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ファッションシーンのカギを握るミレニアル世代に向けたバーバリーの戦略とは?

3月27日から29日の3日間に開催された「ファッションワールド東京」では、さまざまな特別講演が行われました。今回は、バーバリー・ジャパン代表の小田切賢太郎氏とWWDジャパン編集長の向千鶴氏による特別講演「バーバリーが仕掛ける、日本市場創造ブランディング」の様子をご紹介します。

20年ぶりにロゴを一新!思い切った変革が必要

大胆なバーバリーの変革を語るうえで、小田切氏の存在は欠かせません。向氏のナビゲートにより、まずは小田切氏のプロフィールが紹介されました。

創業100周年記念の年に伊勢丹に入社し、雑貨売り場からスタートした小田切氏のキャリアは、とても華麗に見えますが、すべて「はじまりとともに」がキーワードとなり、キックオフに携わっているという特徴があります。

入社3年後にバーニーズに出向、9年間グローバルファッションについて学び、その後、また伊勢丹に戻り、海外事業部へと配属されます。合計15年ほど伊勢丹に勤めた小田切氏ですが、そのすべての配属先で伊勢丹の“レジェンド”と呼ばれる方たちの背中を見ながら学んだと、自身のキャリアを振り返ります。

バーニーズがかっこいい理由

バーニーズ配属時、最初に感じたことは「NYのバーニーズがなぜかっこいいのか」ということだったそう。その理由は販売員のかっこよさにあったと気づいたそうです。販売員がかっこいいのは給料が高いからという理由があり、販売人がアルマーニのショーを見にミラノまで足を運ぶという、バーニーズのシステムを見て「日本でも販売員の地位を向上させるために仕事を変えていかなければいけない」と感じたそうです。そこで取り入れたのが、インセンティブ制の仕組みだったとのこと。この姿勢は、バーニーズ以降、現在に至るまで、変えずに取り組んでいるそうです。

意外だったのが、2006年にバナナリパブリックでもお仕事をしていたということです。サプライチェーンの勉強にもなり、ローカライゼーションについてしっかり学んだと振り返ります。ここから外資ブランドとの関わりがスタートし、その後セリーヌへと移り、2017年よりバーバリーのプロジェクトに参加することになりました。

バーバリーの今、そしてこれから

バーバリーは4,000億円ほどの売り上げのある会社です。しかし、ここから数年かけてその売り上げ内容を変えていこうというのが、現在仕掛けていることだと言います。「そのために取り込まなければいけない顧客層は、ミレニアル世代」だと、小田切氏は言い切ります。だからこそ、これまでのラグジュアリーブランドとしての商品だけでなく、ミレニアル世代に取り入れやすい商品の提供が必須だと強調します。旅行などで訪れる中国人観光客の存在もしっかり視野に入れなければいけないと考えています。


また、顧客の購買の変化には6つのポイントがあると言います。

1つ目は「ブランドバリュー」。バーバリーというブランドが好きという人たちで、現在も購買層としては一番大きな割合を占めていますが、5年後の市場も変わらず多く占めていると予想します。

2つ目は「衝動」です。インスパイア、インスピレーションとも言い換えることができ、市場調査による消費パターンではなく衝動的に買うと、ブランドに惹かれたという意識で購入する人です。

3つ目は「TRIBE」、つまり「帰属意識」です。今は雑誌を読むよりまずはソーシャル。ソーシャルの中で自分が好きなムービースターや、チーム、インフルエンサーに惹かれ、属したいという意識が芽生えています。

4つ目は「比較購買」、「マルチブランドチャンネル」です。以前のようにお店で夢のような体験をさせてブランドバリューをフォーカスという形ではなくなっているのです。ストリート系とコラボしたり、新しいお客さま、新しいキュレーションやアソートメントが大事になってくると言います。

そして5つ目、6つ目は「手軽さ」や「気軽に購入できること」、「リセールバリューがあること」が挙げられます。スポーツとラグジュアリーが同じフィールドにあるという現実を受け入れ、取り込むことが大切だと考えています。

スタートしたばかりの改革について

「バーバリーはまだまだいろいろな面でイケてない部分が多い」と語る小田切氏。バーバリーの潜在意識を変えていくことが重要だと考えており、そのためにはメディアとのつながりを持つことも成功への重要なカギだと言います。


三陽商会とのライセンス契約が切れ、現在、国内の百貨店に20店舗しかバーバリーのお店はありません。認知度を上げるためにもインフルエンサーを効果的に活用することも大切で、旬な方たちとデジタルな接点を持っていきたいと説明します。ソーシャルで始まり、ソーシャルで終わる人がどこに行き着くのかを見極めることも大切だと強調します。

さらに今後ポイントとなるもののひとつに「オフラインがある」と指摘した小田切氏。セレクト大国である日本が得意と考える、繊細なアソートメントでお店の生命線を支えていくと予想しているそうです。実店舗の存在は今よりも重要になってくるので、今よりもワクワクするようなものを提供する必要があると強調します。

お客さまに高い充実感を与えるためには、販売スキルが重要になってくると言います。ここで効果を発揮するのが、小田切氏がバーニーズで学んだインセンティブ制です。伊勢丹時代から大切にしている「55%の攻撃論」を武器に、今後も勝つ可能性のあるものに積極的に取り組んでいきたいと笑顔ながらも、力強くアピールしていました。

Text:Shinobu Tanaka(RhythBiz)

 

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