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米国のファッション系スタートアップから学ぶSNS世代のマーケティング戦略

今、ランジェリー業界では知らない人はいないといっても過言ではないくらいの存在感を放つカンパニー、“Victoria’s Secret(ヴィクトリアズシークレット。以下VS)”の座を奪おうと、各所で下克上が起きています。しかもその名を馳せようとしているブランドたちは、立ち上げて5年前後のデジタルボーンブランドで、いわゆるスタートアップです。これらのカンパニーは、自身の鋭い洞察力やソーシャルネットワークを駆使し、新規顧客を獲得し続けています。それでは、この“若手たち ”はどんな手法を使って、成功の道へ勝ち進んでいるのでしょうか。これから間違いなく伸びていくブランドを3つピックアップしてみました。

思わず人に広めたくなるエクスペリエンスストア

Lively(ライブリー)

https://www.wearlively.com

2016年4月にシニアディレクターとして以前ヴィクトリアシークレットに勤めていたMichelle Cordeiro Grant(ミシェル・コルデイロ・グラント)によって立ち上げられたブランド、Lively(ライブリー)。「Leisurée(レイジュリー)」(アスリージャーとランジェリーを掛け合わした造語)という、休日に気軽に普段着に取り入れることができる機能性を追求したスポーティーで女性らしさを取り入れた新しいスタイルを提案しています。

ミシェル氏は、今のカンパニーが行っている年齢層や年収、地理的な土地の特長を意識したマーケティングはもう時代遅れだといいます。同社は、“アクティブな女性”、“食やカルチャーに深く興味のある女性”、“生き生きとしたエスト精神を表現する女性などのマインドセットを軸にしたブランディングを行っています。実際にこういった女性を見つけるために「Lookalikeオーディエンス」ツールを活用しています。これは、フェイスブック上で、Lookalikeオーディエンスリストを作成することで自分のフォロワーやカスタマーに似たユーザーを追跡することができる機能です。そしてこのツールを活かして、ブランドをローンチする前からブランドアンバサダープログラムを積極的に取り入れ、スタートと同時に明確なブランドイメージを築き上げることに成功しました。

先月7月下旬には、初の路面店がマンハッタンのソーホーエリアにオープンしました。その内装はピンクとグリーンを基調としたヘルシーで甘すぎないフレッシュな印象で、ブランド名の通りイキイキとした店づくりが目立ちます。特に印象的なのは、入り口付近にまるでミーティングでも開けそうなコミュニティのためのテーブルや椅子があり、ゆったりとしたスペースが広がっていることです。これまでにヨガやヒップホップクラスを行ったり、DIYカリグラフィイベントなど、SNS上で学びたいとリクエストを受けたイベントを提供しています。インスタグラマブルな写真が撮れるスペースが設置されていたり、無料のスナックが置いてあり気軽につまんだりできるのもエクスペリエンスストアならではの嬉しいサービスです。

500万人の女性のフィードバックを駆使して誕生した、最強シームレスレスブラ

true & co (トゥルーアンドコー)

https://trueandco.com

true & coはデータギークと自称するMichelle Lam(ミッシェル・ラム)とクリエイティブデザイナーを務めるNikki Dekker(ニッキー・デッカー) によって立ち上げられたブランドです。自分にフィットするアンダーウェアを何十着試着しても本当にフィットすると感じるものを見つけることができなかったという自身の悲しい経験から、自らブランドを立ち上げました。彼女がまずはじめに着手した
「BRA QUIZ」(ブラクイズ)という名のデータ収集作業でした。いわゆる自分のサイズやブラジャーのフィット感についてのパーソナル診断で、選択式で回答する形式になっています。現在は終了してしまいましたが、すべてのクイズに答えたあと回答者にフィットするであろうスタイルがいくつかピックアップされ、気に入ったデザインを3着、残りはブランド側からのおすすめのスタイルが自動的に選ばれ、自宅で試着、購入ができるという期間限定のキャンペーンを行いました。

ミッシェルは次のように語っています。
「このテストを始めた当時はデータを1件1件読み解いていましたが、今は消費者の動向やパターンが瞬時に読めるようになりました。特に顕著だったのは、消費者は異性の目線を意識したプッシュアップブラ熱から遠ざかり、自分のためのアンダーウェアという意識が強く、また着け心地の良さをより重視しているということです。このトレンドとデータ解析のおかげで、爆発的にヒットしたシームレスブラを発表したきっかけになりました。私たちのマーケティングは的確にターゲットを絞っていて、かつ明確にパーソナライズドされています。だから500万人のデータを読み解くのもまったく苦にならないのです」

共通の趣味があれば、どんなボディーサイズの女性からも共感を得られる!?

Third love

https://www.thirdlove.com/

Third love(サードラブ)もtrue & Coのミッシェル氏と似た経験をしたことから、2013年にHeidi Zak(ハイディ・ザック)と彼女の夫であるDavid Spector (デイビッド・スペクター)によって立ち上げられたオンラインブランドです。Third love はランジェリー業界初のハーフカップサイズを発表したことで一気にメディアから注目を浴びました。立ち上げ当初は30型におよぶサイズ展開でスタートさせ、その後、VSの2倍にあたる60型までに幅を広げました。そして今年に入り新たに15の型が加わり、なんと今では50万人のウェイティングリストがあるそうです。

そんなサイズ展開を強みとしたブランドですが、マーケティング戦略に関してのインタビューには、ザックは、
「間違いなくモデルの顔が写っていないカットを使用するときのほうが効果が出やすい。おそらく、単純に(消費者が)自分自身に置き換えて商品を着用しているところを想像しやすいし、モデルの顔が映らないことで必要のない先入観に駆られることがないからだと考えている」
と答えていました。

またフォロワーや消費者からのフィードバックも積極的に取り入れて、そのポテンシャルグループをいかに顧客にするかがキーポイントになっています。特に、プラスサイズ46Hまでにのぼるような、より幅広いボディタイプのグループに新商品提案をするときには、彼らのフィードバックは欠かせない重要なリソースになっているといいます。

今の時代は獲得したいオーディエンスを得るために、プラットフォームを通じてその的を的確に絞ることができます。同社は、ワイン、料理、旅行、キャンプなどオーディエンスが興味を持ちそうな、それぞれが類似した趣味にフォーカスし、オンラインショッピングの中のような幅広いカテゴリ(ブランドイメージ)をセレクトしターゲットを絞っています。そして、その各キーワードに製品を落とし込み、イメージを作り上げプラットフォームを通じてオーディエンスに提供しています。ちなみに「ランジェリー」というカテゴリはここには存在しません。“ブラジャー、アンダーウェアカンパニー”であって、ランジェリーカンパニーであるという自覚は必要がないと考えています。ランジェリーという単語は特定の意味合いをもっているので、捉える人の固定観念に縛られてしまいがちです。ブランドマーケティングのモダンなアイデアは、実際の商品にフォーカスすることより、その商品が組み込まれた、アイデンティティやライフスタイルを提供することが成功の鍵となっています。

 
いかがでしたか。この3つのブランドは似ているようで異なるマーケティングを行っています。そしてこのデジタルな世代にSNSはもはやビジネスには欠かせない存在になっていることもよくわかります。まだSNSに少し躊躇していたら、気持ちを切り替え1つ踏み込んでみてはいかがでしょうか。

Text : Haruka Sagoya

 

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