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ラグジュアリーブランドの人事担当者に聞く、「採用したいと思う人材」に共通するポイントとは?

就職、転職を考える人にとって、最初に企業にコンタクトを取る手段が履歴書と職務経歴書。そして書類選考に通ると次は面接が待っています。書類の書き方や面接のマナーに関する情報は、ウェブや書籍などでいろいろと得ることできます。では、採用する立場の人事の方は、実際どんなところをポイントに応募者の書類や面接での対応を見ているのでしょうか?

青柳さんb1

長年にわたりラグジュアリーブランドの人事を担当してきた、人事のエキスパートの方に、採用したいと思わせる人材に共通するポイントを伺いました。意外な盲点のご指摘も!就職・転職活動を控える人は必見です。

履歴書、職務経歴書を見るポイントは?

−まずは履歴書、職務経歴書を見るポイントを教えてください。

履歴書と職務経歴書は、その方に会うか会わないかを決める書類です。特に職務経歴書のなかで、たとえば「こういうイベントの企画をして、こんなことをやりました」とか、「お客様の顔と名前を覚えるのが得意です」あるいは、「今自分の顔を見に来てくれるお客様が何人います」というようなことが書いてあると、この人に会ってみようかな、と思います。いかに自分を職務経歴書などで売り込むかなんですよね。職務経歴が会社名と年数だけですと、こちらとしてはその方が会社でどんなことをしてきたのかが、見えてきません。その意識が少しでもあるだけで、書類選考で落とされる確率が下がると思います。

また写真が添付されているかどうかもポイントになります。最近は写真を添付しないケース、あるいはスナップ写真などを貼られているケースが結構多いのですが、いわゆる証明写真と呼ばれるきちんとしたものが添付されていると印象がぐっと良くなります。

−たとえ輝かしい経歴だとしても、自己アピールなどで応募者の人となりが見えてこないと、やはり難しいですか?

そうですね、ブランドの名前というのは、いわばお洋服ですよね。でも人事担当者はその方の中身に興味があるんです。素敵なお洋服を着ていればよく見えますよね。ただ中身が伴っていないと、お客様ってその方から買うことはないんです。ブランドの名前ではなくて、その方個人がこんなアピールをして、こういうやり方でお客様を作って、それが認められて百貨店からお褒めをいただいて、などというストーリーが見えてくるといいですね。つまり転職するということは、一度今までいたブランドという洋服を脱ぐということ。また新しい洋服を着ても、私は大丈夫です、というものがいかに履歴書と職務経歴書で伝えられるかが重要なんです。

面接時の好印象なマナー

−面接時の好印象なマナーについて教えて下さい。

実は、面接に入るまでのプロセスも私たちは見ています。まずは到着時間の配慮ができるかどうか、そして受付で人事担当者を呼ぶ際の電話の対応。これがきちんとできているかどうかは実は採用のための大きな判断材料になります。たとえば10時からの面接で、15分前に来るのはNGです。こちらもそれに向けての準備がありますので、10時のアポイントにはせめて3分前に来てほしいんです。皆さん行ったことのないところで不安なので、15分前に着くのはわかります。遅刻ももちろん厳禁ですが、早く到着したから時間前でもコンタクトしてしまうというのは、相手の立場に立ってものが考えられないということなんです。

また、受付の電話で担当者を呼び出してもらうとき、要件と名前をきちんと伝えられえない方が意外と多いんです。「本日何時に面接の約束をした○○です」ときちんと電話口で言えるかどうか。そこはチェックポイントですね。

—面接が始まる前にかなりチェックポイントがあるのですね。

面接が始まってから頑張ればいいと思っている方が意外と多いんですが、実は顔を合わせてお話しすることは採用を決めるほんの最後の判断材料なんです。それまでをきちんとしておかないと、面接でいくら頑張っていただいても、残念ながら採用に至らないことがあります。

面接前と面接時の落差が大きすぎると、ひょっとすると裏表がある人なのかもと思ってしまいます。採用までのプロセスを100とすると、スタートはエントリーするところ、ゴールは面接が終わって会社を出られるところで、私たちはその間をずっと見ています。みなさん面接だけをすごく大事に考えていて、面接までのプロセスがないがしろになっていることが多いんです。

青柳さんa1

面接時に必ず聞く質問とは?

−この質問は絶対聞く、面接時の質問リストはありますか?

必ず聞く質問が2つあります。まずは、応募しているブランドでの直近の体験です。実際にお店に行って、接客まで受けてくださっているとありがたいですよね。「最近いつ頃見ていただきましたか」「どんな感じでしたか」というのは必ず聞きます。もちろん応募から面接まで時間がない場合もあるので、そういう場合でもちょっと通りがかるだけでもいいですし、たとえ接客が悪くてがっかりしたとしても、それは言っていただきたいですね。「ちょっとこんなことがあって残念でした」と正直に言ってくださったからといって、選考基準に影響することはありません。

もう一つは、志望動機や自己PR以外のことです。例えば、お休みの日は何をしているか、興味を持っている雑誌、今一番気になっているニュース、など。実はお客様とお話をするとき、ここが大事なんです。今話題の事柄を話しながら接客に入っていけるか、それともただ商品説明を始めるかでお客様の印象はかなり違ってきます。

私は、世の中の動きやファッション、イベントなどに対するアンテナの高さを見ています。絶対に聞かれないだろうなという変化球な質問をしますが、お客様との会話もマニュアルどおりではないはずです。お客様は商品知識が聞きたいのではなく、何かいいものがないか探しにきています。いろんなブランドがある中で足を止めてもらったなら、そこからもう一歩踏み込むためにお客様の身近なことから入るのが大切。そのためには観察力も必要ですし、会話のきっかけをたくさん持っていることも大切です

採用を決めるポイント

−面接という緊張感のなかでうまく話せない人もいますよね。そんな場合はどのようにしたらよいのでしょうか。

面接はほとんどの方がどうしても緊張します。ただ接客業の場合、8割のお客様が初めましてですよね。ですからその緊張感をどれだけ乗り越えられるかを私たちは見ています。面接という場で緊張してしまうのは仕方ありませんが、一生懸命さは伝わってきますので、たどたどしく言葉に詰まりながらでも、きちんと語りたいことは持っていてほしいですね。

−最終的に採用を決めるポイントは?

ブランドには個性があるので、合うか合わないかというのははっきり見えてきます。常にやっているのは、あるお店のフロアを思い出して、目の前にいる方に制服を着せて、そこにいる姿を想像してみることです。選考書類での自己アピールや面接で仕事への思いを伺ったうえで、最終的にはその方が実際店頭に立っている姿を想像できるかどうかが大きなポイントになります。

−採用を決めるまでには様々な選考基準があり、エントリーをしてから面接を受けるまでの多くのプロセスも非常に重要なことがわかりました。貴重なお話をどうもありがとうございました。

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