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ファッション業界ウラ話

“本音のコミュニケーション”は、ファッション業界でも必要不可欠! 『本音に気づく会話術』の著者 西任暁子さんインタビュー

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ラジオDJとして、過去5000人に及ぶ著名人へのインタビューを経験し、現在はリーダーシップ研修などを行うコミュニケーション術のプロ、西任暁子さんがこの度新たな著作『本音に気づく会話術』を発売しました。

同本では、感情に流されず“本当に自分が求めている本音(ニーズ)に基づく会話”をすることで、より楽しい円滑なコミュニケーションを提案しています。今回は、HR TALKS「Career Tips」でもご協力頂いている著者の西任さんに、独自のコミュケーション術にたどり着くまでの経緯や、ファッション業界の接客に生かすコツなどを伺いました。

“本音”のコミュニケーション術には、消費者と商品の間に立つファッション・アパレル業界で働く人にとって、どんなヒントが詰まっているのでしょう。

『本音に気づく会話術』とは?

−本音で会話をすることに人は抵抗感を抱きがちですが、本を読んで考え方が変わりました。今回、どんなきっかけでこの本を書くことになったのでしょうか?

スピーチコンサルタントとして多くの人とお会いする中、ほとんどの方が職場の上司や同僚、家族や友人とのコミュニケーションに悩みを抱えていることを知り、その人達の力になりたいと思ったことがきっかけです。そして、この『本音に気づく会話術』は私が一番知りたかったことでもあります。実は私自身、子どもの頃からずっとコミュニケーションをとるのが苦手で、友達ができず毎日日記に語っていたくらいですから(笑)。そんなかつての自分に教えてあげたい、そんな思いもあって書きました。

−コミュニケーションに対するコンプレックスを抱いていたとは意外です。それこそが西任さんの“本音(ニーズ)”だったのですね。

そうですね。人とつながりたい。わかりあいたい。それでいて気楽さや、気の置けなさもほしい。そんなニーズをずっと持っていました。それに加えて、講師として貢献したい気持ちや責任、また頼ってきてくれた方々とのつながりを大切にしたいという思いももちろんありました。

−このメソッドを組み立てていく上で、様々なことを学ばれたとのことですが、海外も含め、どんなことを実際に経験されたのでしょう?

これまで伝えてきたスピーチやプレゼンテーションからさらに範囲を広げて、日常のコミュニケーションの学びを深めたくて、心理学や身体表現などを学びました。演劇、ボイストレーニング、解剖学なども。

そんなさまざまな学びを続ける中で、“ノン・バイオレント(非暴力)コミュニケーション”というものに出会ったんです。非暴力的といわれると、なんだか難しい感じがしますが、これは平たく言うと、いい人になるのをやめて、もっと本音で生きようよ、っていうコミュニケーションなんです(笑)。もうすこし丁寧に言うと、自分や相手とのつながりも、お互いのニーズも大切に満たそうとする本音のコミュニケーション方法で、これこそ私が求めていたものでした。

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実は今回出版社からお話をいただいた当初の企画は「対応力についての本」だったのです。例えば会議で突然意見を求められたりすると、不安や焦りが湧いてきますよね。そんな状況にどう対応するのかというような内容でした。そこで、「対応力」が必要なあらゆるシチュエーションを考えていけばいくほど、結局大切なことは、「自分の感情に振り回されず、落ち着いて本音を相手に伝えること」だという結論に行き着いたのです

感情の奥底にある“本音(ニーズ)”を知る

−確かに、とっさにでる感情をコントロールできたら、と思う場面はよくあります。

まず、ひと呼吸置くことだけでも随分変わります。言ってしまって後悔する“感情任せの言葉”を減らすことができますから。

それから、最初のうちは1日の終わりや、電車に乗っている時などに、「感情的になってしまったあの時の、自分の感情とニーズは何だったのだろう」と考えてみるだけでもいいと思います。感情は、ニーズから生まれるんです。ニーズが満たされれば快、満たされなければ不快な感情が生まれます。お腹が空いている時、ご飯を食べたら嬉しくて、食べられないと苛々してくる、と言えばイメージしやすいでしょうか。

感情は、自分が本当に求めていることに気づくためのサインなんです。だからまずは感情に気づいていけたらいいなと思います。逆説的に聞こえるかもしれませんが、感情に目を向けるほど、感情的な言動は、少なくなっていくでしょう。

−なるほど。瞬間的に出る感情よりもっと深いところにある自分の本音(ニーズ)を知ることが大切なのですね。

私たちは日常、自分が何のニーズを満たそうとして、言動しているかに気づいていません。だから自分でもどうしたいのかわからないまま、感情に振り回されて話してしまいます。そして、自分と同じように感情レベルで話す相手の言葉も、そのまま受け取ってしまう。でもその感情を生み出した源のニーズに気づいてコミュニケーションができれば、お互いもっと分かり合えるようになります。

ニーズは、たとえば自立とか、快適さ、大切にされることなどいろいろあって、それは幸せになる要素とも言えます。ニーズは、どんな人にとっても大切なので、ユニバーサル(普遍的)なものなんです。

例えば愚痴を言う人は、「自分の苦しい状況をわかってほしい」というニーズを満たそうとしていることが多いでしょう。「わかってほしい」というニーズはどんな人にも共通するものだから、愚痴は理解できなくても、ニーズなら理解しやすいはず。

相手の発する言葉ではなく、その発言は何を求めるものなのか、というところまで聞けたら、同じ人間だなあって思えます。自分が話をする時は、そんなニーズを相手にわかるように言葉にできたらいいですね。今以上に良質なコミュニケーションをとっていけると思います。

販売員の「売りたい気持ち」にある本音

−Fashion HRには、販売(接客業)に携わるユーザーの方が多いのですが、販売員の皆さんがお客様の本音に気づくためのヒントを教えてください。

確かに、販売職の方は高いコミュニケーション能力が求められますよね。例えば、販売員の方が「こちらのジャケットはいかがですか?お似合いですね」と言う時、お客様は「うーん、でもなぁ」と渋っているとします。でもそのお客様は迷っている本当の理由はなかなか言わないと思います。そこで、質問を投げかけて会話しながら、そのお客様の本当のニーズを聞いていくのです。

ファッションは自分を表現する手段のひとつですよね。だから、例えばお買い物をするにも、「デートを成功させたい」「プレゼンテーションを成功させたい」「ちょっと落ち込んでいるから元気になりたい」など、その方が求めているニーズは様々です。

この洋服を買うことでお客様は何のニーズを満たしたいのか?もしその真のニーズを導き出すことができたら、その販売員の方は、お客様が本当に求めている商品を提案できるようになります。もちろんお客様の満足や喜びを生み出しますから、お客様との間に信頼が生まれ、リピートにつながる可能性は自然と高まるでしょう。

−例えばブランドでこの商品が売りたいという目標があると、それを優先してしまい、本音でお勧めすることが難しいケースが多いと思います。そんなときはどうすればよいのでしょうか。

例えばブランドで押したい商品を販売する時にも、そこにどんな自分のニーズがあるのかを考えてみてください。それを売らなければと思う奥には、「会社に貢献したい、チームに貢献したい、成績を上げて認められたい」など、何かしらのニーズがあるはずです。売らなくてはいけないと思うと自分も苦しいし、相手も苦しい。でもブランドで押したい商品を売ることは、あくまでも手段なんです。

例えばそれを販売することで上司に認めてもらうことが自分のニーズだと気づけば、必ずしもその商品を売ることだけが手段ではないことがわかります。一押し商品を売る以上に、もっとお客様に喜んでもらえる提案ができたら、より多くの売り上げを生み出せるかもしれない。それだって上司の評価を得られるひとつの方法です。

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このように、自分のニーズを掘り下げられたら、それを満たすいろんな方法に考えを巡らせることができるようになります。また、今シーズンの一押しを売るということは、近視眼的には何かの解決策になるかもしれませんが、長期的に見たら、本当にお客様の欲しいものを提案できることが、いい顧客とつながれる大切な要素になるのだと思います。

声と目を見れば販売員の“本音”が分かる?

−西任さんは実際に販売員の方のどんなところを見ていますか?

私がまず見るのは販売員の方の目線です。例えば商品の説明をしている間、私はずっと店員さんの目を見ているのに、店員の方はこちらの目をまったく見ずに話し続けていることもよくあります。

そして声です。その方の声がどこに向かっているか。声と目の方向はだいたい一致しています。ですから、お客様を見ている方の声はちゃんと届くんです。その人の声が本音の声なのか、本当に接客を楽しんでいる声なのか、あるいはやらなくてはならないという意識なのかなど、声と目を見ればすぐにわかります。

洋服を買う時も、販売員の方がこの商品が本当に私に似合うかどうか、考えてくれているかを感じます。なんでも似合いますと言ってもらうよりも、似合わないものは似合わないと言ってくれる人の方が私は信頼できますし、そういう方のいるお店にはリピートしています。もちろん、その時の言い方には工夫が必要ですから、それは本をぜひ参考にしてみてほしいと思います。

−本音で話せる販売員の方がもっと増えたら、ファッション業界がますます活性化しそうですね。

みなさんファッションが大好きだと思うんです。ですから販売のお仕事がしっかりその気持ちにつながっていてほしいですね。「しなきゃ」という意識ではなく、自分が素敵な洋服に出会って嬉しかったように、お客様にもその喜びを感じてほしいという思いを反映させられたら、きっと販売はもっと楽しくなると思います。

 

今回のインタビューの最中も、取材する私たちの“本音(ニーズ)”を巧みに汲み取り、的確な言葉でお答えくださった西任さん。相手のニーズ、そして自分自身のニーズをしっかり捉えることで、日常のコミュニケーションはもちろん、仕事の場面でもお客様や仲間とのつながりをより強くできるのだということを教えてくださいました。

ファッションは自由で楽しく幸せなもの。そんなファッション業界で働く人だからこそ本音のコミュニケーション術で多くの人に夢を届けていきたいものです。皆さんも西任さんの新著『本音に気づく会話術』で、まずは自分の本音(ニーズ)に耳を傾けてみてはいかがでしょう。

(Interview&Text:Etsuko Soeda)

(Place:MADISON NEWYORK KITCHEN)

今回お話を伺った方

西任さんプロフィール

U.B.U.株式会社 代表取締役 西任暁子さん

ラジオDJを経て、経営者やビジネスリーダー向けにスピーチやファシリテーション、コミュニケーションの指導を行う。これまで著書に「話すより10倍ラク!聞く会話術」「『ひらがな』で話す技術」があり、4月7日に発売する「本音に気づく会話術」で3冊目となる。

今回お話を伺った西任暁子さんの著書

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新著『本音に気づく会話術』
4月7日に発売!詳しくはこちら>>
ビジネスシーンに限らず、大切な家族や友人との関係作りに役立つ、あらゆるシチュエーションに応用可能な実践的コミュニケーションスキルが身に着く一冊。

 

 

 

 

 

聞く会話術
「話すより10倍ラク!聞く会話術」
ラジオDJとして経営者、歌手、俳優、スポーツ選手、医者、映画監督、写真家など、のべ5000人を超えるゲストへインタビューを経験された西任さんが、相手に気持よく話をしてもらうため会話術を綴った指南本。

 

 

 

 

 

 
「ひらがな」で話す技術
「西任暁子さん著書「『ひらがな』で話す技術」
本当なら内容を しっかりと伝えたいはずの相手にとって「わかりにくい」話し方をしてしまっている人が多い中、どうすれば相手にとって「わかりやすい」話し方ができるのか?を解く究極の秘訣本。

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