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消費者とブランドをつなぐ架け橋 ファッションレンタルサービス「エアークローゼット」の取り組み|天沼 聰 代表取締役CEOインタビュー

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新しい“あたりまえ”をつくろう、をミッションに掲げ、これまでにない新しいファッションとの出会いを提供するファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」。月額制で期限なく何度も新しい洋服との出会いが楽しめるサービスで多くのユーザーからの支持を集めています。商品を選ぶプロのスタイリスト達にとっても、“新しい働き方”ができる企業として、いま注目されています。

今回、株式会社エアークローゼットの天沼聰代表取締役CEOにファッションレンタルサービスが今後この業界にどのような変化をもたらすのか、お話をお聞きしました。

ファッションレンタルサービスとしての業界における立ち位置とは?

−現在の御社のファッション業界における立ち位置とは?

僕らはもともとファッションレンタルサービスを始めたいと思ってスタートしたわけではなく、消費者に対し「新しい洋服との出会い方」を伝えたくて、エアークローゼットのサービスをスタートしました。いまでは、“ファッションレンタルプラットフォーム”と呼ばれるようになり、300以上のブランドと消費者の新たな架け橋として出会いをつくる立ち位置にいます。

−ブランドからの反応は最初どうでした?

これまでファッション業界におけるレンタルサービスは、ドレスなど一部ではありましたが、エアークローゼットのような普段着にフォーカスしたサービスはありませんでした。参入するにあたって気をつけたのは、ブランディングを守るということです。届いたお客様にブランド名がわかることはとても良いことですが、僕らがマーケティングに効果的だからといってブランド名を開示するのは違うと思ったんです。ブランディングに対するリスクは僕らが請け負うべきですから、今でもあえてブランド名は非開示にしています。

−そんななか、先日ビームスとのコラボレーションもされました。

ビームスの「カロリナグレイサー」というオンライン限定のブランドとコラボレーションし、試着キャンペーンを行いました。オンライン限定のブランドを実店舗のように試して購入できるプラットフォームを探しているビームスから、レンタルサービスのノウハウを持つ僕らに声をかけてもらったのがきっかけです。結果、ブランドだけでは繋がることができなかった消費者との出会いをつくることができたのは良かったですね。

これまでにも、エイベックスのアーティスト「Every Little Thing」とのコラボレーションや、4月にはガールズアワードに出展しました。こうしたコラボレーションは、SNS上でもとても反響があります。しかし、常に考えているのは目的がコラボレーションをすることではないということ。コラボレーションの目的は、お客様にもっとワクワクを届けるための一つの手段として行なっています。

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スタイリストのキャリアの築き方を変えたい

−IT業界出身の天沼社長からみて、創業当時ファッション業界にどんな印象を得ましたか?

歴史上、小売が中心のファッション業界に突然ECが出てきた背景があるので、新しいものに対する心理的なネガティブ感はあったと思います。ITは手段の一つで、敵視するものではないのに、どうしても初めはイメージが先行してしまう部分がありましたね。「店舗とEC」とよく言われますが、どちらも本来はお客様から見れば同じ売り場ですから、業界全体として見ていく必要があると思います。また、ファッション業界の方は熱量がある方が非常に多く、こちらが熱く思いを伝えれば返してくれる、そんな温かみがある業界だと感じました。

−スタイリストが選ぶレンタルサービスはどのようにして行き着いたのですか?

IT業界からファッション業界を見たとき、スタイリストについてや業界全体に素晴らしい土台が作られていると感じました。その反面、もっとスタイリストとしての仕事の幅やキャリアの築き方がもっと多様であるべきでは、と思ったんです。そして、消費者が見るスタイリストに対するイメージもスポットライトの当て方を変えるだけで大きく変わるのではないかと。また、マタニティー期に入ったスタイリストの方が仕事を諦めるのではなく働き続けられる、業界に対しての新しい価値づくりができるのではないかと考えました。

−ファッション業界には女性が多く働いていて、スタイリスト業は比較的体力勝負のようなところがありますよね。

エアークローゼットは、空いている時間を使ってスタイリングができたり、これまでパーソナルスタイリストとしてのキャリアがない方でも新しいスキルが身につけられる新しい職場です。スタイリストは必ずしも、大きいスタイリストバッグをずっと持たなければならない訳ではないと思います。今ではリモートで働く方が全国にいて、海外から働きたいという要望も多くいただいたり、雇用の広がりを感じています。スタイリストの仕事は、消費者にとって新しい洋服と出会っていただくためのコアの部分なので、こういう新しい働き方を発信していきたいですね。

ファッション×IT企業が考える業界のビジョン

−ファッション×IT企業として今後のチャレンジは?

ファッションとITという観点では、今後消費者の評価をビッグデータ化して、アパレル企業が企画生産をするためのインプット情報として提供できるのではないかと考えています。どうしてもこれまでがアナログ中心だった業界なので、色々な情報が垂れ流しになっていました。そういった情報収集から提供までをITの力で担保していきたいですね。また、人工知能に関して複数の会社と今話を進めているところですが、商品の選定なども将来的には人工知能を利活用していきたいと考えています。

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−これから御社では、どのような人材を求めますか?

僕らのようなスタートアップ企業はファッション業界において少ないと思います。劇的に日々変化していく組織の中に自分のキャリアを置き、新たな市場を作っていく気概がある人と一緒に働きたいですね。小売中心の市場の中でファッションレンタルサービスという新たな市場をゼロからつくる仕事はある種のタイミングだと思います。社員のバックグラウンドも多様でチャレンジできる環境が整っているので、業界問わずチャレンジ精神を持つ人材を求めています。

−ユニークな企業文化は?

メンバー全員が信頼しきった関係をつくりたいので、常に文化は築いていきたいです。ユニークな文化で言うと、ニックネーム制度や、帰り際に全員と握手して帰ることなどでしょうか。握手の風習は、創業時から僕が好きでやっていて、それが単純に今でも続いています。入社したばかりの人は変だと思う人が大半で(笑)、それでも意外とやってみると握手をきっかけに必ず一言交わして帰るんですよね。会社が成長していくなかで、これがずっと続くかどうかは分かりませんが、やめてしまうのではなく、形を変えて継承していくことが大切だと感じています。

−これからのビジョンを聞かせてください。

ファッションレンタルサービスとして今後やりたいことは、自由なファッションをもっと消費者に楽しんでもらいたいということ。計画としては、2020年に登録会員を17万人超えることを目標にしています。また、海外での日本のファッション文化を浸透させるためも、アイテムだけではなく、アイテムとスタイリングを一緒に発信するプラットフォームとして、海外進出に向けたビジョンも持っています。

−ありがとうございました!

消費者とブランドをつなぐ架け橋として新たな出会いを提供するエアークローゼット。これまでになかったサービスは、消費者とブランドの繋がりを生むだけではなく、ファッション業界での新しい働き方まで提案しているようです。人工知能やビッグデータ活用など、これまでにない業界の新たなプラットフォームとして成長するエアークローゼットの取り組みに今後も期待は高まります。

(Interview&Text / Fashion HR編集部)

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