snow peak(スノーピーク)のインタビュー

INTERVIEWインタビュー

「やりたいことができる環境がある会社です」

(株)スノーピーク 国内営業本部 小売部 シニアマネージャー
 青栁克紀さん

青栁克紀さん

(株)スノーピーク 国内営業本部 小売部 シニアマネージャー

山を愛した創業者の山井幸雄氏が、「本当に欲しいものは自分でつくる」と立ち上げたスノーピーク。徹底的にユーザー目線に立ち「まだない」ものを作り続け、いまでは日本を代表する世界的アウトドア・ブランドにまで成長。新潟県三条市の山あいにあるHeadquartersにはオフィス・店舗・工場とともに、広大な敷地のオートキャンプ場も併設。常にユーザーの近くにあろうという姿勢が、今日も新たなギアを産みだす原動力になっています。

そんなスノーピークがいま力を注いでいるジャンルがアパレル。一見、畑違いと思われるジャンルかもしれませんが、そこにはきっと「まだない」ものが隠されているはずです。

2008年に店舗スタッフとして中途採用されたのち実績を積み重ね、念願だった店づくりを任せられるまでになったシニアマネージャーの青栁さんにお話をお聞きしました。

本気で働きたいと思える会社にチャレンジ

-スノーピークは新潟県三条市に本社があります。青柳さんはもともと新潟との縁があったのですか?入社の動機と経緯を教えて下さい。

僕の出身は群馬です。自分が本気で働きたいと思う会社に勤めたいと思っていた頃、昔から好きだったアウトドアの会社を目指してみようと決めたのがきっかけです。

スノーピークには以前から興味を持っていて、カタログの世界観が大好きでしたし、改めてホームページを見たら企業理念が書いてあって、ミッションステートメントに「自然志向のライフスタイルを提案し実現する」という一文と、「少数精鋭でミッションをこなしていく」というのがあって、それに惹かれて応募しました。

-経験がないところから入社して、最初の勤務先と、任された仕事は何でしたか。

ちょうどその頃、スノーピークは出店攻勢をかけていて、10店舗ぐらいが一気にオープンした時期でした。多くはインストアという形態で、店舗にスタッフが配置されるというスタイル。僕は群馬の伊勢崎に配属されましたが、先輩たちに教えてもらうのはもちろん、当時から社長とも凄く距離が近かったので、わからない事は直接社長に聞いたりもしました(笑)。

当時のスノーピークは80人くらいの会社でしたし、そういう風土がありましたね。あとは好きなようにやらせてもらって。店舗については何が正解というのもなく、やるべきことが決まっているということもなかったので、本当に自分で一から開拓していくような。ただ基本は、各自がお客様のために何をやったら良いのかを考え、それを実現していくということでした。

店舗スタッフからシニアマネージャーへの道

―青柳さんは店舗スタッフとして入社し、店舗の責任者になり、いまは東京を拠点に全店舗を見るシニアマネージャーという立場にあります。そういう昇進できるような環境がスノーピークにはあるのですね。

そうですね。やりたいことができる環境はあると思います。僕は入社したときは実は販売促進希望だったんですよ。募集時の業務内容に「店舗も作れる人」っていうのがあったので。僕はモノというより、どちらかというと空間を作りたかったんです。店舗作りがやってみたいという気持ちがあったのと、スノーピークはカタログがすごく素敵なのですが、実際に店舗を見たときのイメージがカタログの世界観と一致しないなと感じていました。それを一致させたかった。結果として店舗勤務からのスタートでしたが、そこは独学で覚えて。今ではお店を作れる立場になりました。

-キャリアを積み上げるなかで、大きな転機というのはありましたか。

群馬から二子玉川に移動になったのが大きかったですね。二子玉川は規模からすると群馬とは比較にならないくらいボリュームのある直営店です。お客様の層も富裕層が多くいらっしゃる。

今だから言えることですが、当時は会社の求める数字に全然追いついていなかったんです。そこで、自分の強みだと思っていた売り場作りを徹底しました。毎月、全然違う店になるくらい変えましたね。接客に関しても、二子玉川は百貨店の施設内ということもあり、それに相応しい接客というのを学びました。

けれど、一番教えてくれたのはお客様ですね。「なんでこのお客様はふらっと入ってすぐに出て行ってしまうのだろう」。すごく気になって、いろいろリサーチしました。お客様に直接聞いたりもして改善を繰り返していった結果、ある程度軌道に乗せることはできました。

その段階で、みなとみらい店も兼任するようになりました。こちらもまだ成長過程の店舗でしたが、二子玉川の経験があったのでそこまで苦労しませんでした。ただ違うのは、休日にすごくたくさんのお客様がいらっしゃること。新規のお客様がたくさん取れるという利点もありますが、逆に一見さんというか、回遊されているお客様をどう新規顧客として囲い込んでいくかというところだけをしっかりと押さえました。会員さんになってもらえれば、後はステップアップしてもらえるように提案して行くだけなので。その後の店舗開発では昭島、武蔵小杉、今年ニューオープンした海老名にも携わらせてもらいました。

今は店頭に立つことはほとんどなく、新店開発と今まで作ってきたお店のマネージメントが主な業務になっています。

男のロマンとロジカル思考の両輪で動く企業

-自分がやりたかったことがこの会社では実現できる。

それは常に社長とか上層部の方にアピールしていたからですか?それとも、結果や実績がつながったという感じですか?

そうですね、「こういう仕事が好きです」と伝えたことはあります。当社は社長との距離が近いので、キャンプイベントなどで一緒になった時には、夜、お酒を飲みながらざっくばらんにお話しすることもあります。

-社長はどんな方ですか。

当社の過去の実績より、どちらかというと目は常に先に行っている。未来に向けて、どういうスノーピークを作っていくかという事に常に気持ちが向かっているので、すごく夢が見られますね。

社長のすごいところは、男のロマン的志向と、ロジカルな思考の両方を持っているところです。僕らが勢いで夢を語ったりすると、いや、それはロジカルに考えてどうなんだ、と。だからといってロジカルだけで言っても何も反応してくれません。

-多分それは情熱と言うものに対してビジネスのロジックが合わさっているということなんでしょうね。

スタッフから入社した人がシニアマネージャーになるというフィールドも用意されていますから、働く人にとってはいろいろな可能性がありそうです。

そうですね。ジョブローテーションは多いと思います。その分、抜擢も多いと言えます。けれど、一度役職を上げたからといって、それでおしまいというわけではなく、もちろん着任後の評価も継続して正当に行われますので、現状に胡座をかいていれば降格となるケースも。一度の評価がそのまま残るわけではなく、後にまた同じポジションに戻ってくることも稀ではありません。

一見安定しないように見えるけれど、そこにはすごく良い意味での競争や成長があって、失敗を恐れることなくチャレンジできる環境がある。だから常にやりがいが感じられます。

スノーピークの「アパレル」とは

-スノーピークといえばアウトドア・ギアのイメージが強いのですが、新しいみなとみらいの店舗では20%以上をアパレルに割いています。やはりお客へのアプローチという部分では変化も出てきますか?

スノーピークでいま一番力を入れているのがアパレルです。スノーピークのアウトドア・ギアは欲しいと思っていらっしゃるお客様が、自ら声を掛けてくれるケースが多いのですが、アパレルは違います。数多くあるショップの中から、当ブランドを選んでいただかなくてはならない。まだまだスノーピークのアパレルの認知は低いと思います。商品の魅力を知ってもらうためにも自分たちから声をかけなくてはいけない。その違いはあると思います。

-商品の説明というと、機能性、デザイン、もしくはコーディネートの提案ということでしょうか。

コーディネートはもちろんですが、私たちスノーピークはモノ作りに力を入れている会社で、モノ作りへの真摯な姿勢でお客様と向かい合い、ブランドを作ってきた会社です。そういう意味ではモノの良さというか、これを使って何をして欲しいか、何をしたら楽しいのかというイメージを伝えることが大切になります。

例えばここに難燃性のフリースがあります。焚き火にあたっても燃えにくい。ライターの火を20秒あてても燃えない。でもそれは機能の説明で、それだけを伝えてもダメです。もっとイメージを膨らませてあげないと。例えば、これを着て焚き火にあたりながら満点の星空があったらとても素敵な時間が過ごせますよね、とか。いわゆるシーンの提案です。

モノの良さの紹介とシーンの提案、その両方をできるというのはスノーピークでしかできないことで、それをできるようになることが大切だと思います。

 

ロマンは夢、ロジック(理論)はいうなれば現実。ロマンとロジックは常に対立するものと考えがちですが、両者がかみ合ったとき、そこにはリアルに「夢のような」ものが生まれてきます。26歳にして本気でやりたいことにトライした青栁さん。ご本人が思い描いていた理想を、着実に現実のものへと変えていったストーリーをお聞きしていると、そこにもロマンとロジックの絡み合いが見えるようでした。思っているだけでは何も変わりません。けれど思い続けることは、きっと何かを変える力になるのでしょう。

 

 

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