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海外女子が日本を救うワンダーウーマンになる日は近い?!アパレル人材不足解決のカギを握る外国籍女性の活用

少子高齢化、人手不足、アパレル不況……昨今メディアで散見するファッション業界にまつわるネガティブな話題。これらの課題を解決するためにお勧めしたいのが「海外女子」の積極採用です。ではなぜ、彼女たち(=海外女子)が、ファッション業界の救世主となるのか?本稿をもってお伝えしていきたいと思います。

この記事の執筆者

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CareerFly株式会社代表 大野理恵

「違いを、 当たり前にする」をミッションに掲げ、違いを生み出すことができる海外女子の就業支援サービス、海外女子の人材紹介サービスを提供するHRエージェンシー キャリアフライ株式会社代表。多様性を育むための、キーパーソンである海外女子を企業へ送り出し、日本企業におけるダイバシティ文化醸成を実現する。2015年NPO法人ガールパワーに参画、専務理事に就任。

外国籍女性は日本のワンダーウーマンとなりえるのか?

今年公開された映画『ワンダーウーマン』は最強の美女戦士のストーリー。
幼い頃から戦士になることを夢見て、日々鍛錬し、戦時中の悪と戦いを挑む女戦士が描かれています。主人公ダイアナの強く、美しく、純粋な姿に心が奪われ、
私は本作を劇場で観た瞬間、思わず登場する女性たちと「海外女子」を重ね合わせてしまったのを覚えています。

異国へ行き、自身の力を発揮するというシチュエーション(ダイアナは神国の島育ちで、戦いのために第一次世界対戦中の現代へ送り込まれるという設定)は、まさに海外女子と一緒なのです。自国で生まれ育ち、着実に力を磨き、異国の地日本に来てその力を発揮するという状況はワンダーウーマンで描かれた設定と重なります。

このような経緯で、「海外女子は日本でワンダーウーマンとなりえるのか?」ということをテーマに、ファッション業界の課題を解決するための施策を考えてみたいと思います。

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アパレル人材不足を解決するために①「海外女子は労働人口増加に貢献できる」

──15年間で四国分の労働人口が消えた!
日本において、労働人口ピーク時の1998年と2015年の労働人口の差は「約200万人」に及んでいます。
この数値は、四国地方の総労働人口と同等。人口が下降をたどると同時に、ピーク時から着々と労働人口も減っているのが実態です。

2030年には、約3人に一人は65歳以上の高齢者となる「超高齢者社会」を向かえると推移されています。そんな状況下で、「労働力」をどのように確保していくかは国としての最大の課題であり、労働者を受け入れる企業においても課題です。世界の女性総人口「35億人」。日本の女性総人口「6400万人」。在留外国籍の女性「110万人」。ざっと数値を並べてみましたが、この数字を見てわかるように、世界の女性が日本で働きたいと集結してくれることが、人材不足を解決するための近道です。但し、日本での就労人気は先進国の中でもかなりの低い位置にいることを忘れてはいけません(※global talent に“一番働きたい国は?”ヒアリングした結果、先進国61ヶ国中50位)。

理由はいくつか考えられますが、「日本独自の企業文化」が大きな理由となっています。日本は共通言語が日本語である企業がほとんどで、しかも日本語N2以上レベルを求められます。他にも、残業が美徳という昔ながらの文化は、外国籍の方達にとっては非常に理解しがたいものがあります。そうした現状を打開するためには、やはり国がリーダーシップを取り(働き方改革)、企業の文化を変えることに本気で取り組まない限り、日本で働きたいという就労者は増えていかないでしょう

さらに、日本国籍の女性を労働力として受け入れる体制についてはどうなのでしょう?

2016年に女性活躍推進法が施行され、各社女性社員の受け入れや活躍推進に本腰を入れ始めたものの、女性活躍推進が全体としてうまく進んでいるかというと、まだまだこれからという状況です。業界により課題は様々ですが、アパレル業界における課題は、「経営・管理職の女性比率」「ライフに左右されない働き方」の2点が大きな割合を占めています。もともと女性が多く活躍しているアパレル業界で女性のトップが増えることが実現すれば、大きな組織変革につながると考えられます。
日本女性を企業で、数も質も意識して向上させていくことが、次のステップに繋がることは間違いありません。

さて、本題の「海外女子」についてですが、
現在在留外国人の総数は220万人。そのうちの約110万人が女性であると言われています。
次に、この数値を見てみてください。

「94.1」……!これは、在留留学生(大学・大学院の学生)に「日本で就職したいか?」と尋ねたところ、94.1%の学生が「Yes」と答えたのです。「Yes」と答えた学生のうち、約2割が実際に日本企業に就職したという結果もでています。
仮に在留海外女子110万人を日本企業に取り込むことができるのならば、15年間で失われた200万人の労働人口の半分をカバーできます。上記で述べたように、「意欲・意識の高い在留外国籍の方々を企業が積極的に受け入れていくこと」が、アパレル人材不足を解決する近道になり得るのです

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アパレル人材不足を解決するために②「海外女子はグローバル展開の一助となる」

「海外女子」の多くが、英語を話せることができ、日本で働きたい意欲のある方はさらに日本語も操ることができます。グローバルに活躍できる人材が求められる現代において、語学力は大きな強みです。

「英語話せるの?すごいね〜〜。」

日本人同士の交流でこんな会話をよく耳にします。このように、英語を第一言語として話せることは日本においてまだまだ高く評価されています。しかし、グローバル視点で見たときに「遅れている」と受け取られてしまうのは残念ながら事実。もちろん外国籍だとしても、各国教育の中に組み込まれた英語プログラムによって習熟度や定着度のギャップはでてきますが、日本人に比べると、日本にいる海外女子、あるいは世界から日本に来たいと考える海外女子たちは、当然のごとく英語を話します。

また、日本語に関しても人それぞれではありますが、少なくとも「N3」あるいは、「N2以上」のレベルを保有している方が求職者として国内の人材市場に登録している傾向にあります。N3以下の方々は、単純労働者(=外国籍人材を高度技術人材と単純労働人材と分類した場合の呼称)に多く見られます。しかしながら日本語が飛び交う環境にどっぷり浸かっていれば、日本語レベルの上達も早く、レベル感も人それぞれと言えます。

企業が語学(日本語・英語)のできる人材を採用したいと考える際に、学歴(自国で4大通い、日本で大学あるいは大学院通い)はある程度参考になります。いわゆる学歴のある方々は大抵日本語レベルN2以上で、非常に上手く話しますし、出身国にもよりますが、英語も話せる方が多いです。

とはいえ上述した通り、日本にいようと自国にいようと、日本語環境に身を置いている方は上達が早いため、会って話してみなくては判断し難いです。そのため、言語力を保有する外国籍人材を採用したい企業は、たくさんの候補者に会い「対話」をすることをお勧めします。

企業採用に関して、もう一つ。今後、海外展開やインバウンド向けビジネス展開を検討している、またはすでに始めているが人材不足の企業にアドバイスをするとすれば、「展開先の国籍を保有する人材をぜひ採用してください」とうことです。インバウンドビジネスでターゲティングしている国籍を保有する人材を採用すれば、
言語のカバーだけにとどまらず、サービス展開対象となる国の価値観や人々の思考傾向などを一番理解しているのはやはりその国の人。海外人材採用の文脈で「言語力」が度々注目されがちですが、そこが一番のポイントなのです。

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アパレル人材不足を解決するために③「戦う力をすでに保有している」

専門性を保有しているのが、「海外女子」の特徴です。
その専門性が優れているかは、それぞれ捉え方がありますが、少なくとも「何かしようとチャレンジしている」方々であるということは言えます。

例えば、アパレル企業で就業を目指す台湾国籍の女性の場合、彼女はすでに台湾現地の友人と協力して日本でバイイングした雑貨を台湾で販売するECビジネスを展開していました。外資系シューズメーカーに就職が決まったスペイン国籍の女性も、自身の服飾ブランドを製作し、1着1着仕上げたものをwebで販売していました。
サウジアラビア国籍の方は、webサイトの制作とアプリ開発のITコンサル会社を学生時代から立ち上げているという話を聞かせてくれました。

内容や規模感は様々ですが、このように個々の持つ興味関心が必ずあり、それを形にしてチャレンジしている方々に出会うことが多くあります。日本人がそうではないということではないですが、もともと日本に来て仕事をしたい!学びたい!と高い意欲を持って来日している方々ですから、その活動量は一般的な方々よりも豊富なのだと考えます。このように自発的に行ってきた経験や体験は、必ず企業へ活かすことができます。

これらの理由から「海外女子は日本企業を救う!」と断言したいと思います。冒頭でご紹介した映画『ワンダーウーマン』は、ファッション業界でも大きな話題となっています。同作は主役が女性、また監督も女性。時代の変化とともに、「ヒーロー=屈強な男性」のイメージが多様化し、女性が主役のアメコミ映画が受け入れられてきたことが大きな理由と考えます。ただし、日本において同作品は受け入れられ方が異なることもあるようです。女性の活躍がなかなか進まない日本において、『ワンダーウーマン』の受け入れも困難なこともあるでしょうが、世界のトレンドである女性の活躍に取り残されないよう、積極的に「海外女子」を受け入れることを始めてみてはいかがでしょう?

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