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お店づくりを担うVMD(ヴィジュアルマーチャンダイザー)。その仕事内容とは? – Fashion HR 職種別インタビュー

近年、増加傾向にあるVMDの求人数。その割に経験者の数が少ないこともあり、売り手市場となっている職種でもあります。今回は「VMDのお仕事の実際」にスポットを当て、外資系ラグジュアリーブランドや有名セレクトショップでVMDの経験を積まれてきたHさんにお話をお伺いしました。

お話を伺ってみると、VMDという仕事は、ただ単に店頭のディスプレイをしているだけではなく分析能力やコミュニケーション能力も重要な職種のようです。

お店づくりを担うVMD(ヴィジュアルマーチャンダイザー)。その仕事内容とは?

近年、需要高まるVMDのお仕事の実際とは? – Fashion HR 職種別インタビュー【4】

—普段、VMDはどのようなお仕事をされているのでしょうか。お仕事の内容を教えて下さい。

VMDは「ヴィジュアル マーチャンダイザー」の略で、主にショップでの商品の見せ方、つまり店頭のディスプレイに関する全てを担当する職種です。もちろん、ただ単にショップのディスプレイを考えるだけではなく、お客様の導線や流行、そして売上を分析し、MDと話し合いの上で強化商品を踏まえたディスプレイプランニングをしなければなりません。百貨店のインショップでは百貨店側のイメージと本国側のレギュレーションとの折り合いをつけることも大切な業務ですし、店舗スタッフに対するVMDトレーニングなど、その業務は多岐にわたります

外資系ラグジュアリーブランドの場合、(近年ではセリーヌ、サンローラン、ロエベなどのように)本国のクリエイティブ・ディレクターが変わると、ブランドのロゴから、ショップのインテリア、什器、ディスプレイツールまで、ブランドのVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)に関わる全てを一新することが多くなりました。そのため、既存の店舗のリニューアルを要する機会も増えてきていると感じます。そのような場合、本国と密にコミュニケーションをとりながら、新店舗の設計から指定ツールのオーダーまで、全てをVMDの方でマネジメントしなくてはなりません。そして、施工、設営だけではなく、どのような商品をどのようにディスプレイするのかなど、MDや営業等、色々な部署とコミュニケーションをとりながら業務を進めていきます。

出張や肉体労働が多く、ハードな職種であるVMD

—VMDは肉体労働でとてもハードなイメージです。

そうですね。肉体労働に加えて、出張が多いことも、そういったイメージを持たれる所以でしょうか。
ブランドの規模にもよりますが、ある程度の規模のブランドであれば、全国に店舗を数十店舗は持っていると思います。その全ての店舗をVMDチームで定期的に手分けして回らなければなりません。日帰り出張や1日で関西店舗を複数まわるスケジュールの場合は、まさに時間との戦いです。逆に全国に数店舗しか店舗を持たない会社でも、2週に1度の大規模なレイアウトチェンジの際には、毎回閉店後から翌朝開店前までの作業をしていましたね。若かったからこそ、できたのかもしれません(笑)

このように、私たちVMDの仕事は、お客様がいらっしゃる時間帯に作業ができないので、深夜作業が頻繁に発生します。各店舗にVMD担当が配属されているようなブランドであれば、ちょっとしたディスプレイの変更はその担当者に依頼する事もありますよ。

—各店舗にVMD担当がいる場合もあるのですね。

店舗付のVMD担当は、本社のVMDのサポートや、配属されている店舗のディスプレイ維持の責任者として任命された方のことをさします。基本的に販売スタッフの方が通常の販売業務と兼務している場合が多いです。本社のVMDが指名する場合が多く、VMDを目指している方やヴィジュアル、ディスプレイに関心のある方、高いセンスの持ち主、そして残業が可能な方などが向いていると思います。

本社のVMDは1人で複数店舗を監修しなければいけないので、ある程度各店舗のVMD担当に頼らなくてはならないことも多く、彼らと密なコミュニケーションを取って、良好な関係を築くことがディスプレイのクオリティの高さにつながる鍵になると思います。

近年、需要高まるVMDのお仕事の実際とは? – Fashion HR 職種別インタビュー【4】

未経験からVMDを目指す場合、販売スタッフから店舗VMD担当→VMDとしての経験を積むというキャリアパスも。

—Fashion HRでも最近VMDの求人数が増加傾向にあります。求人が増えているということは、VMDの人材自体が少ないということなのでしょうか。

VMDはファッション・アパレル業界の職種の中でも、特に専門性の高い職種です。海外では一昔前からブランドビジネスにおいて必要不可欠と捉えられていた職種ですが、日本ではここ最近その存在が重要視されるようになったと思います。

そして、経験者の絶対数が少ない割に、企業側は経験者を求めています。VMDは特に、現場で経験を積んでポジションを確立していくしかないので、「どうやったらVMDになれるんだろう?」と悩みながら、その道を諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。先にお話した店舗付のVMDのように、販売スタッフとして入社して、店舗のVMD担当に任命され、そこからVMDとしての経験を積んでいく、というキャリアパスも大いにあると思います。

—これからのVMDに求められるスキルや要素について教えて下さい。

VMDに求められる要素も変わって来ていると思います。7、8年前であれば、ディスプレイを美しく維持すること、本国のマニュアル通りに商品を陳列すること、そして新店舗の施工や展示会の設営など、VMDの仕事はクリエイティブのみの作業でした。

ところが最近ではVMDもMDと同じくらい「数字」「売上」を日常的に把握することが求められていると感じます。店舗側からのレポートや実績、予算を把握した上で、予算達成を後押しするディスプレイ プランニングができるかどうかという点が重要視されてきているのではないでしょうか。

—ありがとうございました!

 

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