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10月〜短時間労働者(パートタイマー)の社会保険適用範囲が拡大。これからの働き方を考えるセミナーレポート

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2016年10月から短時間労働者(パートタイマー)の社会保険適用範囲が拡大されます。実施に先駆けて、7月21日(木)、短時間や少ない日数で働く方々にどのような影響があるのか?をテーマに、テンプスタッフ株式会社でセミナー「社会保険適用要件の拡大について〜今後の働き方を考える〜」が開催されました。主催部門は、少ない日数や時間でのオフィスワーク派遣を行う専門部門、ダイバーシティ第1事業部。社会保険制度のプロ、グラース社労士事務所代表、特定社会保険労務士の新田香織さんを講師に迎え、制度の基礎や改正ポイント、税金と保険の関係などをわかりやすく説明してくださいました。

受講対象者は派遣やパートタイムなどの雇用形態にて少ない日数や時間で働く、または働きたいと考えている方々。制度改正の背景にはどのような流れがあり、どのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか。

そもそも社会保険適用要件の拡大とは?

新田さんは、ご自身もキャリアウーマンとして働き、出産・育児休業と職場復帰をした経験を持ちます。キャリアを活かし、働く女性がより生き生きと活躍できる社会の実現に向け従事されてきました。以下、新田さんによる「社会保険適用要件の拡大について」のセミナーの一部を抜粋します。

「日本では、配偶者のいる女性の働き方として“扶養の範囲”という枠組みがあり、それらの方々を対象に配偶者の勤務先から出る扶養手当などが存在してきました。しかし、労働力減少に伴う女性活躍推進などにより、この枠組みが変化しています。これまでの社会保険の扶養範囲は年収130万円以下であることが要件でしたが、今は少子高齢化社会で、今までの社会保険制度を維持していくためには1人でも多くの人が社会保険料と税金を支払うことが必要になってきます。

社会を支えるために、社会保険加入要件について見直され、現在扶養の範囲で働いている人たちがこれからは扶養を離れ、自らの社会保険に入るというケースも出てきています。このような流れから、配偶者が健康保険と厚生年金保険に加入しており、これまで扶養の範囲で働いてきた、なかでも年収が106万円〜130万円ゾーンの人たちは、10月以降働き方を考える必要があります。その場合、変わらず扶養の範囲で働く、もしくは社会保険に加入する選択がありますが、このゾーンにいる人が社会保険に加入をすると、社会保険料を支払うためこれまでと同じだけ働いても手取り収入が減ってしまうのです」

2016年10月〜の社会保険の加入要件

「今までは、1週間の所定労働時間が正社員の概ね3/4以上、1ヶ月の所定労働日数が正社員の概ね3/4以上、目安としては2ヶ月を超え且つ週30時間以上働く場合は社会保険の加入要件でした。

2016年10月からは、

  • 従業員501人以上の企業に雇用される(※学生でない)
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 勤務期間が1年以上見込まれる
  • 月額賃金が8.8万以上(※交通費、残業代、各種手当は含まない)

上記4つの要件すべてに該当する場合も加入要件として加わります」

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社会保険適用拡大の背景にあるものは?

「生産年齢人口はこの先どんどん激減していき、2055年には、人口が3割減、人口の4割が65歳以上、労働力人口は3.5割減と言われています。60歳だった年金受給年齢は、既に徐々に引き上げの段階を踏み、いずれは68歳まで広がります。悠々自適といわれてきた年金生活も私たちの時代ではないと考えたほうが良いでしょう。では、私たちはどうやって68歳まで生きていけば良いのでしょうか?これからの社会、一人でも多くの人が働いたほうが良いとされる一方で、日本は第一子を産んだ女性の退職は6割近く。さらに、再就職を求める女性が多い一方で働きたくても働けない状況が多いため、働きたい人が安心して働ける社会を作る必要があるのです。

社会構造が変化する背景には、就労女性の増加や非正規労働者の増加、高齢者の増加、社会保障費の増加、さらにシングルの増加などがあります。今、30代男性の独身率は2人に1人、30代女性の独身率は3人に1人。今後はさらに増える予想がされています。このように、昔とは随分状況が変わっていても、いわゆる社会保障のモデル家族は昔から変わっていませんでした。時代に見合った働き方をして、『仕事と家庭を選ばなくても良い環境や性別に縛られることのない社会をつくる』=『社会保険適用要件を拡大しよう』という10月の制度改正の流れがあります。

扶養については今後も議論され、縮小・廃止などの可能性もあるでしょう。これまでの『税金・社会保険を納めること』=『損』というイメージから、今後は社会への深い参画というイメージに変化していくはずです。この改正をきっかけに、ぜひ皆さんもご自身の働き方を見つめ直し、キャリアを大切にしていってください」。

今回のセミナーでは、普段私たちが当たり前にやり過ごしてしまいがちな社会保険の大切さについて改めて知ることができました。出産・育児を経験し復帰する女性が増えているファッション業界においても、10月〜の適用要件の拡大は、自身の働き方を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

今回お伺いしたセミナー主催者

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テンプスタッフ株式会社

【代表者】 代表取締役社長 和田 孝雄
【所在地】 東京都渋谷区
【設立】  1973年5月
【事業内容】労働者派遣事業 / 派13-010026、有料職業紹介事業 / 13-ユ-010486、保育事業

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