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97歳のファッションニューヨーカー、モデルになる!彼女のチャレンジ精神に学ぶキャリアの重ね方

人生において自分のキャリアについて立ち止まったり、将来に不安を感じることは誰でも一度は経験があるでしょう。特に女性はその不安要素の1つとして「年齢」が原因となることがあります。

将来のことを考えて、「結婚や出産は早いうちにしたいけど、自分のキャリアを止めることはしたくない」「もういい歳だし、今から何かを始めるには遅すぎる」という声をしばしば耳にします。

確かに年齢はその人の経験値を表すものさしではありますが、キャリアにおいても同じことが言えるのでしょうか。

■100歳を目前にモデル事務所と契約した、世界でもっとも高齢なファッションアイコン

ファッションアイコンやインテリアデザイナーと知られるアプフェル・アイリス氏を知っていますか?度々ドキュメンタリーに登場したり、ZARAのTシャツにもアイコンとして使われたり、97歳にして多方面で活躍。その独特な色使いのファッションセンスにシグネチャーともいえる大胆な丸メガネをかけたチャーミングな姿は、一度みたら誰もが忘れられないことでしょう。

そんな彼女が100歳を目前にして、先日ニューヨークを拠点とする超大手モデル事務所IMGと契約を交わしました。

電話によるインタビューでは、このように驚きと喜びを語りました。

「モデル事務所と契約をしたことなんて今までなかったから、この機会にとてもワクワクしてる。それから今回初めて自分で全部決断して契約したの。私は(自分で会社を経営したり)“DIYガール”だから自分の人生においてこんな素敵な出会いがあるなんて考えたこともなかった。もちろんモデルになろうともなんて一度も思ったことはなかったの」

また、モデル事務所の社長Ivan Bartは、こう期待のコメントを残しました。

「彼女は絶大なポテンシャルを秘めたアイコンであり、きっとモデルを通じてクリエイティビティとインスピレーションを発信してくれると信じている。これから彼女の生まれ持った天性を生かし、新鮮で面白い作品を世に送り届けたい。また、年齢はただの数字にしかすぎないし、きっと彼女の作品は物事をなんでも年齢で判断するべきではないということを証明してくれるだろう」

■映画や伝記にもなった超エキサイティングなアイリスの歩み

アイリス氏はニューヨーク州のクイーンズ地区のアストリア出身で、幼い頃からファッションに興味津々でした。大学を卒業後はWomen’s Wear Dailyにコピーエディターとして就職し、すでに培っていたファッション知識を生かし自身のキャリアを築いていきました。その後、生涯を共にしたカール・アプフェル氏と出会い、結婚、1950年には「Old World Weavers」というテキスタイルの会社を立ち上げました。

数十年に渡る長いキャリアの中では、ホワイトハウス内のテキスタイル修復プロジェクト、ケイトスペードやコスメのMAC、ジュエリーのアレクシスビター、オンラインショッピングサイトのHSN、ニューヨークの高級デパート、バーグドルフグッドマンや、パリのボン・マルシェなどの広告キャンペーンといった仕事を手がけてきました。

また、ファッションだけに止まらず、ウォッカや自動車、美容製品、香港のランドマークモールなど幅広い分野で数多くのコラボレーションプロジェクト活動を行ってきました。

さらに彼女のビジネスはテキスタイル業界の枠を越え、ここ8年はHSNの中で服やアクセサリーのデザインも手がけています。彼女が手がけるデザインは、若い女性からドラッグクイーンまで幅広い顧客から支持を得ていることでもとても有名です。

そして、2005年にはメトロポリタン美術館で、アイリス氏がコレクションをしている衣服とアクセサリーの特別展示会が行われました。そのタイトルは『Rara Avis(Rare Bird):The Irreverent Iris Apfel.』。美術館初の実在の人物を起用した試みでもありました。

その後、2014年には『IRIS』(邦題『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』。日本では2016年公開)いう彼女の人生に密着したドキュメンタリー映画がリリースされ、さらには2018年に世界で最も大きな出版会社の1つのHarper Collinsがアイリス氏をフィーチャーし、『Iris Apfel: Accidental Icon』という華やかでカラフルな人生にフォーカスしたバイオグラフィードキュメンタリーを発表しました。


左から映画『IRIS』、伝記『Iris Apfel: Accidental Icon』

 

■インタビューから紐解くアイリスの原動力とは?

このように立ち止まることを知らないアイリスの原動力を探求するべく、この好奇心やチャレンジ精神はどこからやってくるのでしょうか。その答えはあるインタビューの中にありました。

「私もそれを考えたことがあるわ。きっと4年前に亡くなった私の夫が私をより強くさせるの。生前はよくリビングでたくさん笑って、度々私がフィーチャーされた話題になると決まって『(アイリスは)70年前とまったく変わらないのに、いまになって突然キミはクールです、今超ホットな物件です。なんてバカバカしいわね』ってよく話してた。でも私がとても“リアル”に考えていることをはっきりと発言して、それを行動に起こすからみんな私に興味を持ってくれるのかしらと思うのよね」

今後モデルとしてやりたい事や心がけたいと思うことはという問いかけに対して、こう答えています。

「わからないわ。ただ目の前にある機会をこなすだけ。それか私がスポークスマンになるのもいいかもしれない。でも細かなことはすべて事務所に任せるの。彼らの方がエキスパートだからずっとよくわかっていると思う。
私の母親は100歳まで生きましたが、父親は若くして亡くなった。正直、みんながお手本にしたくなるようなモデルが心がける生活は今までしてこなかった。そんなに運動もしてこなかったし…。だから最近は歩くことから始めたわ。食べるものは極力シンプルに、ジャンクフードは食べないように気をつけている。お酒もほどほどにして、自分のルールに沿った飲み方で飲んでいる。たばこは、昔は1日に4パックは吸っていたけど、50年前に禁煙したわ。だから今回モデルのオファーは、自分の私生活も見直せるからとても魅力的だった。楽な仕事じゃないけど、この仕事はとっても楽しいって思える。なぜモデルたちが高給取りなのかも理解できる。でもね、何度も言っちゃうけど本当に本当に楽しい。97歳の老婆がファッションマガジンのカバーを飾るなんて誰が思うかしら」

垣間見れるビジネスウーマンと仕事に対する思いと姿勢も伝わってきます。

「70年代から80年代を最前線で駆け抜け、さらには90年代の女性の活発な社会運動に積極的に取り組み、立ち止まることなく女性のキャリアを追求してきたわ。年齢で偏見をもったり、(自分の年齢で)自分を制限するべきではないと思うの。定年退職は死よりむごい運命。私は働く事が本当に好きだし、自分の仕事を愛している。だから、自分の仕事が好きじゃない人を見るととても残念に思うの。私は自分の人生において、好きではないものを排除するために日々を送るの。そうすると面白いことやクリエイティブな人に出会うことができてきて、毎日充実した人生を手に入れることができるの」

そんな彼女の、今後の目標と充実した人生を送るのに欠かせない秘訣とは何でしょう?

「68年間連れ添った夫に先立たれてからは、クレイジーなくらい過激に働いている。私たちはビジネスもプライベートもすべて一緒だったから、夫の死はとても言葉では表しきれないくらいショックだったわ。だから単純に今まで以上に仕事に打ちこんだほうがいいと思ったの。だって、ただ家にいて1日中考えにふけっていたら、ハッピーじゃなくなると思ったのよ。そしたらその考えは間違っていなくて、神さまは私の味方をしてくれた。デザインやモデル、トークショー、トラベル。働いた分だけいろんな興味深い仕事がたくさん舞い込んできたのよ。
私は、自分の足で面白いと思えるものクリエイティブな人に会いに行く。そうして自分の人生の流れを作っていくの。そうするとそのすべてが重なって毎日が貴重なものになるから。モデル事務所に入ったのも決して遅いなんて思っていないの」

いかがでしたか。彼女の働く姿勢やファッションに対する情熱を見ると、自分の悩みがいかにちっぽけに思えるような気がしませんか?年齢なんてただの数字にしかすぎないと証明してくれるアイリス。一度きりしかない人生を豊かにするために、明日から少し角度を変えて仕事に打ち込んでみるとまた何か違った新しい発見があるかもしれません。

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