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ファッションが好きで、そこに貢献したいという思いが大事。ターミナル代表・瀬戸氏に聞く、テクノロジーで広がるファッションの可能性

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ファッション業界向けBtoBマーケットプレイスとして2014年よりサービスを開始し、これまでファッション業界で当たり前とされてきた展示会効率化のプラットフォームとして急成長を遂げている「TERMINAL ORDER(ターミナルオーダー)」。企業間取引のEC化による事業改善や、マーケットプレイス提供によるオンラインPR支援など、業務領域の拡大を推し進め、サービス提供開始から約1年半で、180ブランド、5000バイヤーが利用し、2016年5月末日時点で流通総額は100億円を突破しました。

こうしたテクノロジーを使った新しいサービスはいま、ファッション業界での働き方に大きな影響も与えています。今回は、ターミナル株式会社の代表取締役 瀬戸恵介さんに、テクノロジーで広がるファッションの可能性についてお話をお聞きしました。

IT業界出身者から見たファッション業界独特の慣習とは?

−IT業界出身の瀬戸さんですが、ファッション業界をどのように捉えているのでしょうか?

大きく2つの観点で言いますと、1つは「もうチャンスしかないなぁ」という業界だと思います。それは、ターミナルを創業する前も今も変わらず、むしろその思いは日々強くなっています。とにかく、アナログな世界だなという印象も大きかったですが、ファッション業界のおもしろいところは、デザイン、世界観、ストーリーがしっかりしているという点。そこにテクノロジーの力が加わることで、伸びる余地が大いにあると思っています。ファッション業界のことを知らなくても、ファッションが好きで興味があって、そこに貢献したいという思いがあれば、誰でも参入できるのではないかと思います。

そしてもう1つは、感性を大事にする職人気質の方が比較的多いことから、テクノロジーの可能性について納得していただくまでに、ある程度の時間を要するということです。ファッションは、「ロジックで詰めて事業を成長させていく」というものではないので、ある程度想定内ではあったのですが、立ち上げには思っていた以上に時間がかかってしまった印象もありました。TERMINAL ORDERは、今後5年10年と残っていくサービスにしていきたいと考えています。そのためにも、いかにわかりやすく、その必要性を根気強く伝えていけるかが肝だと考えています。

−ブランドの経営層の方たちのTERMINAL ORDERへの反応はどうですか? 商談する際に、気をつけていることはありますか?

TERMINAL ORDERの話をすると、現場担当者の方がすっと受け入れてくれやすいですね。上にあげると時間がかかってしまうというブランドが多いです。そのため、経営層の方たちとお話するときは、まずヒアリングベースで、今どういった課題を持っているのかをお聞きします。その上で、「TERMINAL ORDERを導入することでどれだけの業務改善ができ、それによって今抱えている問題解決のためにこれくらいのリソースをあてることができますよ」というように、なるべく数字を使いながらロジカルにお話することを心がけています。

経営層の方たちには、同じ経営者の立場から、コスト意識にアプローチする話をした方が響くのではないかという思いがあるので、今でも可能なかぎり、商談の場には足を運ぶようにしています。

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−ファッション業界の慣習で驚いたことはありますか?

時間の概念が違うなと感じました。私がいたIT業界では、どれくらいの時間で、どういった成果物をあげるのか、時間の使い方、働き方、評価制度もすべてドライに決まっていました。一方、ファッション業界では、展示会前後はとにかくバタバタで、展示会に一部の製品が間に合わないこともよくあるというような話を聞いたときには、一例だとはいえびっくりしました。

ターミナルに応募してくださった方と面接をしていても、職場での評価制度がなんとなくあいまいで、どうしたらアシスタントからメインになれるのかもわからず、将来設計や未来予想図が描きづらいという悩みをかかえている方が多いように感じます。関わる人たちみんなが明確な目標を持って力を発揮できるよう、組織づくりなどの面などにおいても、他業界を参考にして生かせることがたくさんあるのではないかと感じています。

ブランドとバイヤーをつなぐマーケットプレイスを目指す

−TERMINAL ORDERのこれからの展開について教えてください。

昨年までは、展示会と卸における業務の効率化をおもに推奨してきましたが、今年からは、ブランドとバイヤーをつなぐマーケットプレイスの運用にも力を入れています。

ブランドを認知してもらう方法として、これまでは合同展示会に出展したり、レップやPR会社にお願いしたりというのが主流でしたが、そこに「オンラインのマーケットプレイスに出店する」という新しい選択肢を提供していきたい。海外のバイヤーともつながれる場として、海外展開したいブランドさんの支援も行っていきたいと考えています。

そのためにも、年内に登録バイヤーを1万人に増やし、海外バイヤーを1000人集めたいと考えています。「TERMINAL ORDERに来れば、日本の洗練されたブランドに出合える」というような状態に2〜3年かけてもっていきたいと考えています。

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ファッション業界で活躍する人が底上げしていける土壌をつくりたい

−マーケットプレイス以外にも新しいチャレンジがあるとか?

はい。マッチングして、「あとは当人同士でやってね」というだけでなく、マッチングしたあとの与信管理、請求代行などの機能も追加していきます。通貨や為替にも対応しているので、海外とのやりとりも可能です。

実際、大手企業からビッグオーダーが入ったけれども、納品するまでに3〜4カ月かかり、それまでに工場への発注などでまとまったお金が必要になるということがあります。そうしたときに、個別に銀行とやりとりするのは大変なので、ターミナル側で貸付なども行っていけたらと。そうした与信面でのサポートがないと、マーケットプレイス自体が動いていかないと思っています。

あとは、優秀な若いデザイナーを支援し、ファッション業界の底上げにも貢献していきたいですね。これまでは、専門学校を出てブランドに就職して、下積みしてから独立というのが王道でした。でも、TERMINAL ORDERに出店することでバイヤーの目にとまってオーダーが入り、資金も調達できて、すぐにプライベートブランドを出せるという可能性が広がるかもしれない。そうした若い人がチャレンジできる土壌をつくっていきたいと思っています。

−ありがとうございました!

今回のインタビューで、改めて外の世界から見たファッション業界独特の慣習や魅力について知ることができました。これまでアナログと言われてきたファッション業界も、少しずつITの力で効率化され、新たなビジネスチャンスも広がりつつあります。これからますます業界が活性化し、働く人がより豊かに働くことができるためには、それぞれが持つITに対する概念を変え、受け入れる体制をつくることも必要なのではないでしょうか。

TARMINAL ORDERについて

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ターミナル株式会社

設立:2014年5月
代表者:代表取締役 瀬戸 恵介
資本金:151614000円
事業内容:ファッション業界向けBtoBマーケットプレイス「TERMINAL ORDER」の開発・運用
所在地:〒106-0032 東京都港区六本木2-2-6 福吉町ビル 4F

text : Lina Ono(Rhythmoon

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