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リピートにつながるお客さまとの関係づくりとは?|売れる販売員の接客メソッド


消費者心理を熟知したカリスマ販売員としてメディアでもおなじみの橋本和恵さんに、販売ノウハウを余すところなく教えていただくこの連載。第3回目のテーマは、ズバリ!売れ続けるための方法です。

販売とは結局のところ“人対人”のアクション。その原点に気付けるお話が伺えました。

お客様のニーズや悩みを把握し、ともに解決するスタンスで

「他を見てから決めます」「また今度にします」となどクロージングに至らないのは、“引き出しの少なさ”が原因です。引き出しには“商品ラインナップ”“商品の魅力を伝える方法”“お客様心理をどれだけ把握しているか”が含まれます。ここが非常に大事なのです。

自身が買い物をするときのことを思い起こせばすぐにわかる通り、お客様はこちらが売りたがっているという空気を敏感に察知します。そして、逃げ腰になります。必要なのは売ろうという意気ごみではなく、“一緒になってお客様の悩みを解消し、ニーズを満たす”というスタンス。そのためには、お客様に「私より私のことを知っている」と思わせなくてはいけません。このときに忘れがちなのが、“価値観は人それぞれ”ということ。あなたにはまったく興味のないことが、ある人にはとても大事ということはよくあります。その概念が抜けてしまうと、“安ければ買ってもらえる“という負のスパイラフに陥ってしまいます。

たくさんの人の価値観を知るために、私はこれまで100冊以上の雑誌に目を通しています。ファッションやメイクに関するものはもちろん、アイドル、鉄道、韓流スター、宝塚、動物マニアが読むものなど、ジャンルに制限はありません。

記事にあるズバリの情報が会話に出ることはまずありませんが、「こういう方はこんな問題を抱えている」「こんなものを必要としている」といった“お客様心理”を把握できます。そして、お客様の様子を観察してお客様の背景を想像し、「どのお客様心理が当てはまるか」を試してみます。接客という名の“実験”とも言えるかもしれません。

たとえば、私には子どもがいませんが、ママ雑誌を読むと「小さい子がいるとしょっちゅう抱っこで、すぐ服が汚れる」ということがわかります。30代ぐらいの女性を接客する際は、その方について何も知らなくても「子ども」というキーワードを投げかけてみるのです。「このコートであれば、小さなお子さんがいらしても安心です。汚れが目立たず、お洗濯もラクなんです」といった具合ですね。実際にその方にお子さんがいない場合はスルーされますが、いらっしゃる場合は私の言葉に反応して私の言葉や商品への関心が強まるのです。同様に、キャリアウーマン風の方には「これ1枚でキチンと感が出る」「コーディネート万能だから、忙しい方には重宝する」といった言葉を投げかけてみます。

さまざまな年齢・生活スタイル・価値観・趣味・悩み・興味をもつ人々のことを知り、悩みやニーズを想定し、それらを解消・満たし得る言葉を投げかける。そうすることでお客様は「この人は私のことをわかってくれている」と感じ、おすすめした商品を購入してくれるのです。
 

1回の売上よりもお客様との関係づくりを重視

もちろん、それでも「またにします」と言われることはあるでしょう。その際は、「お気に召した商品がなく、申し訳ございません」「来月には新商品も入荷しますので、また足をお運びください」という言葉とともに、お客様をお見送りします。お客様はきっと、次の機会に来店してくださいます。

継続的な売上のためには、1回の接客できちんとクロージングできるスキルも必要でしょうが、それ以上にお客様との関係をつくることが大事だと私は考えます。お客様の悩みやニーズを読み取れる人と読み取れない人とでは、「出てくる言葉」が違います。対応や心遣いにも大きな差が出てきます。たとえば高齢のお客様が来店された際、バッグをお持ちであれば「こちらに置いてくださいね」と言える。膝や腰が悪くては手に取りにくいであろう低い場所にある商品を、適切な位置に移動できる。お待ちいただく際は、お連れ様の分のイスもご用意できる。こうしたちょっとした気遣いや言葉がお客様の信頼につながり、「あなたから買いたい」と言っていただけるようになるのです。

“リピーターづくりのために”と、ダイレクトメールの送付やアフターフォローを徹底する場合もありますが、私はお客様から頼まれない限りは行いません。ご家族の方に内緒の買い物の場合など、かえって逆効果になることも多いからです。必要なのは、小手先の技術ではありません。「お客様の心の動きや価値観を敏感に感じ取り、細やかに対応できる人」こそが、「売れ続ける販売員」なのです。

今回お話を伺った方

橋本和恵プロフィール写真

橋本和恵さん

売れる売れる研究所代表。さまざまなメーカーで驚異的な売上を記録したカリスマ販売員として、多くのメディアにも登場する販売のプロ。どんなに売れない販売員も6ヵ月で売れる販売員に変身させる「橋本式売れる接客方程式」を編み出し、販売員研修で実践した100%の企業の売上増を実現している。

今回お話を伺った橋本和恵さんの著書


「販売は才能ではなく技術である」という信念のもと、自身の実体験(実験)に基づき導き出した“商品が売れるための法則”を紹介。わかりやすく書かれた橋本流ともいうべき法則の数々はオリジナル性にあふれ、かつ誰もが実践しやすい、販売員の方におすすめの一冊です。

 

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