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宝石の価値やデザインだけじゃない、真の美しさとは…。ジュエリー業界のサスティナビリティ事情


『アルマーニ』『グッチ』『フルラ』など名だたるブランドが毛皮の使用を中止したのをはじめ、ここ数年ラグジュアリーブランドのサスティナビリティ・シフトは止まることがありません。その影響は高級衣料の世界だけではなく、ハイジュエリーの分野にも波及しています。
そこで今回はサスティナブルな取り組みに力を入れるジュエリーブランドの活動について紹介したいと思います。


ジュエリー業界の革新を牽引する『ショパール』

https://www.chopard.jp

2012年からいち早く「責任ある宝石のための協議会(Responsible Jewelry Council:略称RJC)」の認証を取得している『ショパール』。2013年にはエコロジーをテーマにしたオンラインマガジン『Eco-Age』とパートナーシップを掲げ、サスティナビリティに対して責任ある方法で調達された素材をコレクションに使用するプロジェクト「サスティナブル・ラグジュアリーの旅」をスタートしています。

『ショパール』は、カンヌ国際映画祭の公式パートナーとして20年以上の歴史を持つブランドですが、毎年映画祭に合わせてサスティナブル・ジュエリー「グリーン カーペット コレクション」を発表。2018年はプロジェクトの支援者でもあるオスカー女優ジュリアン・ムーアが、モザンピークのマヴコ鉱山から調達した34カラットのパライバトルマリンと、フェアマインド認証を取得した18Kホワイトゴールドを用いたネックレスを身につけ、レッドカーペットに登場しました。また同社が制作を手がける映画祭のトロフィー“パルム・ドール”には2014年以降、フェアマインド認証の18Kイエローゴールドが採用されています。

2018年の7月からは『ショパール』の作るすべてのウォッチ&ジュエリーに対し、責任ある供給元から調達した100%エシカルゴールドを使用し、環境や社会の国際的ベストプラクティスに準拠することを発表。ハイジュエリーの素材を責任ある方法で調達するのは非常に難しいとされるなか、『ショパール』は鉱山の現場からスイス・ジュネーブにあるアトリエに至るまで、サプライチェーンの全段階を査定した経緯までをも明らかにしています。


自然環境への影響に配慮を続ける『ティファニー』

https://www.tiffany.co.jp

アメリカを代表する宝飾ブランド『ティファニー』は、ダイヤモンドの原石や貴金属のトレーサビリティを高めるために、鉱山から顧客に至るまでの垂直統合型のサプライチェーンを導入し、製造プロセスを直接管理しています。また、同社で使用するダイヤモンドの調達先は、不正に採掘されたダイヤモンドが武力紛争の資金源となるのを防ぐため、原石に原産地証明書の添付を義務づける国際的な取り組み「キンバリー・プロセス認証制度(略称KPCS)」の有資格国のみに限定。さらに独自の流通管理を取り入れ、人権保護と環境保全を前提としたより厳格な世界基準を提唱しています。

人権への配慮としては、宝石のカットやポリッシュを行う世界各地の自社工場において、現地に住む人たちの雇用に力を入れています。適切な職業研修を行って公正な賃金を支払うことで、地域社会に適正な投資をしていく、という考え方です。

『ティファニー』は環境にも配慮しており、2050年までにエネルギー使用量および温室効果ガス排出量を実質0%まで削減することを宣言。現在は新旧店舗の照明をLEDに切り替えるほか、社内で使用する電気の100%を再生可能資源から生産および調達する取り組みを開始。ブランドのシンボルでもある“ブルーボックス”や“ブルーバッグ”には、持続可能な木質繊維材料や再生紙を積極的に取り入れています。

 


日本発のパーペチュアルジュエリー・ブランド『ハスナ』

https://hasuna.com

2009年に誕生した日本のジュエリーブランド『ハスナ』は、ペルーやパキスタン、ルワンダほか世界約10ヵ国の宝石鉱山労働者や職人の元を訪れ、児童労働がされていない素材を仕入れるなどして、いち早く素材調達のプロセスの透明化に取り組んできました。2014年には日本で初めて「責任ある宝石のための協議会(Responsible Jewelry Council:略称RJC)」の認証を取得しています。

現在は、エシカルジュエリーという表現から“パーペチュアル(永遠に続いていく)”ジュエリーとコンセプトを改め、大切にしてきた透明性はそのままに、価値が永続的に続いていくジュエリーを目指して制作を続けています。


 

宝石の価値やデザインの美しさだけでなく、どういうプロセスで作られた物なのか、環境に負荷をかけていないか、までが価値になるこの世界的なムーブメント。地球の資源には限りがあるなか、多くの人が幸せになるためにファッションができることを考える、ひとつの契機になるのではないでしょうか。

 

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