ファッションに特化したキャリアコンサルタントが転職活動の進め方を伝授する転職コラム。本日は誰もが気になるお金の話。「年収アップ」についてご紹介。
夏のボーナスをもらって金額に不満を抱いたという方は、ぜひ参考にしてみては?
今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
エーバルーンコンサルティング
シニアコンサルタント 宮下 智子さん
転職活動のきっかけはボーナスの支給額?
転職を考える人のきっかけの一つに、“ボーナスの支給額”が挙げられます。
6〜7月に支給された夏のボーナスが想定よりも低かったため、8月頃から転職を考え始め、10月末頃に退職し、11月〜新年に新たな会社への入社を目標に転職活動を始める……という方も少なくありません。
以前は業績が悪くてもボーナスの支給額が保証されていた、という会社も多々ありましたが、近年のボーナス支給は、業績に連動して支給額が決まる会社がほとんど。会社の業績が良ければボーナスが多くなり、悪ければボーナスが少なくなります。
なかには、【年収÷14ケ月】というように、年収に夏・冬のボーナス分が組み込まれ、12ケ月分が毎月の給与で残りの2ヶ月分を夏と冬にそれぞれ支払うという会社もあります。収入の安定を第一に求める方にとっては、この固定年収のシステムで不満はないと思います。
しかし、実績やスキルに自信のある方にとっては、会社全体の業績連動の賞与システムや固定年収のシステムは、「自分の利益貢献に対して報酬が少ない」と不満を感じられているようです。
※基本的なボーナスの算出方法
私たち転職コンサルタントのもとに相談にいらっしゃる方の多くの転職理由は「キャリアチェンジをしたい、自身のスキルアップをしたい」など、個々のライフスタイルによって千差万別ですが、「年収の不満」、つまり年収を現在よりアップさせたいと希望をよくお聞きします。ただ漠然と年収アップを希望されている方が多いのが現状です。
ではどのようにして交渉をして年収を上げるのか?収入のどの項目をアップさせるのか?
一言で年収アップと言っても実は、いろいろなアプローチ方法があります。年収アップの具体的な方法を考えずに転職に向かうのは、何の武器も持たずに敵陣に乗り込むようなもの。今回は、基礎編として「年収のどの項目をアップさせるか」について考えていきましょう。
ファッション・アパレル業界の転職活動。まずは「年収の把握」から!
転職活動は、まず現職の収入の内訳をしっかり把握することが大事です。年収は、様々な収入項目が積み重ねられて「総年収」になります。
収入内訳を把握するためのチェックポイント
- ご自身のスキルや業績に対しての評価として固定で支払われる「基本給」
- 変動的に支払われる「能力給・インセンティブ、資格手当」
- 会社の業績に応じて支払われる「賞与」
- 能力とは、別に規定時間外労働の対価として支払われる「残業代」
- その他、会社によっては、住宅手当などの各種手当
上記の項目が合算されて「年収」になります。
収入の内訳は、応募をする企業側でも必ず確認をする項目のひとつ。残業に対する考え方や住宅手当の有無は、企業によって異なります。収入の内訳項目を考慮しながら給与の交渉を行う必要があります。どの収入項目をアップさせるかによって「総収入」や交渉方法が変わってきます。
年収を把握することは面接対策にもなる
例えば、基本給が同じ住宅手当が無い会社から有る会社に転職をしたら、それだけで収入アップになりますが、逆のパターンだと収入ダウンになります。また、面接の際に収入の内訳を質問された場合、年収の内訳の答えに窮してしまうと「自分の収入内訳も把握していない方に仕事は、任せられない」と、ネガティブな印象を与えてしまう可能性も。
年収の内訳を理解することは、面接対策にもつながります。
私たち人材紹介のコンサルタントにとってもこの情報は重要。求職者の方の収入の内訳を教えてもらうことで、初めて実際にどの程度の年収のアップが可能なのかをお知らせすることができ、より具体的に転職活動をサポートしていけるのです。
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