ISAIA(イザイア)のインタビュー
INTERVIEWインタビュー
最先端の技術と伝統的な仕立技術を融合した“コンテンポラリートラディッション”の哲学と“メイドインナポリ”のコンセプトを基に、トータルルックのアイテムを生産し多くの顧客を魅了し続けている「ISAIA(イザイア)」。 テーラードブランドとして世界中で注目されるイザイアは昨年日本に初の旗艦店をオープンし、日本での更なる拡大に向けて躍進しています。
今回は、日本で初となるイザイアの直営店、ミッドタウン東京店でマネージャーを務める市瀬 晃央さんにインタビュー。ブランドの歩みやイザイアジャパンの魅力についてお伺いしました。
ホールセール中心のビジネスからトータルウェアブランド「イザイア」の確立まで
−まずはイザイアというブランドについてお聞かせください。
イザイアの歴史は、初代エンリコ イザイアが1920年代初めに優れた衣類を作るためナポリに小さな服地屋を開店し、その隣にスーツを仕立てる技巧を習得するための小さな作業場をその隣に開設したところからはじまります。1957年にナポリ・カサルヌオーヴォという住民の半分がプロのテーラーという小さな町で創業し、2代目のエンリコがコラッド、ロザリオの2人の弟と伴にイザイアのビジネスを本格的にスタートさせました。
日本でブランドが流通するようになったのは約30年前です。当時はハイブランドを取り扱うセレクトショップのみでの取り扱いでした。もともとは有名ブランドの製品を仕立てる、いわゆるファクトリーブランドとして生計を立てていましたが、今から8年前にジャパン社ができた頃から世界中でブランドの認知が高まり、現在は自社ブランドのみを展開するまで発展しました。
−ジャパン社はいつ頃できたのですか?
2008年12月に株式会社SDIの代表 藤枝大嗣がジャパン社の社長に就任し、株式会社イザイアジャパンとして設立しました。ブランドの象徴となるモチーフとして“赤”が使われるようになったのもちょうどその頃からです。僕が入社したのは2009年でしたが、その頃からブランドは大きく飛躍しました。
当初は海外においてもホールセール中心のブランドビジネスを展開していましたが、2009年にミラノの直営店をオープンしてから、2014年にはカプリ島、2015年にはロス、ニューヨーク、東京の3店舗、今年は北京にもオープンして、世界で6店舗の直営店を運営しています。
−まさに幸運を呼ぶ“赤”ですね。東京ミッドタウン店もイメージカラーの赤が際立っています。
内装も赤いシャンデリアや赤いピアノなど、ブランドを象徴する赤で統一されています。イザイアのジャケットには象徴的な赤珊瑚のモチーフが飾られています。昔、ナポリ近郊で赤珊瑚がよく採れたそうなんです。イタリアには赤唐辛子やピエロなど、他にも色々な赤いラッキーチャームが存在するんですよ。
−イタリアはもちろん、海外の認知も高いイザイアですが、東京でも海外の方は多くいらっしゃいますか?
そうですね。海外のお客様はかなり多いです。しかもアジアの方より欧米の方が多く、リッツカールトンホテルも近いので、普段イタリアやアメリカで買ってくださっている方が、ビジネスで日本に来たタイミングで立ち寄ってくださることも多いですね。
−ブランドはPRの仕方もユニークだそうですね。
他にはない独自のアプローチをしています。最近ではオリジナルの映画もつくったりしているんです。世界でイザイアがどう大きくなっていったかを、警官役の女優さんが本物の社員に聞き込みをするというユニークな演出で、女優さん以外は本国の社員が出演しています。実はうちの代表も出演しているんですよ(笑)。
第一印象や最初の接客が最高のパフォーマンスをつくる
−市瀬さんご自身がイザイアで働くきっかけについてお聞かせください。
国内ブランドやインポートブランドなど、これまで様々なブランドで働いてきました。前職のヨーロッパのテーラードブランドではマネージャー兼MD、バイヤーをしていました。今までも著名なブランドというよりかは、本質を追求しているようなブランドが好きで、自分の手で広めていく仕事にやりがいを感じるタイプでした。イザイアというブランドは昔から知っていて、商品も好きでいくつか持っていましたので、話をいただいた時は迷うことなく自然な流れで入社を決めました。
−テーラードブランドで働く上で必要なスキルは何でしょうか?
細かいディテールに関する知識や技術はもちろん大切ですが、それ以上にその知識をいかにお客様に嫌味なくお伝えできるかが重要なポイントです。メードトゥメジャーは常に100%のパフォーマンスができなければならないですし、1発勝負には違いありません。でもそういう場面でも、第一印象や一番最初の接客があとあとになってすごく大事だったりするのです。だから、お客様がどういう着こなしをしたいのかを瞬時に想像できるスキルも必要ですし、そのためには雑誌やネットで見ているだけではなく実際に現物を見て、着てみてどうだったか、それを言葉にすることが働く上で一番大切なことだと思います。
−今回、来年オープンする新店舗のスタッフを募集されるそうですね。
今回募集するポジションも、新しく都内にできる店舗のオープニングスタッフです。僕が入社した当時は、まだ店舗がないなか、ホールセールと百貨店のコーナーのみの展開でしたが、こうして店舗が増えていくことによってブランドの認知がどんどん広まっているなと実感できます。
−応募にあたり、どんな人材を求めますか?
イザイアジャパンはすごくコンパクトな会社です。その分個人のやる仕事の内容も一般的な販売員の仕事に比べると非常にやりがいがあります。全くの未経験だと厳しいかもしれませんが、一方ベテランで「自分のやり方はこう」と決まった方が欲しいわけではありません。意欲と向上心があって、どういう風に自分を成長させていきたいかという意志をはっきり持っている人がマッチすると思います。
社員全員にチャンスを与えてくれる環境なので、自分でこれがやりたい、あれがやりたいと言える人材を求めています。 社内は基本的にやりたいことはやりましょうというスタンスなので、自ら手をあげる人が活躍できるのではないでしょうか。
スタッフは全員イタリア出張に。“ブランドを愛してほしい”という会社の想い
−英語スキルは必要ですか?
もちろん接客でコミュニケーションできる方が良いですが、ビジネスコミュニケーションができる方はさらに買い付けなど、販売以外の可能性も広がります。募集要項には販売経験3年以上と書いていますが、ホテルなど高いサービス経験のある方などアパレル出身でなくてもファッションが好きで、新たなチャレンジがしたい方も良いかもしれません。
−イザイアで働くことで得られることとは?
東京ミッドタウン店のスタッフは、僕以外全員昨年のオープニングで入社したのですが、もう既に全員イタリアに行っています。代表の藤枝も僕も、働くスタッフには現地に行き、目で見て肌で感じてブランドを愛してほしい、という共通の考えを持っています。ミラノのショールームで行われる発注業務やイベントへの参加、また毎回ではないですが、ナポリ本社のファクトリーで実際に商品がつくられていく工程を見ることができるので、普通に働いているだけでは出会うことのない知識や経験を得ることができます。
商品知識はもちろんですが、発注に関しても必ず全員が関わるようにしていたり、素材の勉強会やオーダーの勉強会を定期的に行うなど、チームでの動きも多いです。また、年に2回イタリアのテーラーが来日するオーダー会があるのですが、出張以外にこうしたイベントを通じて定期的に本国とのコミュニケーションがとれるという魅力もあります。
−最後に応募者の方へメッセージをお願いします。
基本はファッションというところでイザイアを選んでくれることが一番ですが、 さらに自分の可能性を試してみたい、チャレンジしてみたいという方にはもってこいの会社だと思います。 僕ももともと国内ブランド出身ですが、同じように国内ブランドでやっていて「もっと違う世界に飛び込んでみたい」という方にはぜひ挑戦してほしいです。 仕事に対する意欲と情熱を持った方のご応募お待ちしています!
本質を追求するブランドでありながら、働く人が枠にとらわれることなく邁進できるブランドはファッション業界においても貴重な存在です。ブランドの成長を牽引されている市瀬さんのお話からは、未来の確実な成長を感じることができました。これまでのキャリアに、より一層の磨きをかけたいという方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。