VULCANIZE London(ヴァルカナイズ ロンドン)のインタビュー

INTERVIEWインタビュー

「自分がこうなりたい、という熱意にチャンスをくれる会社だと思います」

BLBG リテイル事業部 「ヴァルカナイズ・ロンドン」セールスマネージャー 齋藤 秀明さん

齋藤 秀明さん

BLBG リテイル事業部 「ヴァルカナイズ・ロンドン」セールスマネージャー

2009年、ロンドンの上質なライフスタイルを支える英国ショッピング・アーケードのコンセプトを導入し、東京・南青山に誕生したヴァルカナイズ・ロンドン。ファッションアイテムはもちろん、トラベルケースやステーショナリー、コスメなど英国王室御用達の老舗ブランドから最旬デザイナーまで約30もの英国ブランドが一堂に揃う店内では、英国の今を体現する“モダンブリティッシュ・ラグジュアリー”をワンストップで楽しめます。“ヴァルカナイズ”とは、アイコンブランドのグローブ・トロッターでも採用されているヴァルカナイズド製法の「(異素材同士を)圧着させる」という意味に由来し、日本と英国、人とものを結びつけるという願いも込められているそうです。

ヴァルカナイズ・ロンドンを運営する英国専門商社、BLBG株式会社(以下BLBG)でセールスマネージャーを務める齋藤さんに、BLBGだからこそ実現できたユニークなご自身のキャリアストーリー、英国の今を伝える仕事の醍醐味などについて伺いました。

英国のアーケード文化を体現するヴァルカナイズ・ロンドン

―ヴァルカナイズ・ロンドンの歴史を教えてください。

2002年10月、青山・骨董通りにヴァルカナイズという英国ブランドの複合ショップとしてオープンし、当時はグローブ・トロッターやマッキントッシュを主に扱っていました。6年前より英国のショッピング・アーケードのコンセプトを軸に、今のロンドンの魅力を発信できる基地として英国ブランドを一堂に集結し、同じく青山に「ヴァルカナイズ・ロンドン」としての旗艦店をオープンしました。

―ショップのコンセプトとは?

英国にはもともとアーケード文化というものがあり、上質なライフスタイルをコンセプトにした個性の際立ったお店が軒を連ねているんです。従来の日本のセレクトショップというよりは、そういったアーケードを凝縮したようなショップにしたい、というのがコンセプトです。グローブ・トロッターやフォックス・アンブレラを中心に、お取り扱いしている英国ブランドは30~40になるかと思いますが、青山の旗艦店ではすべてのブランドを網羅しています。

英国製品の魅力は少しずつ自分のものになっていき、長く愛用できること

―青山店では、ディスプレイでも英国の文化を全面的にプッシュしていますよね。

ヴァルカナイズ・ロンドンを運営する弊社、BLBG自体が英国に特化した商社でありたいという思いがあるので、ものを売るだけではなく商品のストーリー、英国の歴史を伝え、文化の架け橋になれたらと考えています。ファッションだけでなく英国の今、そしてライフスタイルもお伝えしていきたいので、その一環として青山店にはカフェを併設しています。

―英国ファッションの魅力はどんな点にあると考えていますか?

特にメンズに関しては、インポートをお好きな方はイタリアから入ることが多いのですが、ベーシックへの回帰として英国ブランドを選ばれる方が多い印象です。構築的なスーツやコートなど、英国にはメンズファッションの原点があるのですが、一方で自分のものになるのに時間がかかったりもするんです。ただ、着込んで育てあげていくことで自分だけのものになるので、それも魅力ですね。

獣医からショップ運営を経て、トランクや傘のリペア職人へ

―齋藤さんは非常にユニークな経歴をお持ちなんですよね。

大学時代には獣医学を学び、その後は動物病院で獣医として働いていました。その後、アンティークや洋服を扱うショップを共同経営し、2008年にグローブ・トロッターとフォックス・アンブレラのリペア職人としてBLBGに入社しました。

―ファッションを扱うショップというワンクッションがありつつも、異業種、しかも獣医からリペア職人への道を選ばれたのはなぜですか?

大学時代からファッションは好きだったので、やりたいことにチャレンジしたいという思いでショップを運営することにしたのですが、 なぜヨーロッパの製品は価格が高くても納得して購入していただけるのか、ものづくりや商品についてもっと知りたいと思うようになり、販売よりも商品自体を扱う職に興味を持つようになりました。そんな時にBLBGのリペア職人募集を見つけ、未経験ながら飛びつくように応募したんです。とはいえ、実は一度、最終面接で落ちているのですが(笑)。

転職活動を進めるうち自分が本当にやりたいことがあぶり出されてきた

―一度落ちて、その後採用されたんですか!?並々ならぬやる気ですね。

実は不採用が決まった時に会社宛に手紙を書いたのですが、転職活動のステップが進んでいくと、会社の中枢にいる方にもお会いしますよね。情熱をもって仕事をしている方々にお会いすることで、自分が本当にその仕事をしたいのかどうかがあぶり出されてくるんです。弊社の面接を受けた時、自分のやりたいことはこれだった、と素直に思えたので、お礼の意味も込めて手紙を書いておきたかったのですが、その後改めて会社から連絡をもらいました。

―そのくらい、BLBGは齊藤さんにとってインパクトがあったんですね。

それから一般的に、リペア職人の応募条件として実務経験が必須になると思いますが、弊社の場合はやる気や人間性を重視しているように思えたので、そこにも惹かれましたね。

―とはいえ、入社後はやはり苦労もされたのではないでしょうか。

リペアの仕事って、実は前々職の獣医のやりがいにも近いものがあると思っていて、それは調子の悪いものを正常に戻し、人に喜んでいただくことなんです。その思いを持ってリペア職人として3年勤務しました。また、リペアサービスでは入社半年から一年ほど経ったところで、本国のグローブ・トロッターのファクトリーに修行に行かせてもらえるのですが、宿の予約から工場にたどり着くまで全て自分でブッキングしなければならないので、リペアの能力だけではなく、異文化に自分から積極的に入っていく姿勢も必要とされるのだなと思いました。 

リペア担当からショップマネージャー、そしてセールスマネージャーへ

―その後のキャリアについても教えてください。

その後はヴァルカナイズ・ロンドン青山店のショップマネージャーとして店頭に立つようになりました。かつて青山店の一角にはガラス越しにリペアの様子を見られる工房があり、私もそこに籍を置いていたのですが、そうするとやはりお客様と接する機会が増えるんですよね。トロッターのオーナーの方とお話ししながらリペアを進めていくことは、獣医の問診にどこか似ていますし、入社以前のショップ運営で接客経験もあったので、お引き受けすることにしました。しかし、リペア職として働いていた自分を青山店のショップマネージャー職に抜擢しようと考えた会社の思い切りや観察力にも正直驚きもしました。現在は、お客様にもっと喜んでいただくこと、ヴァルカナイズ・ロンドンらしさをもっと打ち出すこと、それらをサポートするセールスプロモーションの仕事を中心にやっています。

―最後に、Fashion HRユーザーに向けてメッセージをお願いします。

弊社では新卒採用はしていないので、20万円のトラベルケースの価値を素直にお伝えして売ることのできる即戦力を求めています。とはいえ、英国にまつわる知識や高級品を扱っていた経験に固執しているわけではなく、ご自身のアピールポイントと弊社の姿勢にクロスする部分があれば、それは十分チャンスになると思います。面接でも必ず「あなたの夢は何ですか?」とお訊ねしますが、自分がこうなりたい、という熱意に対してそれを生かせるチャンスの多い会社だと思うので、夢をあきらめず、この会社にいながら叶えていきたいという情熱のある人と一緒に働きたいですね。

BLBG リテイル事業部 「ヴァルカナイズ・ロンドン」セールスマネージャー 齋藤 秀明さん

 

獣医からファッション業界に飛び込み、トラベルケースや傘のリペア職人、ショップマネージャーを経てセールスマネージャーへ。異色の経歴の持ち主ながら、BLBGのリーティングプレイヤーとして活躍する齋藤さん。熱い思いや夢を共有できる会社との出合いが、今の彼を形作っているのかもしれません。

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