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N.HOOLYWOODデザイナー尾花大輔氏×STUDIOUS谷正人氏が語る「ファッション業界で独立するために必要なこと」イベントレポート【前編】

Top前編
“日本発を世界へ”をコンセプトに、全国でセレクトショップを展開する株式会社ステュディオスが、ファッション業界の活性化を目的に「ファッション業界独立支援セミナー」を開催しました。

同セミナーは、ファッション業界での活躍を目指す学生や社会人を対象に業界で独立し活躍しているゲストとSTUDIOUSの谷代表がノウハウを語る内容です。

第一回目となる今回は、「N.HOOLYWOOD(エヌ・ハリウッド)」デザイナー尾花大輔さんをゲストに迎え、ブランドができる経緯や独立する上で必要なことについて語られました。前編と後編に分けて、対談形式で行われた内容をレポートします。

古着のこれまでの価値観を変えたい

谷正人さん(以下、谷):最初に、尾花さんがブランドを立ち上げられるまでの経緯を聞かせてください。

尾花大輔さん(以下、尾花):僕は中学時代からずっと古着が好きで、当時から色んな古着屋さんに通っていました。

“最終的に古着のバイヤーになりたい”って思って専門学校に入学したけど、中退して本格的に古着屋で働き始めた。18歳でアメリカにバイイングに行きはじめて、そこで「Go-getter(ゴーゲッター)」を一緒に立ち上げた当時の社長と出会ったのが始まり。

「NUMBER(N)INE(ナンバーナイン)」を立ち上げたソロイストの宮下君や、「UNDER COVER(アンダーカバー)」の高橋君も、当時はみんな10代の頃からもう働いてた。

谷:確かに、当時の人たちってすごく早い気がしますよね。

尾花:当時はみんな、自分たちで何かやりたいと思っていたり、とにかく目立ちたかったり、“熱量”がすごく高かったんだと思う。

谷:尾花さんは古着の買い付けからデザイナーの道へ進んでいますが、ものづくりはどこから始まったんですか?

尾花:「Go-getter」初期の頃、買い付けてきた古着をリメイクしはじめたのをきっかけに、そこから少しずつ売れるようになって、コラボレーションをすることになったり。そこで初めてOEMというものを知って、少しずつ型数を増やしていくことで、業者の知り合いが増えたりしていった。

谷:「Go-getter」でバイヤー、ショップマネージャーもしながらリメイク制作をしてたんですよね。

尾花:でも結局、その時一緒にやっていた先輩とソリが合わなくて「辞めます」って言ったら、新幹線で社長が飛んで駆けつけて「300万円渡すから、お前がやりたいことあるならやってみろ」って言われて。

当時、古着のバイヤーをしているとき年10回はアメリカに行っていたんだけど、LAにバイヤーの為の寮みたいな部屋があって、ビリヤード台があってソファもあって…そこの空間のイメージがすごく格好良かった。自分がお店やるときはこんな店をつくろうって思っていて、そこで「N.HOOLYWOOD(以下N.ハリ)」をつくったのがスタート。

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衝動と熱っぽさだけで動くことも大切

谷:そこから、全部一から自分で内装、買い付け、開業準備までしていくなか、一体いくらでつくればいいのか?いくつ仕入れればいいのか?とか、開業する人はまず考えますよね。尾花さんはどうしたんですか?

尾花:とにかくそういうことは全然考えてなくて。イメージをつくるために必要なものをただ揃えていく、とにかく自分が格好良い、っていうものを集めて。だからどんぶり勘定を超えていた(笑)。

谷:でも、よくお店をつくる時に最初から完璧に考えて計画する人がいますけど、キレイにやろうとする人って成功しづらい気がします。

尾花:そう。初期衝動、熱っぽさで動くことも大切。僕はそのとき「古着に対する価値観をマジで変えてやろう」って思ってた。だから、あえて価値あるもののタグを切ったり、新しい古着に対する価値観を周りの人と共有していったんだよね。そうすると同じように思ってくれる人がいて、共感してくれるスタイリストさんとかと密な付き合いをしてきたからこそ、今がある気がする。

谷:「N.ハリ」を立ち上げた初日、約500〜600人来たっていう話を聞きましたけど、それも人のつながりがあったからですよね。例えば飲みに行ったりとか、そういう人付き合いをしてたんですか?

尾花:そりゃあもう。飲みに行くために借金してた(笑)。しかも、開業資金とかじゃなくて、確実に人付き合いをするためだけのお金。

デザイナーであり、商売人

谷:僕たち、よく飲み屋でこういう話をしますけど(笑)。尾花さんて、日本人で唯一NYコレクションに出しているデザイナーなのに、話してみるとすごく“商売人”なんですよね。アイテムを、ちゃんと自分の商売道具にしている。デザイナーですごく珍しいと思います。

尾花さん:これはすごい恥ずかしい話だけど、高校生のときに母親にあんた将来なにやるの、って聞かれて「オレは広尾に住んでベンツ乗って生活する」って言ったらしくて(笑)。特に当時は、商社マンとかゼネコンとか、世の中が“肩書き”の時代だったから。お金と生活が大事っていう時代に育った影響かもしれない。

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谷:そういえば、最近学生の起業したいって考えている人たちの中で、友達と一緒に起業したいっていう人がいますけど、それについてはどう思いますか?

尾花:僕は、止めたほうが良いと思います。学生のときから、自分の強い意志を持っている人って、なかなかいない。薄っぺらな関係性でスタートして、共倒れしてしまうから、やるなら友達の縁は捨てた方が良い。あと、特にお金の話を最初にしておくっていうことが大切。

谷:ビジネスはお金が全てですから、そういうことは友達同士だとしてもきちんとしないとだめですね。

尾花:なんだかお金の話が多くなっちゃったけど(笑)。今の時代は、僕みたいに借金つくって飲みに行って人付き合いして…っていう時代じゃないと思うけど。

谷:実は、僕も借金がありましたよ。社員には真似してほしくないし、破産しない方が稀だからあんまり言わないですけど(笑)。

後編へ>>

前編では、尾花さんが「N.ハリ」を立ち上げるまでや、考えより行動することの大切さなど、若い世代の方をはじめ、これから転職を考える人にとってヒントになるお話ばかりでした。後編では、STUDIOUS代表谷さんが語る独立するためのアドバイスを中心にお届けしていきます。

 

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