2016年はストライプインターナショナル株式会社が従業員の初任給と基本給を引き上げ、これまで低いイメージのあったファッション業界全体の給料事情に明るいニュースをもたらしました。
そして、皆さんがファッション業界で就職活動・転職活動を始める際にまず考えるのが「国内系企業」と「外資系企業」どちらを選ぶべきか?ということ。なかでも双方のお給料事情は、とっても気になるところではないでしょうか?
今回は、国内有名デザイナーズブランドと外資系ラグジュアリーブランド、どちらの経験も持つ方に聞いたリアルなお給料事情をまとめてみました。販売員のキャリアを考えた時の、参考のひとつにしてみてください。
国内ブランドと外資系ブランド、販売員のリアルなお給料事情
それぞれのブランドでは下記のような特徴が見られたようです。(企業によって異なります)
【例1.】国内デザイナーズブランドの販売員
- 基本給(昇給は定額制)
- ボーナス年2回支給(業績によって変動がある)
- 個人売上・店舗売上・会社業績によってボーナスが決まる
- インセンティブはなし
- 試着販売のため月1〜5万円購入(義務ではない)
【例2.】外資系ラグジュアリーブランドの販売員
- 年俸制(ボーナス含む)
- インセンティブあり
- 制服支給(着用義務あり)
- 福利厚生が少なめ
では次に、気になる外資系ラグジュアリーブランドでのインセンティブ事情についても見ていきましょう。
インセンティブの具体的な種類とは?
外資系企業に多い「インセンティブ制度」。ラグジュアリーブランドでのインセンティブ事情には、具体的にどのよう内容があるのか?具体例を以下に挙げてみました。
- 月々の予算達成度合い(100%でいくら、110%でいくら…など)によって現金支給
- 全店舗での販売キャンペーン対象商品の販売上位の人にブランドの商品現物支給
- 対象の高額商品販売での現金支給
- ブティックで独自の販売ラリーイベントが企画できる(会社から経費がでる)
- 売上トップになると海外店舗研修に招待される
インセンティブの内容、パーセンテージ等はブランドによってそれぞれ異なります。インセンティブ対象の商品が全てだったり、レザーグッズのみだったり、レディトゥウェアのみなど、ブランドによって規定も多様です。
販売員同士の売上の取り合いはあるの?
こうしたインセンティブの仕組みについて聞くと、販売員同士で売上の取り合いがあるのでは?と気になる方もいるかもしれません。
しかし、ラグジュアリーブランドの場合に多く見られるのが、複数のスタッフで接客するケースや、ポジションごとに担当者分けをしていたり、顧客管理の徹底などの特徴があります。そのためルールがない分、売上に関する判断が難しい点もあるようですが、トラブルを防ぐためにお店ごとにルールを決めているケースが多いです。ブランドの世界観を体現する販売員だからこそ、個人個人が周りのスタッフにも敬意を払えるようにしておきたいものです。
自分に合う制度がある企業を選ぶ!
国内デザイナーズブランド、外資系ラグジュアリーブランド、双方の大きな相違点はインセンティブの部分が大きいようです。しかし、近年では国内ブランドでもインセンティブ制度を導入していたり、個人売上ノルマがなかったりと、企業によって販売員の仕事に重きをおいて制度の見直しもされているようです。
今回ご紹介したのは、一部の例ですが、ご自身に合うのはどちらの傾向か?見極める際のヒントにしていただけたらと思います。これからもファッションとお客様をつなぐ前線で働く販売員のお給料事情がより良いものになることを願います!
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