ファッション業界の転職コンサルタントが”業界のウラ話”をお話するコラム「HR TALKS REAL」。
先日、開催が決定した2020年東京オリンピック。誘致プレゼンテーションで打ち出した「おもてなしの心」が話題になりました。さて、その「おもてなしの心」をファッション業界に置き換えてみると…!?ラグジュアリーブランドの人事部長をご経験された転職コンサルタント、竹間さんのコラムです。
今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
Chikuma Human Resource.Inst
代表取締役 竹間 克比佐さん
私は以前から、外資系ブランドビジネスに携わる人たちの心のどこかにこの「おもてなしの心」があるように感じていました。
それは、何故でしょうか?
ブランド商材は「歴史と伝統」を持ち、それを今の時代にも伝承させることによって、人々はその商材に「価値」を見出だします。その価値を語ることのできる人は、自社の商品に愛着を持ち、なおかつ自分に自信を持っており、それを誰かに伝えたい!という気持ちが前面に出るのです。
「おもてなし」=「柔顔優顔」。
何事にも柔軟に対応して誰にでも優しい心でいられること、そんな気持ちを持つ人こそがラグジュアリーブランドと呼ばれるような外資系ブランドに勤め、素晴らしい商品と共に日本人ならではの「おもてなし」を日々、お客様に提供しています。
ありとあらゆる事がマニュアル化されている昨今、残念ながら、商品や自社に対する”心”の無い営業や、自社の物を”ただ、売る”という事しか考えていないようなお仕事をされる方も見受けられます。
あなたは「気づく」事の出来る「心配り」を持っていますか?
企業面接に行く時、提示された時間の10分前に行っていますか?
近くの化粧室でネクタイを整えたり、髪の毛を整えたり、雨の日には濡れた傘の雨水をティッシュで取り企業の受付に行っていますか?
…これらはマナーではなく「心遣い」という日本人の「おもてなし」であると私は考えます。
こういった日本人の「おもてなしの心」は、家庭においても、学校や職場においても、人間関係が希薄になりがちな現代に、人が人を大切にする心をあらためて思い出させてくれます。
人が人を大切にする。
その時、その場、そこに会した人たちが、それぞれを二度とない機会として、一瞬一瞬を大切にする。
人を敬い、思いやる。
グローバル社会の中に生きる外資系ブランドには、今だからこそ誰しもが気づきたい「日本の心」が必要なはず!人事部長時代、私はそれが出来る人を採用し続けました。
今もきっと、その心を持った「人」がファッション業界のどこかで、無償の笑顔をたたえて出迎えてくれているはずです。
自分の価値を語ればきっと、自己実現ができます。
日本人ならではの「おもてなしの心」を武器にグローバル社会を生きましょう!