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ミレニアル世代は何故アマゾンで服を買う?米アマゾンファッション成功の秘訣

NYメンズファッションウィークに続き、昨年秋から東京ファッションウィークの冠スポンサーになったAMAZON(アマゾン)。

メルセデスベンツジャパンから名前が変わり「あれ?」と思った人も多いのでは?今回の「WORK STYLE from N.Y」では、そんなアマゾンの成功の秘訣について迫ります。

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“アマゾン”と聞くと、本、家具、家電、キッチン用品など、なんでも売っているオンラインストアというイメージが強く、アメリカでもそのイメージ通り“The Everything Store”(なんでも屋)と呼ばれているほど。つい先日、Business insider の記事の1つに、こんな興味深い見出しを見つけました。

Millennials’ favorite place to buy clothes online is Amazon — here’s why that shouldn’t surprise youーミレニアル世代が頻繁に洋服を買うサイトはアマゾン、これが納得の訳!

これは、昨年の全米大手オンラインサイトの中で、ミレニアル世代のアパレル部門の売上が、ファッションに特化している「Nordstrom(ノードストローム)」や「 Old Navy(オールドネイビー)」、「 J.Crew(ジェークルー)」、「Victoria’s Secret(ビクトリアズシークレット)」を大きく引き離してダントツ1位に輝いたのがアマゾンだったという内容でした。

なぜミレニアル世代はアマゾンで服を買う?

今こんなにもアマゾンが勢いにのって成功している秘訣はどこにあるのでしょうか?

amazon001まず、いわゆるミレニアル世代とは18歳〜34歳の層の事を言いますが、アマゾンが抱えるこの世代にはとても大きな特徴があります。

日本でも馴染みのある「プライムメンバー」という、年間99ドルで迅速で便利な配送特典や会員限定だけが購入できる商品、プライム、フォト、ミュージック、ビデオのデジタル特典を追加料金なしで使える会員制プログラム。この「プライムメンバー」の全米の半分近い会員が、ミレニアル世代だということがある調査によって分かりました。しかも、彼らはただのミレニアル世代ではないというのです。

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このグラフはプライム会員を年収ごとに分け、2014年〜2016年までのシーズンごとの購買率を表したグラフ。

年収$112K+(1200万円以上)の富裕層が多いのは一目瞭然ですが、棒グラフの伸び率をよく見ると、この層は“アマゾンプライムへののめり込みが他の層と比べて早い”ということがわかります。

つまり一度会員になると、アマゾンで買い物をすることを好み、また、必要なものだけを購入するのではなくアマゾンが次から次へと提案する商品への関心度が高い傾向にある。逆にいうと、年収の低い会員層は通年の購買率にさほど変化がなく、ある程度の買い物しかしないとも言えます。

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上記グラフは、いわゆるビックボックスストアと言われる様々なジャンルの品物を揃えた大型の競合チェーン店の顧客との比較を表したもの。

この表からは、アマゾンプライム会員は高所得者が多く、その平均年収はなんと800万円近くだということがわかっています。また、通常のアマゾン会員の平均年収は約700万円と、100万円の差があります。

また、プライムメンバーは会員歴が長くなればなるほど、1シーズンに使う金額も増えるということがわかりました。アマゾンが会員数をなんとしても増やしたいと思う気持ちも、この結果を見れば納得です。

狙い定めた8つのオリジナルアパレルブランドを投入

以前からファッションに興味があったという、アマゾンCEOジェフ ベゾスは、ここ数年特にアパレル部門に投資をしてきたと、ある記事のインタビューに答えていました。

現在14のオリジナルブランドを所有しているアマゾン。オリジナルブランドを持つことが売り上げに繋がる理由は、商品生産から販売までダイレクトに自社で行うことによって余計なマーケティングコストや流通コストが中抜きできるため、高い純益が期待できるから。このようなSPA(製造小売)は最近のアメリカのファッションマーケットの中で特徴的な流れでもあります。

新規オリジナルブランドの投入にあたり、すでにオンラインビジネスにおいて培われたマーケティングノウハウや、細分化された顧客のデータを最大限に利用し、完全にわかりやすくイメージされたターゲット層を構成しました。いずれのブランドの価格も気軽に買い求めやすい$30〜$100が中心で、それぞれが小さな規模で大きなリスクを背負うことなく展開しています。

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詳細はまだベールに包まれていますが、トレンドの流れとともに今度はヨガパンツやランニング用スパッツを中心とするアクティブウェアラインを発表すると明かしました。

今年初めにはブランドマネージャーを募集し、応募条件には「ラグジュアリーファッション経験者」、「スポーツに情熱がある人」、「日頃よりアクティブなライフスタイルを持ち(特にアスリートウェアの)トレンド、ショッパーの動向分析に長けている人」を掲げていました。

以前から同社は、各プライベートブランドのマネージャーやコンサルタントポジションにバーニーズ ニューヨークやヴォーグから有能な人材を引き抜きしていたことはとても有名です。

ファッションウィークのスポンサーという大きなPR効果

WWDも断言するほどですが、アマゾンは今や絶対に見逃せない大手オンラインビジネスの1つと言われています。自社ブランドの打ち出しと共に、旬なブランドの取り扱いにも力を入れ、基軸をシンプルで単価の低いものから、レベッカテイラー、カレンウォーカー、レイチェルコーミー、ソリッド&ストライプなどファッション性に富んだ、高単価なブランドの導入を積極的に行っています。

こうした背景を踏まえて、アマゾンがNYメンズファッションウィークと、東京ファッションウィークのスポンサーになったという事実は、大きなプレス効果をもたらしたのではないでしょうか。

ファッションに敏感で経験豊かなエキスパート達による、徹底的に顧客のライフスタイルを把握した新規・自社ブランドの提案は、顧客が飽きることなく新鮮な気持ちでオンラインショッピングを楽しめることに大きく繋がっているのです。

まさに、時代に沿った“今のニーズ”をリアルタイムで提供することがアマゾンの成功の最大の秘訣と言えるでしょう。

Text:Haruka Sagoya /Edit:Mio Takahashi(Fashion HR)

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