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個人売り上げNO.1販売員の接客術に学ぶ「お客様の心を掴む方法」|ファッションワールド東京セミナーレポート

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2016年4月6日(水)からの3日間、日本最大のファッション展示会である、「ファッション ワールド 東京2016【春】」が開催され、期間中、店長・販売員向けのためのセミナーが行われました。売り上げアップに繋がる多くのノウハウを持つ講師陣のなかで、今回は株式会社パルで個人売り上げNo.1を誇る販売員小澤衣津美さんによるセミナー「お客様の心を掴む 共感・褒めの接客術」の内容をレポートします。

小澤さんは株式会社パルのセレクトショップ、「GALLARDA GALANTE(ギャラルダガランテ)」ルミネ新宿店でサブ店長を務めており、全店舗個人売り上げN0.1の実績を持つ敏腕販売員です。

自身の経験を元に、今後アパレル業界の販売員に求められる“お客様の心を掴む接客術”について熱く語ってくださいました。

笑顔の挨拶で第一印象が決まる!大切なのは「目線」と「声の笑顔」

小澤さんは、まずお客様の心を掴むために重要な“ファーストアプローチ(挨拶)”について話します。

「笑顔の『いらっしゃいませ』は、表情だけでなく声も笑っていることが大切です。そして、入店されるお客様の目線で、何をきっかけに入店したのか観察し、できるだけお客様のバッグを持っていない側、斜め45度の辺りからの声がけを心がけています。人がバッグを持つ側は、自然に警戒心を抱いている方向なので、反対側を意識しています。声がけでは、下記のようなNGワードは、お客様が『知ってる』『それで?』と心の中で思うので、不快に感じます。最初に与えた印象を後から変えるのは難しく、最初のアプローチがとても重要です

NGワード

  • 「お鏡ございますので合わせてご覧ください」
  • 「ご試着できます」
  • 「3色展開です」

小澤さんはとにかく早く声掛けすることを意識しているそう。タイミングを逃すとどんどん遅くなり、せっかく入店したお客様は「買う気がないと思われているのかな」と感じる。せっかく入店したお客様に喜んでもらうには、早いタイミングでの声がけが大切なようです。

お客様のニーズ・ウォンツを掴む!「気づき」と「提案」

次のセカンドアプローチでは、具体的な商品の話へ。ここでの重要なポイントは、お客様の沢山のことに「気づく」こと。

「『可愛いですよね、お鏡で合わせてみてください』『可愛いですよね、あちらのスタッフも着ているんです』など、スタッフ側で完結する声がけでは、お客様の返答が無ければ終わってしまいます。接客の着地点を決めるには、一歩先まで進めるような接客を意識することが大切。例えば、『こちらとても春らしくて素敵ですよね、お客様にお似合いになりそうです。こういったパンツにも良く合うのですが、このようなデザインは履かれますか?』など、お客様が気になった商品に共感し、それを軸にコーディネート提案をして、スタイリングイメージまで伺うのがポイントです」

お客様のレスポンスごとに道筋を変えることも重要なようです。あくまで主役はお客様、服はお客様を引き立てるもの。商品説明よりも商品とお客様をリンクさせることが大切、と小澤さんは言います。小柄で服を探すのが難しそうな方には「こちらは小柄でいらっしゃるお客様にちょうど良い小さめサイズですよ」など、体型をポジティブに褒める提案をしていくと、こうした会話から自然お客様から相談されたり、悩みを通じてニーズ・ウォンツが自然と広がっていくそうです。

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 フィッティングは答え合わせ

洋服の接客時に必ずあるフィッティングのシーン。小澤さんがこの時に大切にしていることはフィッティングの前に行う“イメージが湧く提案”や“前置き”。「出ていらしたらスタイリング致しますので、インしたら何もせず出ていらしてくださいね」「形が変わった服なので着方の正解が分かりづらいと思います。出ていらしたらスタイリングしますね」など、一言伝えることが大切。あくまでもフィッティングは答え合わせで、未完成の状態。出てきてからより商品を良く見せるスタイリングをすることがカギとのこと。

小澤さん流接客では商品知識はあまり話さず、気にしている方や一押しに使うのみ。買い上げに繋がる理由は「似合うものを一緒に選びたい」という気持ちと、1客1客の接客を100%でやること。ECで簡単に欲しいものが手に入る今の時代、販売員がまず持つべきなのはテクニックはもちろん、何より気持ちが一番なのかもしれません。この後も、小澤さんは販売員にとってのヒントを沢山語ってくださいました。

売り上げNo.1の販売員になれたワケとは?

セミナー最後には、販売員や人事、経営者など沢山の聴講者から質疑応答がありました。中でも気になる質問、「売り上げトップになった一番の要因は?」との質問に対し小澤さんは下記のように答えました。

「販売員としての自分の存在意義を、常に感じていたいと思っています。勝手に決めて勝手に購入するのでは、自分の存在とは何なのか考えてしまいます。それに、販売員の仕事はただ服を売るだけではなく、“アパレル業界の繁栄”の役目があると感じています。ECの成長により、店舗の在り方が問われ、他ブランドとの付加価値が必要になっています。そのためにも販売員の力が重要です。接客には正解がありません。接客の正解は、お客様が決めること。それを追求するためにも“昨日の自分より今日の自分”という気持ちを持って日々取り組んでいます」

今の時代だからこそ、小澤さんのような強い志を持ち店頭に立つ販売員の価値は、ますます高まっていくのではないでしょうか。販売のプロフェッショナルとして、常にその瞬間の正解を追い続ける小澤さんの言葉には、販売職以外の人にとっても非常に多くのヒントが詰まっていました。

今回お伺いした主催団体

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リード エグジビジョン ジャパン株式会社

日本最大の国際見本市主催会社として、 東京ビッグサイトや幕張メッセ等の大規模な展示会場で年間40分野142本の“超”大規模な国際見本市を定期開催。併催イベントとして、業界トップのセミナーや、店長・販売向けセミナー等を行う。

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