動きなど、自然に共通項を増やしていくとお互いに共感を得られている感覚で話すことができます。
しかしやりすぎはNG。意識しすぎてしまい、結局真似することにばかり気を取られては本末転倒。目を合わせるタイミングや、笑うタイミングなど自然に合わせられればベスト。
5.人前での化粧はタブー
意外と(?)多い、人前での化粧や身なりのチェック。電車や街中、カフェやレストラン……見かけたことがないという人は少ないのでは?
人として絶対にタブーとは言い切れないものの、採用の観点ではNG。実際に、新卒採用シーズンに「リクルートスーツを着た学生が電車で化粧をしているのを見て、自社の候補者かどうかは分からないけどガッカリした」、という人事担当者の声もあります。
やはり、常に人に見られているという意識と、場所をわきまえるということ、そして余裕を持った行動をすることが本来の身だしなみに繋がります。
6.“素”の表情に嘘がない
ふとした時に見せる素の表情も面接官は見ています。用意をしてきた“面接用の姿”ではなく、候補者の素が見たいがために、あえて変化球の質問をするという面接官もいるほど。
一見関係のない食べ物の話やニュースの話など、急に一変した内容に慌ててしまう人もいますが、面接官が心からその話題について答えが欲しいかというと、そうではありません。急に関係のない話題を振られてどのように対応するか、素の表情から候補者の本音を見ているのです。
この時にうまく立ち回れなかったとしても大丈夫。作り込んだ自分の姿ではなく、ありのままの自分で面接に臨んでいれば素の表情には嘘はないはず。自分らしく対応すれば◎。
7.無意味な笑いをしていない?
ロイス・P・フランケル著書『Nice Girls Don’t Get The Corner Office』の中にあるエピソードより。あるワークショップで、一人のアジア人女性が「自分の発言が同僚に無視されるのはなぜか」という相談をしたところ、理由が明らかだったため大きな笑いが起こったそう。なぜなら、その女性は発言の間ずっと満面の笑みを浮かべていたから。
3で挙げたように発言する時の笑顔は大切。しかし、真剣な話をするのに無意味な微笑みを浮かべていては相手に気持ちが伝わりません。このエピソードからわかるように、いつ微笑むかには注意が必要です。自分の発言と連動する表情を心がけることが相手ありきのコミュニケーションには必要不可欠。
8.おかしな姿勢は相手を怖がらせる!
相手に合わせた立ち振る舞いは大事なように、おかしな姿勢も悪影響をもたらします。例えば入室の姿勢が首だけ前に出ていたり、会釈のときに猫背が際立ったりするなどはあまり良い印象とは言えません。面接の時間はあっという間に終わってしまいますが、この瞬間にベストな姿勢でいられることはそう簡単なことではないです。特に、猫背の人や重心がずれている人は、日頃から気をつけて。
もっとも大切なのは自分の普段の姿勢が周りから見てどうなのか、知ること。知らなければ面接という短時間で気をつけることもできなければ、正すこともできません。日頃からウィンドウに映る自分の姿を客観視してみたり、鏡でチェックしてみたり、または歩く姿を後ろから動画で撮影してもらうなどもおススメです。
9.自分を引き立たせる色を知っておく
男女問わず、頭の先から爪の先まで好きなだけいろんなカラーを纏うことができる現代。自分に似合うカラーを知っているかどうかはビジネスにおいても重要で、男性であればスーツやネクタイの色ひとつとっても清潔感や威厳、信頼が表現できます。女性は特に、ファッションだけでなくヘアメイクでも同様のことが言えます。
自分の肌がイエローベースなのか、ブルーベースなのか、知った上で自分の最も良いと思うポイントが映える色はどんな色なのか?それだけでも自信につながるでしょう。自分のパーソナルカラー(=自分に似合う色)はどんな色なのか、知っておくことも大切です。
10.みなぎる自信は時に危険!
自信がなさすぎるのも問題ですが、外見にみなぎるほど自信過剰な人も要注意。自信があるあまり、面接をリードするような立ち振る舞いをしたり、質問に対して謙遜なく「できます」と即答するのもいかがなもの。無意識に口を尖らせて話す、顎を突き出す、やたらと相槌をする、髪をさわる……などの行為は、どんな職場でもすぐにマウントを取りたがる人と思われてしまうかも。
実際に、面接後「うまく話せた」という人ほど実は不採用だったというケースも多いです。あくまでも面接の場。適度な自信=胸のうちに秘めた自信くらいがちょうどよいのかもしれません。
いかがでしたか?周りの人を観察してみて、自分に置き換えることも◎。また、あなた自身が「一緒に働きたい!」と思う身近な人を分析して真似することもおススメです。良いところを吸収して、見た目の印象を高めてみてはいかがでしょう!
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