セールスアソシエート、サブマネージャー、マネージャー、ファッション業界にはさまざまな肩書きが存在しますが、今回は、若くしてマネージャー職に昇格したマネージャー職の方が抱える「同じ肩書きやポジションの仕事なのにどうして年収が異なる?」という疑問にお答えします。
若くして昇格したマネージャーはやはり年収が安い?年収が高い人とのキャリアパスの違いとは?
キャリアを重ねる中で、年収を上手に上げて行くには、まずは勤務する会社が「どのような人事制度を採用しているのか」を知ることが大きな鍵になってきます。
傾向として、大手企業は人事制度がしっかりしており、給与テーブル(各会社ごとに勤続年数・年齢・資格・職種などによって定めた賃金の一覧表のこと)やグレードが決まっていて、その人事制度に沿った年俸の設定や昇給を行い、中途採用を専門職的に位置付けている会社は、成果・実績・昇格の評価を金額に反映させていく場合が多いです。
大企業など、人事制度がしっかりした大手企業のケース
このような企業の場合、定められている給与テーブルに合わせて年収が設定されますが、同じマネージャーでも、そのグレードの中に更に「ランク」が存在します。
例えば5グレードある中の「グレード3」がマネージャー職だとします。そして、その中にも1~10のランクが存在し、キャリア・評価によって1ランク10万円の報酬差が生じたりするのです。一概に言うことはできませんが、社内の同じ職種やポジションにご自身と近い年齢の方がいる場合、年功序列の考え方が残る会社であれば影響を受けるケースはあるでしょう。
ただし、人事制度にしっかり乗せてもらえるようであれば、最初は「少し少ないかも…」と感じる金額だったとしても、その後に年収が着実に上がる可能性は高く年収アップは期待出来るでしょう。
実績重視!成果主義を採用している企業のケース
社内に給与テーブルがあっても、中途採用をそこに当て込まない企業が多い為、実績や前職での金額を考慮して、年俸の設定をするケースがほとんどです。
では下記で、店頭でのキャリアを重ね店長として活躍中のAさんとBさんの年収を比較して、これまでのキャリアを見ていきましょう。
Aさんのこれまでのキャリア(転職1回) | |||
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23歳 | 国内デザイナーズブランド | スタッフクラス | 250万円 |
28歳 | 国内デザイナーズブランド | 店長に昇格 | 280万円 |
30歳 | 海外インポートブランド | サブ店長として転職 | 320万円 |
33歳 | 海外インポートブランド | 店長に昇格 | 350万円 |
Bさんのこれまでのキャリア(転職2回) | |||
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23歳 | 外資系ラグジュアリーブランド | スタッフクラス | 300万円 |
25歳 | 外資系ラグジュアリーブランド | スタッフクラスで転職 | 350万円 |
28歳 | 外資系ラグジュアリーブランド | サブ店長に昇格 | 380万円 |
31歳 | 外資系有名ジュエリーメゾン | サブ店長で転職 | 440万円 |
33歳 | 外資系有名ジュエリーメゾン | 百貨店インショップの店長 | 500万円 |
前職での待遇によって報酬に差が生じる?
これまでにAさんは1回、Bさんは2回、転職をされています。外資系ブランドでは特に、3、4年スパンで転職を重ねてキャリアアップされていく方が多いこともあり、Bさんは転職を機会に年収ベースを上げていることがわかります。
現時点で、同じ店長のポジションであるお二人の間には150万円の年収の差が生まれています。このように、個人個人で前職の待遇が異なっていますので、前職での待遇によって報酬に差が生じます。
また、成果主義で年齢などによる金額の上限が無いため、年齢に関係なく年収が大幅にアップできる可能性もあります。ただし、同じポジションで長年勤務された場合には、勤続年数などを考慮した昇給はほとんど無いことが一般的。年収を上げて行くには、社内での昇格や異動、そして転職の機会を上手に生かすことが重要になります。
自分の市場価値を知り、フィットする評価制度のある企業を選ぶことが大切
いずれにしても企業によって人事制度は異なります。一概に言うことはできませんが、転職を考える際にはエントリー前や面接の際にしっかりと確認して、あなたにフィットする評価制度を採用している企業を選ぶことが大切です。
また、転職を今すぐ考えていない場合にも、現在の年収が適正なのか、転職エージェントなどに相談して「あなたの市場価値」を定期的に確認してみることも有効でしょう。