就職/転職活動を成功へ導くヒントをその道のプロに聞く「Career Tips」のコーナー。『ビジネスマナーの解剖図鑑』著者 北條久美子さんを講師に迎えてお送りする、マナー講座第2回目の今回は、面接時に気をつけるべき“表情・身だしなみ”のマナーを伝授していただきます。気配りのプロである北條さんが解説する、面接マナーのポイントは必見です!
過去のマナー講座
・面接官が「採用したい!」と思う面接時の受け答え“3つ”のコツ
・アパレル販売員マナーの心得!ショップにおけるクレーム対応のポイント
・ショップで見かける販売員のNGマナーに学ぶ、“居心地の良い売り場づくり”の秘訣
しぐさや身だしなみも面接の判断材料に
面接がスタートしてから終了を迎えるまでの間、面接官はあなたとの会話内容だけを見て「一緒に働きたい」と判断する訳ではありません。会話の内容はもちろんですが、それ以上に大切な判断材料として、“しぐさ”や“身だしなみ”のマナーが挙げられます。例えば、ドアを開けて着席するまでの動作、履歴書を渡すときの手元、椅子を最後にしまうとき……。
大げさに聞こえるかもしれませんが、指先一つの動きだけでも、「あぁ、この人は動きがきれいだな。きっと小さなことにも気を遣える人だな」と自然に良い印象を与えられます。今回は、このような面接におけるしぐさや身だしなみマナーの3つのポイントについてご紹介していきます。
1. 面接でネガティブな内容を話すときは表情に注意!
2. 身だしなみは「何を着るか」より「どう着るか」
3. 面接の場数を踏むより「初対面」の場数を踏むことが大切
1:面接でネガティブな内容を話すときは表情に気をつけて
候補者に“ネガティブ”な質問をするときの面接官は、話の内容よりも話しているときのしぐさ(表情)の方をよく見ています。
例えば面接で、「学生生活で一番辛かったことはどんなことですか?」、「前職で最も大変だったことはなんですか?」と、ネガティブな質問をされたことがある方はいると思います。実は、こうしたネガティブなことについて話すときに人は、目元が暗くなったり、眉間にシワがよったり、しかめっ面に自然となってしまうことが多いのです。辛かったことを思い出して話すときの相手の表情をみて、面接官はメンタルが弱いかどうかを見ている可能性があります。
このときのポイントは、少し遠い目をしながら話すこと。できるだけ目線を遠くにすることで、「乗り越えたんだな」と感じてもらえて好感度もアップするでしょう。特に、「◯◯は大変でしたが、乗り越えたことによって成長することができました」など、辛いことだけではなく乗り越えたというポジティブなメッセージを伝えるようにすることも大切です。
2:面接での身だしなみ(服装)は「何を着るか」より「どう着るか」
面接における身だしなみのマナーのポイントで大切なのは、「何を着るか」より、「どう着るか」。
例えば、白いシャツを着ていれば好印象だとよく言われますが、大切なのは白いシャツを着ることではなく、そのシャツがきちんとアイロンが綺麗にかけられている状態なのかどうかということ。面接に何を着ていこうと考えるより、一番自分にフィットしていて、着ていて背筋がスッと伸びるような服を選ぶことの方が大切なのです。面接で何よりも重要視するのポイントは“清潔感”ですから、シンプルに自分が一番清潔だと思う身だしなみを心がけて臨むことをおすすめします。
ヘアメイクについても同じことが言えますが、何よりメイクに勝るものは笑顔です。笑顔が印象的な人は短い時間でも覚えてもらえますが、笑顔が印象的でなければ服しか面接官は覚えていないかもしれません。面接官は着る服やヘアメイクで合否は判断せず、あなたがどういう出で立ちで、美しい立ち居振る舞いをしているかどうかを見ています。
3:面接の場数を踏むより「初対面」の場数を踏むことが大切
特にしぐさはすぐに癖づくものではありません。より魅力的なしぐさを身につけるためには、日頃から自分の意識が上がるような体験をしてみることもおすすめです。
面接に効果的なのは、初対面の人と会う機会を多くつくること。人は自分が好きなジャンルのコミュニティーでは自然に話が弾むものですが、面接は100%初対面の面接官とのコミュニケーションになります。ですから、あえて話が弾まないタイプの人とコミュニケーションを積極的にとることで、「どうして話が弾まないんだろう?」と考えながら話せるようになり、会話スキルが上がります。初対面の人と話をすることで脳が活性化されて若返ると言われています。料理教室でもスポーツジムでも、どんな体験でも良いので、慣れていない場所に一歩踏み込むことは大いに勉強になるでしょう。
また、面接は場数だといって、面接をたくさん受ける人がいますが、面接だって場数を踏んでしまえばむしろルーティーンになってしまいます。面接の場数ではなく、初対面の方と話す場数を踏むことの方が内定への近道となるでしょう。
いかがでしたでしょうか?今回は、面接時の表情・身だしなみの注意点についてご紹介しました。日頃から、魅力的な仕草ができるように頑張ってくださいね。次回は売れる販売員に共通するマナー講座をお届けします。お楽しみに!
今回お話を伺った方
北條 久美子さん
東京外国語大学を卒業。ウェディング司会、研修講師を経て2007年エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年キャリアカウンセラー資格を取得し独立。企業や大学などで年間約2500人のマナーやコミュニケーション、キャリアのセミナーを行う。一方で、ジュエリーブランド「BRILLIANCE+」を運営する株式会社キューの執行役員を務める。
今回お話を伺った北條久美子さんの著書
『ビジネスマナーの解剖図鑑〜コミュニケーション能力を高めて愛され社会人になる』
仕事がデキる人の共通点はマナーにあった!挨拶の仕方、ビジネス敬語、名刺交換、電話対応、メールの書き方など社会人初歩のマナー知識から、会議の運営、各種イベントの取り仕切り、接待、雑談力を高める方法まで。ビジネスマナーの基本を完全図解。