動画コンテンツ隆盛の時代。ファッションブランドにとっても、世界観を伝える上で最適なツールと言えます。各ブランドそれぞれのクリエイティビティが存分に発揮された映像作品は、コレクションとはまた一味違う魅力があります。今回は特に動画コンテンツに注力しファンを魅了し続けるブランドをピックアップしました。
シャネル
プレタポルテにとどまらず、ジュエリー、時計、メイクアップ、フレグランスなど幅広いアイテムを手がけるシャネル。それぞれの部門ごとに、趣向を凝らしたムービーが豊富に揃います。これまでにもキーラ・ナイトレー、クリステン・スチュワートなどといった女優を起用しストーリー性のあるムービーを発表しているほか、ココ・シャネルの歴史を紹介するものなどもあり、クオリティと量ともに他のブランドを圧倒。あの伝説のスター、マリリン・モンローが登場する非常に貴重な映像「マリリンとシャネルの5番」は、シャネルファンのみならず多くの視聴者の関心を集め、再生回数は1,300万回を超えています。
Marilyn and N°5 (30″ version) – Inside CHANEL
https://www.youtube.com/user/CHANEL
ミュウミュウ
ミュウミュウでは、2011年から「Women’s Tale’s(女性たちの物語)」と題したショートフィルムプロジェクトを行っています。これまでに、ゾエ・カサヴェテス、ミランダ・ジュライ、河瀬直美、クロエ・セヴィニーなどが監督を務め、21世紀に生きる女性を、独自の視点で描いた作品を発表してきました。最新作「Hello Apartment」は女優のダコタ・ファニングが初となる監督を務めた作品。ある若い女性がブルックリンにある古びたアパートに引っ越してきたところから物語は始まります。大人の女性へと成長し、ここで得た経験を振り返るというもの。女性の多様な生き方を称賛するとともに、あらたな才能の発掘にも、ミュウミュウは力を入れています。
“Hello Apartment” directed by Dakota Fanning
http://www.miumiu.com/en/women_tales
ケンゾー
ケンゾーがシーズン発表するキャンペーンムービーは、アーティスティックでインパクトのあるものばかりです。これまでにもスパイク・ジョーンズやデヴィッド・リンチといった監督と映像作品を発表してきました。今シーズン(2018年春夏)のキャンペーンでは、Year Year YearsのカレンOが書き下ろした「YO ! MY SAINT」をフィーチャーしたショートムービーを公開。キャストには女優の水原希子も起用されています。楽曲の雰囲気と相まって独自の世界観を味わうことができます。
KENZO Spring-Summer 2018 “YO! MY SAINT”
https://www.youtube.com/user/kenzoparis
ステラ マッカートニー
ラグジュアリーブランドでありながら、徹底してサステナブルなものづくりを追求したり、環境保全や動物愛護に関する啓蒙活動にも積極的なステラ マッカートニー。同ブランドもいち早く動画コンテンツをウェブサイト上で発信してきました。創業者であるステラ自身のインタビューも豊富。そのほか、例えばブランドが採用するビスコース素材が作られる背景を紹介するムービー「Deforestation: a story of sustainable viscose」には、カリスマモデル、カルメン・カースを起用し、模型で作られた街の中を彼女歩くといった、ユニークな演出が光り、見る者を楽しませてくれます。
Deforestation: a story of sustainable viscose
https://www.youtube.com/user/stellamccartney1
フェンディ
SNSを駆使するなど、ミレニアル世代へのブランド訴求に注力しているフェンディ。なかでもFENDI WORLDというカテゴリー内でのキュートなキャラクター、フェンディルミとシルヴィア・フェンディがニューヨークやミラノを街に登場したユニークな映像や、人気アイテムであるスタッズやチャームなどを使ったアニメーション映像はかなり手が込んでいます。遊びごころあふれる映像の数々は、新しいファンの獲得にも貢献しています。
Fendirumi in NYC
https://www.youtube.com/user/FENDICHANNEL
ファッションブランドが手がける動画には、そのブランドが掲げる信念だけでなく、戦略やビジョン、社会に伝えたいメッセージなど、重要なキーワードがたくさん詰まっています。就職や転職活動をする際にも、ぜひ参考にしてみてください。