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【部下・後輩の指導法】言い方ひとつで変わる育成ポイントとは

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キャリアを重ねてきた人が避けて通れない仕事の一つが、部下や後輩のケアです。与えられたことに打ち込めばよかった新人時代と違い、自分の仕事をこなしながら部下の面倒をみる、というのは決して楽なことではありません。
しかも年齢が違えば、育ったカルチャーはもちろん考え方も違います。「もし私なら、上司にこう言われればすぐやると思うのに、なぜあの子はやる気をみせないんだろう……」など、悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、10代・20代の若い部下や後輩のモチベーションをあげる声かけのポイントを振り返ってみます。

まずは基本のステップをおさえよう

① 指導の内容は、できるだけ具体的に

忙しいときにモタモタしている様子を見ると、つい「もっとちゃんとやってくれる?」「そこは意識してやって」などと言ってしまいがちです。しかしよく考えると「ちゃんとやる」「意識する」という言葉の意図するところは、非常にわかりづらいものです。そのうえ「怒られた!」という萎縮の気持ちが加わると、部下たちは慌てたり落ち込んだりで、わからないことへの質問もできず、さらに動きが固くなってしまうことも考えられます。

そもそも部下や後輩に対し「ちゃんとできてないな」と思うということは、教える側が伝えきれていない可能性も否めません。指示や指導をするときは、できるだけ漠然とした言い方は避けて
「商品をストック棚に入れるときは、商品タグが表から見えるようにしてから置いてね」
「お客様がご来店されたら、作業が途中でも手を止めて声をかけてほしいの」
など、求めることを具体的に伝えると、求められている「ちゃんとした状態」が何なのか理解でき、意思の疎通がスムーズになります。しいてはお互いに仕事がやりやすくなるのです。

② なぜその指導をしているのか、理由を伝える

具体的な指導が実って、言われたとおりに作業をこなせるようになっても、部下や後輩が自分で考え、自分で問題解決や状況改善していく力を伸ばさなければ、上司は永遠に細かい指示を出し続けなければいけなくなります。そのまま放置すると、部下も細かく言われることに慣れてしまい「それは言われていないので、やりませんでした」という指示待ちの姿勢になる原因に。

指示や指導をするときは、面倒でも必ず理由を一緒に伝えましょう。
「商品をストック棚に入れるときは、商品タグが表から見えるようにしてから置いてね。そうすると、ストックから求めるサイズを探すときに楽になるからだよ」
などと話せば、「何のためにその作業をしているのか」という意識が芽生えます。この場合だと「誰もが使いやすいようにすることが必要なんだ」「できるだけお客様をお待たせしないようにしているのだな」などの気づきにつながりやすくなります。こういう考え方ができるようになると、他の作業を行うときも「どうすれば使いやすいか」「どうすればお客様をお待たせしないのか」という発想が身についていき、より仕事が自分のものになっていきます。

③ 「反復」と「褒め」をセットにする

指示や指導をし、その理由を伝えた後は、時間の許すかぎり目の前で実践してもらいましょう。求めるようにできていたら、理解してくれている証拠です。その場合「上手にできているね」など「褒め」で指導を終わらせるようにすると自信につながり、モチベーションが上がりやすくなります。また、もし求めるようにできていなかった場合でも、反復することで理解不足に気づきやすくなり、すぐフォローアップができます。

④ 言葉での反復でも効果アリ

なかには「スタッフとお客様との間にトラブルがあった」など、再現して反復しようにもしづらい指導もあるはずです。その場合も対策は本質的に同じ。
「さっきお客様が入ってきたけど、あなたは事務作業の手を止めずに黙っていたでしょう。これからはお客様がご来店されたら、作業が途中でも手を止めて声をかけてほしいの。そうでないと、お客様は大切にされていないと感じて居心地が悪くなってしまうから」
などと、指導の内容を具体的に説明します。

次は行動ではなく言葉で反復してもらいましょう。
「じゃあ今私が伝えた『作業中でも手を止めて声をかけてほしい』といった理由を自分の言葉で説明してみてくれる?」
と聞くと、理解をしていれば主旨にあった説明が戻ってくるはずです。キチンと言えたら
「わかってくれたね、ありがとう。じゃあ次回からよろしくね」
とポジティブに背中を押すことを忘れずに。

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効果を上げるための配慮も大切

小さな心のつながりが、声を届かせる土台に

上司は、部下を一人前にする責任があるため、あたりまえですがキチンと指導しようとして、時に厳しくなりがちです。しかし残念ながら、10代・20代の若い部下たちにとって「厳しさ」や「怖さ」からのアプローチは萎縮こそすれど、やる気の源になるかというと疑問です。

学生なら部活動に入るのがあたりまえ、という時代はとうに終わり、ご近所づきあいもほとんどありません。家族や親戚、学校以外で、年齢や立場が違う人たちとコミュニケーションをとる機会をほとんど持たないまま社会人になり、それまでは同世代を中心とした横の繋がりしか知らない人が多いこの世代にとって、「上司・年長」というだけで怖いものですし、そこから降りてくるプレッシャーは私たちの想像以上です。

しかしそれを逆手にとって考えると、「社員としてがんばらなければ」という義務感や上昇欲よりも、「この人のためにがんばってみよう」という心のつながりのほうがモチベーションにつなげやすい世代、とも言えます。友だちのように仲よくなれ、とは言いませんが、指導をする立場になった部下たちとは、仕事とは関係ない雑談を楽しくできるくらいの関係性は築いておきましょう。プライベートを重んじたり、お酒を飲まなかったりする人も多いため、いきなり仕事後の食事に誘うよりも、タイミングを合わせて一緒に休憩をとるくらいの距離感がおすすめです。

口調はゆっくりと、穏やかな表情で

予算達成の目標を抱えているなど、上司や店長はスタッフよりも責任が重い立場。時としてその責任が表情にも表れて、知らないうちに険しい顔、厳しい口調になっていたりすることも。若いうちからSNSやLINEで友だちといつも繋がりつづけている10代・20代は、状況は読めなくても空気を読むことには長けています。もしわからなくて不安な事柄があっても、機嫌の悪そうな上司には近寄りづらさを感じて相談すらできず、かえって問題を大きくしてしまう可能性があります。

失敗を指摘するなど、厳しい話をしなければいけないときこそ、怒りを前面に出さず、ゆっくりとした口調で穏やかに伝えると「話の中身」が届きやすくなります。

部下・後輩への、伝え方の具体例

①仕事でミスをした場合

仕事をしていれば、誰にでもミスはあるものですが、すぐに気持ちを切り替えられる人もいれば、失敗を引きずってしまう人もいます。「なぜミスをしたの?」と問い詰めるのではなく、その原因を探ることで同じミスを繰り返さないことが大切です。例えば「なぜミスをしたのか原因を考えてみよう」と伝えると、問題の解決に繋がるかもしれません。ミスを引きずるような否定をするのではなく、次の仕事のプロセスに目が向くように促すことが大切です。

②目標が達成できなかった場合

目標が達成できない理由には、自分の状況が理解できていない、自分に合わない方法を続けている、スケジュールの組み方が間違っている、などが考えられます。「達成できないとダメだよね」と結果を指摘するのではなく、「目標の立て方を考えてみよう」など、できなかった理由に意識がいくように伝えましょう。自分で設定した目標に責任を持つことや、目標を達成するための行程を見直すきっかけとなるような声のかけ方をすると良さそうです。

③仕事の質を上げてほしい場合

できない部分を指摘されることはやる気を損なうことに繋がります。「どうしてこうできないの?」と強く言うのではなく、「ここをこんなやり方に変えたら、もっと良くなるんじゃない?」など、何をどうすれば効率が良くなるのかを具体的に伝えることで、前向きに取り組むことができるかもしれません。

もしかすると「上司の方が気を遣うなんておかしい!」という声も一部からは聞こえてきそうですが、たまたま上に立つまで気がつかなかっただけで、上司というのはいつも部下や後輩に気を遣っているものなのかもしれませんよね!

部下を持つと少なからず「どうしてこれができないんだろう……」「なんでやる気になってくれないのか」と悩む経験はあるかと思いますが、振り返れば誰もが未経験~経験不足の時期を経て、今に至っているはず。「なぜできないのか」ということにフォーカスするよりも「どうすればできるのか」「どこで力になれるか」に気持ちを向けて、「温かく」「落ち着いて」「わかりやすく」「繰り返し」指導することが、若い世代のモチベーションを上げるポイントなのではないでしょうか。
 

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