ネット上でお気に入りのファッションアイテムのクリーニングが完結できるサービス、宅配ネットクリーニング「リネット」を運営する株式会社ホワイトプラスの新社屋移転に伴うイベントが先日開催されました。イベントでは、リネットのサービスの根底にある「ライフスタイルとファッション」についてトークセッションが行われました。
株式会社ホワイトプラスの井下孝之代表がモデレーターを務めるトークセッションでは、雑誌GINZA編集長の中島敏子さんとベイクルーズ取締役の森秀人さんをゲストに迎え、お二人のファッションの原点、そしてファッション観についてトークが繰り広げられました。その一部をレポートします。
リネットが提供するライフスタイルとしてのファッション
リネットの井下代表の挨拶でトークセッションは始まります。
「昨年は、夜間便やプレミアム仕上げといったサービスのリリース、そして、リネットで叶えられる体験をもっと色々な方に提供したいという思いから、ベイクルーズ社とのコラボレーション『LOVE MORE FASHION』の取り組みを行いました。このような様々な取り組みによってリピーターも増え、リネットは会員数20万人のサービスまで成長しました」。
さらに、トークセッション開催の経緯について、
「昔からクリーニングはアパレル産業を支える立場でしたが、これからはライフスタイルとしてのファッションを人に提供していくものになっていきます。そのために、業界の最前線でファッションと向き合うお二人のゲストをお招きしました」。
ファッションとは、着ることでコミュニケーションが生まれるツールの一つ
続けて、井下代表の進行でトークセッションは進みます。
井下代表(以下、敬称略)「お二人ともカルチャーと強い結びつきがありますが、お二人が考えるライフスタイルとしてのファッションとは?」
森秀人さん(以下、敬称略)「ベイクルーズは卸売からスタートした会社なんですが、小売を始めるようになって40年近くが経ちます。2000年頃に代表がアメリカに行くたびに訪れていたハンバーガーショップをやりたいと言ったのをきっかけに、フードビジネスを始めて10年以上になりました。そもそも、ファッションが成立する背景にはカルチャーがある。ベイクルーズでは、ライフスタイルそのものがファッションだと考えています」
中島敏子さん(以下、敬称略)「GINZAには、2011年のリニューアルからずっと続いている『ファッション調査隊』という企画があります。そもそも人が何かを身に纏っていれば、それはファッションだという考えのもとに、様々な国や人物のファッションについて調査してきました。ブルガリアの奇祭で着られているものから、最近では小池百合子さんのファッションまで。ファッションて、見る人と着る人の間にコミュニケーションが生まれるものだと思うんです。着ることで社会とコミニケートできる、一つのツールなのではないでしょうか」
洋服は買って終わりではなく、育てていくもの
「LOVE MORE FASHION」の取り組みから見えたこと
井下「ファッションにも自分にしかわからない価値というのがありますよね。大切に着る、長持ちについてお二人はどうお考えですか?」
森「今はすごく消費のスピードが早いですよね。でも、ファストファッション全盛の2000年初頭に比べると、ここ数年は、良いものを長く使うという消費の流れが来ている気がします。自分にとって本当に価値があると思えば金額は関係ない。セールだから、というマインドではない気がしますね」
中島「ファストファッションが台頭の頃は、みんな買って売ってを繰り返していましたけど、今は安い金額のものでもきちんと選んで買っている人が増えた気がします。実は、洋服は買って終わりじゃなくて、育てることが大切なんですよね。ペットと同じように買ってからが本当のはじまり。今はそういう価値を持った人が増えていますね」
井下「育てていく=大切なものを長く着たいという人はリネットのユーザーの方にも多いです。ベイクルーズでは『LOVE MORE FASHION』をどんな流れでスタートしたんですか?」
森「商品を買って終わりは寂しい、我々が提供できる価値とはなんだろう?という話は以前からしていました。そこで、商品を買っていただくタイミングでアフターケアまで提案することができれば、良いサイクルが生まれるのではないかと考え、リネットとの取り組みをスタートしました。去年のクリスマスシーズン、他社では値引きをうたうお店が多いなか、値引きの選択ではなくお客様に新しい価値を提供できる取り組みができたことは、働いているスタッフにとっても良い体験でした」
井下「お二人が育てていった想い出のファッションアイテムはありますか?」
中島「初めてコムデギャルソンのジャケットを買ったことは今でもすごく覚えているんですが、それをクリーニングにだしたとき、今では当たり前だとわかるんですけど、くるみボタンの部分がアルミで巻かれて返ってきたのにびっくりしたんです。こういうケアがされるんだ、と思って人の手がやっているということに感動しました。そのジャケットは大切に20年近く着ていましたね」
森「僕は今ベイクルーズのボナムというリメイクブランドのディレクターもやっているんですが、今日着ているGジャンはボナムでリメイクして20年来着ているものです。ボロボロだけど、育てて大切に着ている、僕にとっての一張羅です」
デジタルとリアル、それぞれで提供できる価値とは?
井下「最後にお二人のこれからの展望などあれば教えてください」
中島「今はSNSが全盛で、反響があるものもSNS映えするような1点でわかりやすいものです。WEBでそういうアイテムをあげるといいねがつきやすくて、そういうのも大事なんですけど、パッと見て分からないけど素晴らしいアイテムこそ、私たちが伝える必要性があると思っています。どちらもやっていくことが大切ですが、デジタルの波に溺れることなく、本当に大事なことを伝えていきたいです」
森「EC売り上げは今後も伸びると思いますが、そのなかでお店に来て足を運んでいただくことの価値はなんだろう、と考えたときに、お店に行くとちょっと変なスタッフがいたり、個性豊かなスタッフがいて、そういう人たちと話すことで知らなかったことを知れたりして色んなことに気が付ける。それは人でしかできないと思っています。そういう発見をお客様に提供していきたいです。体験価値にしっかりお金をかけ、商品を買わなくても行けば気持ちがよくなるような、お店造りをしていかなければならないと思っています」
大切なものを長く着たいと思う人たちが増えているのは、デジタルとリアル、どちらの側面もある今の時代だからこそなのかもしれません。最前線でファッションを見つめるお二人のトークから、ますますリネットのようなサービスが発展していく可能性を感じるイベントでした。
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Text&Photo:Mio Takahashi(Fashion HR)