前編、中編に続き、クリスティン・エドマン=H&Mジャパン社長へのインタビュー。
後編ではジャパン立ち上げから8年。社員3000名を抱え、今なお躍進し続ける企業のトップであるエドマンさんのマネージメント術に迫ります。
成長を遂げたH&Mジャパンのマネージメント術
−今では大手ラグジュアリーブランドに引けを取らないほどの売上規模を誇るH&Mですが、ここまで成長させるのは簡単なことではなかったはずです。
立ち上げ当初は、私自身が全てのミーティングに参加し、全ての指示を出していました。それが、私がやるべきことだと思っていました。
でも、本社からマネージャーが来て、「君は何をやっているんだ?手帳を見せて。何でこんなにスケジュールがびっしりなの?君はスケジュールを真っ白にして、ドアを開けていつでも待っている状態でないといけないんだ。スタッフがいろいろやってみて、最終的に相談できる存在でいないと」。そう言われて、衝撃を受けました。それまでパンク寸前のプレッシャーと戦ってきたので。
トップがビッグヴィジョンを持っていなければならないけれど、細かいディシジョンはチームメンバーがするべきということを知ったのです。そうすることでチームビルディングが実現するからです。
−こうして成長を遂げてきたわけですが、その時の糧になったものとは。
一番重要なのは、80%で満足するという考え方を得たことですね。オーバービューをとって、何をやりたいのか、本当に優先すべきことが何か、3つにフォーカスするのです。
そしてブレないように、その3つを突き詰め、結果を出せればいいのです。それを続けてきたことが成長につながったんだと思います。
−社員3000人をマネージメントするという立場で意識していることとは?
やはりコミュニケーションが重要ですね。毎週店舗を周りますが、セールスアドバイザーやストアマネージャーたちの悩みを聞いたり、状況を見たり、そうしながらお客様のニーズ、スタッフのニーズを拾い上げています。
毎月一回全国のスタッフを何人か集めて、ランチ会も開催しています。そうして彼らの生の声を聞くのです。
店舗を周ることも、以前は全ての状況を知ることを目的としていましたが、今は戦略と、その戦略がどう進んでいるかフォローアップすることを目的としていて、私のマネージメント方法もこうして変わってきましたね。
自分達の働き方で、多くの女性に伝えていきたい
−ファッション業界で求められる人材、キャリアアップを考える人たちにとって重要なこととは?
先ほども申し上げましたが、自分がキャリアを決めなければならないということです。どういう形で自分のキャリアステップのための知識を得られるかを考えなければなりません。
例えばストアマネージャーを目指しているけれど、数字があまり強くないのなら、1年間オフィスで経験を積み、それから現場に戻るという方法もあります。なりたい自分になるためには。今、どういう状況で何が必要か、判断する力が求められると思います。
−最後にエドマンさんのビジョンをお聞かせください。
私がスウェーデンで経験してきたように、大好きな日本の女性たちに、仕事と家庭は自分のマインド次第で両立できるということを伝えていきたい。
私にはH&Mをこれからも成長させていくことを通じてしか出来ませんが、私や社員たちの働き方で、多くの女性をインスパイアしていけたらいいなと思います。女性の時代ですからね。徐々に状況は変わってくると信じています。
力強いメッセージで、働く日本の女性を奮い立たせてくれるエドマンさん。まさにトップ企業のリーダーとしての独自の考え方や広い視野などに、たくさんのことを学ぶことができたインタビューでした。
H&Mジャパン株式会社|採用情報
H&Mでは2017年卒 新入社員を募集します!
【職種】接客・販売
【募集役職】店舗内マネージャー職候補、ヴィジュアルマーチャンダイザー職候補、ショップコントローラー職候補
【雇用形態】正社員
【仕事内容】販売職(店舗での接客、在庫管理や店頭及び陳列ディスプレイなど )からキャリアをスタートし、将来的に上記のポジションになれる方を募集しています。
【募集人数】若干名
【勤務地】日本全国のH&M STORE
【選考ステップ】マイナビ2017よりエントリー開始(3/1〜)
【HP】www2.hm.com