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ファッション販売職の今、そして今後 – 販売職の重要性

ファッションビジネスには欠かせない販売職のみなさんの存在。店頭で実際にお客様に接し「商品が売れるか売れないか」を左右する重要なポジションです。販売職はもっと脚光を浴びる職種であるべきではないでしょうか。今回はそんな「ファッション販売職の今、そして今後」について、アパレル専門総合人財サービス企業の「インター・ベル」の田中 克典さんによるコラムをお届けします。

今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
インター・ベル
代表取締役社長 田中 克典さん

2014年も8月、セールもひと段落し、少しずつ秋冬物商戦が始まってきています。

この時期は、撤退する店舗や新規出店も多く、異動や転職が増える時期でもあるのですが、企業側にとって採用活動が厳しくなっているのではないかと感じています。このような状況になると毎回思うのですが、「景気が良くなると、ファッション業界で販売職に関わる方を採用するのが難しくなる」のです。今回は販売職の今、そして今後についてお話したいと思います。

ブランドビジネスにおける販売職の重要性

プロ野球選手で「いつもスタメンで最終回まで出場し、それを何年も続けている」というような選手をしばしば見かけますが、ある意味、販売職のみなさんもそれに近いのではないでしょうか。

ファッション販売職の今、そして今後。販売職の重要性。

どんな状況下でも毎日シフトをしっかり守り、出勤する。そして、店頭に立つその瞬間から、最高の笑顔とお迎え入れ体制を整える。お客様がいらっしゃったら、そのお客様のことを瞬時に察知し、心地よく感じて頂けるよう、工夫のある接客をする。接客していない時にも次の販売計画を練ったり、お客様へのお手紙や電話連絡など、バックヤードでの作業を行う。また、再来店されたお客様はお名前でお呼びし、前回の来店よりもより特別感を感じて頂けるようにする。

このような業務を3日~4日出勤し、1日休む、といったシフトで、体調を整えながら継続していく。「どんなことがあっても、お店をしっかり運営する」ことが販売職のみなさんに課された大切なミッション。……まさに「スタメンで最終回まで出場し続ける野球選手」に重なると思いませんか?

そして、ブランドビジネスの最前線でブランド価値の向上のために日々行動されているのが、まさに販売職のみなさんです。上記に挙げた業務全てがブランド価値向上に結びついているのです。こういった日々の積み重ねがあるからこそ、ブランドは成長していきます。つまり、ブランドの成長には販売員の存在が絶対に欠かせないことは間違いありません

販売職のみなさんが「会社にとって重要な存在である」ということを表現するために、福利厚生や人事評価制度などで細やかなケアを行う企業も増えてきました。具体的には、優秀社員の表彰やインセンティブの支給、特別なスタッフとしてのランク付けなど。ある企業では、表彰式と懇親会を1年に1回、普段なかなか足を運ぶことが難しいラグジュアリーなホテルで行うことで、販売に関わる社員のみなさんの意識が変わり、「来年もまた頑張ろう!」というモチベーションにつながった、という例もありました。

まだまだ良いとはいえない……販売職に対する待遇

ブランドビジネスには欠かせない、販売職のみなさんの力。では、販売に関わる方の待遇はどうなのでしょうか?

一般的にはデザイナーやMD、営業といった他職種に比べると、給料に関しては良いとは言えないと思います。某ファッション系人材紹介会社が出しているデータでも一番低いラインで紹介されています。それ以外にも、お休みが取りづらかったり、福利厚生が劣っていたりと、諸待遇に若干遜色があるということがうかがえます。また、女性が多い職種にも関わらず、産休後に復帰する環境も、整っているとはまだまだ言えない状況であることが現実です

働きやすい職場作り。新しい制度を導入する企業も。

休日の件だけをピックアップしてみると、本社勤務のみなさんは完全週休2日で、販売職のみなさんは週休2日。あまり変わりがないように見えますが、場合によっては年間の休日日数が20日程変わってきます。百貨店やファッションビルがほぼ毎日営業している状況からすると、なかなか難しいところもあると思いますが、雇用する企業側がこの点をいかに工夫して解決していくのか、注目していきたいところです。

待遇面だけではなく、休暇や福利厚生の充実、お子さんのいる女性が働きやすい環境が整備されているなど、働く側にとって魅力的な会社であるかどうかは、今後ますます重要になってくるのではないでしょうか。

たとえば、「earth music&ecology(アースミュージック&エコロジー)」を運営するクロスカンパニーには、「販売スタッフに3連休を毎月1回取ってもらう」という制度があります。従来の週休2日の勤務体制では、2連休も取れたとして月に1回です。3連休を取れるって、魅力的ですよね。身体を休めて体調を整えておくことも大切ですが、美術館に行ってみたり、映画を見てみたり、普段読まないような本を読んでみたり、小旅行に出かけてみたり……3連休があれば、さまざまな可能性が広がります。ファッションに携わる人間として、こういった「遊び」を通じて「感性を磨く」ことは非常に重要だと思います。

お子さんがいる方に対して、通常勤務の半分の時間で働くことを認める、といった企業も増えてきました。今後、ますます日本の若年層の人口は減り、高齢化が進みます。企業側では「いかに働く人を確保し、長く働いてもらえるか」が課題になっていくでしょう。そういった中で、上に挙げたような新しい制度や福利厚生、待遇や評価制度を充実させ、働く側にとって働きやすい、魅力的な労働環境をつくっていくことが大切だと考えます。

 

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