あなたは面接で「自己PRをお願いします」と言われたら、どのように答えていますか?今まで身につけたスキルや職歴、自分の長所をただただ述べてしまっていたりしませんか?もしかしたらその自己PR方法で、あなたは損をしているかも…?
今回は面接で勝つための「強い自己PR」のまとめ方について、ファッション業界に特化した転職エージェント「エーバルーンコンサルティング」のコンサルタント吉田さんのコラムをお届けします。
これまで多くの方の面接トレーニングを担当させていただいてきましたが、自己PRが弱い方が非常に多いと感じています。自己PRの弱さで面接時に損をしないために、今回は「強い自己PRのまとめ方」についてお話したいと思います。
面接は「試験」ではなく、「商談」である
面接を「試験」と捉える方が多いのですが、そもそもその捉え方が間違っています。面接は「試験」ではなく、「商談」なのです。
企業にとって、新卒採用は採用自体が目的であることが多いですが、中途採用は「欠員が出た」「業績が好調で人手が足りない」「新しい事業を立ち上げる」など、戦力の補強が目的となり、採用活動は目的を満たすための手段に代わります。つまり、面接は企業にとっては「戦力の補強」という、商品の購入検討の場なのです。
身の回りのもので想像してみてください。例えば、長年使ってきたテレビが壊れたとします。「これを機にテレビを置かない生活を始めてみよう」という方もいると思いますが、多くの方は新しいテレビの購入を考えますよね。そして、テレビを買いに家電量販店に行くでしょう。
「テレビが壊れたから、テレビを買いたい」と思って、家電量販店にテレビを見に行く。まさにこの時のあなたは「人材が足りないから、人材を採用したい」と思って候補者と面接をする企業側と同じ。そして、テレビコーナーで接客を担当する販売員の立場は、面接を受ける候補者の立場と同じです。つまり、「自分の経験や能力」という商品を購入(=採用)してもらえるようプレゼンする場。これが面接なのです。
売れる販売員は、顧客ニーズを的確に掴み取る力がある。それは面接も同じ
そしてここからが本題です。
自己PRが弱い方に共通して見られるのは、「自己PRの使い回し」です。どの企業に対しても同じ自己PRをしている方は要注意。先ほどのテレビ購入のたとえ話に戻ってみます。テレビを買いに行ったものの、販売員のセールストークをわずらわしく感じてしまう事、結構ありますよね。では、なぜそう感じるのでしょうか?
それは、自分が興味がない話を長々とされるからです。画質を重視する人もいれば、価格を重視する人やデザインを重視する人、機能を重視する人など、それぞれ重視するポイントは異なるはずです。
価格を重視しているのに、延々と画質の良さを語られても響きませんし、デザインを重視しているのに機能の多さを語られても響きません。結果的に、その販売員のセールストーク自体をわずらわしく感じてしまうわけです。
一方で売れる販売員は、一方的に商品の良さを語るのではなく、まずはお客様の重視しているポイントを探りあてます。そして、その探り当てたポイントを軸にして商品の良さを語ることができるからこそ、「自分が必要なことを満たしてくれる製品だ」という納得感をお客様に与え、購入へと導くことができます。これは、ファッション・アパレルの販売員にも共通することでしょう。
どの企業にも同じ自己PRをしている人は、どのお客様にも同じ商品説明しかできない販売員と一緒です。内定を手にする確率は一気に下がってしまいます。企業が重視しているポイントを中心に、自分の経験エピソードを話せる。これこそが強い自己PRです。
企業が重視するポイントつかむために、その企業で働いている自分の姿を徹底的に想像してみよう
では、相手(企業側)が重視しているポイントは何なのでしょうか。
面接は一発勝負の商談なので、事前に面接官と会話をすることは出来ません。また、求人情報を鵜呑みにするだけでは、準備が不足してしまいます。
そこで重要になるのが、「想像」と「リサーチ」です。つまり、自分自身が面接官になりきって、自分自身を面接してみること。面接官になりきるため、実際にその企業で働いている自分を想像してみましょう。
- 雰囲気はどんな感じなのか
- 仕事をする上でどんな関係者とのやり取りが発生するのか
- どんな顧客を相手にビジネスを展開しているのか
- 数をこなすことが重視される仕事なのか
- 質を高めることが要求される仕事なのか
また、その想像をより深いものにするためには、リサーチをして、一つでも多く企業に関する情報を集める必要があります。例えば、このようなことが挙げられます。
- WEBサイトやニュースの記事などを徹底的に検索してみる
- そのブランドの売り場に足を運んでみる(実際にサービスを体感してみる)
- 競合他社の売り場にも足を運んでみる
- 知人にそこで働いている人や同業者がいれば、会って話を聞いてみる
- 人材紹介会社やエージェントに相談してみる
- オフィスまで足を運び、実際に働いている人達の雰囲気を見てみる
十分に想像ができたら、「その企業にどんな人が来てくれたら助かるのか」をイメージしてください。そして、その人に「どんな事を確認したいか」まで考えてください。
ここまで出来れば、自分が面接で何を伝えるべきなのかは明確です。「貴方が面接官だったら、貴方自身を採用したいと思えますか?」この視点をもって自己PRを考えてみましょう。必ず良い結果につなげる事ができるはずです。
今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント |
エーバルーンコンサルティング
シニアコンサルタント 吉田 直哉さん |
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